そして、そこから数日に1回、携帯やパソコンからアナタを検索する日々になった。 こんな自分、惨めで仕方ない。もう会えないアナタの事をどれだけ考えても、今の状況をど…
そしてあっという間に一年が経ち、長女同様、次女が一歳半になるタイミングで彼女も保育園に入園させた。 本当は私はしばらくゆっくり過ごす時間が欲しかったけれど、ちょ…
そして子供が1歳を過ぎた頃、私は他の子よりも活発な我が子の相手をする事に時々限界を感じる様になり、娘を保育園に入れることを考え始めた。 他のお母さん達は仕事に戻る…
式を挙げて一週間後、主人は先にオーストラリアに戻り、私は数週間まだ日本に滞在した。左手の薬指に光る婚約指輪と結婚指輪を眺めては満ち足りた気分になった。 やっと願…
四十九日が過ぎ、私はオーストラリアに戻った。家族の事が心配では無いと言えば嘘になるが、ここに居ても私の居場所は無い。父にも早く一人で生活する習慣を身につけてもら…
私が帰国した次の日、主人は別の飛行機の便を取り、私を追いかけて帰国してくれた。主人とはまだ婚約もしていなかったし、まさか来てくれるとは思っていなかったので、感謝…
オーストラリアに住み始めてしばらくは語学学校に通ったり、時々主人のレストランでウェイトレスとして働かせてもらったり、ゆっくり過ごしていた。そして3ヶ月程経ったあ…
予定としては、仕事の忙しい年始が終わったら、退職して、オーストラリアに行く事にした。 そして、最後に両親と過ごす意味も込めて、年末にはマンションの部屋を出て実家…
そして2ヶ月後主人が日本に一時帰国した。私の仕事終わりに新宿で待ち合わせをした。テレビ電話で沢山話はしてはいたけれど、実際会うのはやはり全然違った。 私達は彼の…
主人は私の友達が住んでいる町でお店を経営していた。友達とも知り合いだった。 その時は挨拶をした程度だったが日本に帰ってから私の友達を通じて連絡先を交換した。好き…
私は彼の両親に会った事はあったが、彼が私の両親に会うのは初めてだった。そもそも私自身、ほとんど付き合った相手と親を会わせた事がない。なので、少し私は緊張していた…
初めての彼の家に緊張しつつ、けれど、会うと毎回私を笑顔にさせてくれる彼と楽しい時間を過ごした。その後、彼がプレゼントと言って私に小さな紙袋を手渡した。私は本当に…
松田君との初めてのデート。食事をしながら沢山話をした。前回はスーツ姿だったけれど、今回は私服姿。大学時代まで運動部に所属していた細マッチョな彼は本当にスタイルが…
業務で関わる以外、話したこともなかった憧れの社員さんを前に人見知りの私は緊張していた。けれど、冗舌な同僚と思いの外お茶目な部分のある主任、そしてひたすら気を利か…
大阪から帰ってきた私は抜け殻だった。仕事から帰ると何日も泣いていたし、何もかもがどうでも良かった。 だから、数ヶ月前に開催された小学校の同窓会で15年振りに会った…
翌日、新幹線に乗る前にアナタが連れて行ってくれた場所。満開の桜が咲く大阪造幣局。初めて行ったその場所はどこよりも綺麗で、アナタと最初で最後のお花見をした。あまり…
優華
2023年11月9日 18:15
そして、そこから数日に1回、携帯やパソコンからアナタを検索する日々になった。こんな自分、惨めで仕方ない。もう会えないアナタの事をどれだけ考えても、今の状況をどれだけ後悔しても、時間はもとには戻らないんだから。そんな日々を過ごしていたある日、関西で大きな地震が起きた。アナタと別れてから10年も経っている。最後に連絡をしたのも7年前。まだ同じ場所に住んでいるとは限らないし、そもそも私から毎
2023年8月8日 17:52
そしてあっという間に一年が経ち、長女同様、次女が一歳半になるタイミングで彼女も保育園に入園させた。本当は私はしばらくゆっくり過ごす時間が欲しかったけれど、ちょうど友人から子供達が保育園に行っている時間に仕事をしないかと声をかけてもらったので少しだけだが、社会復帰することにした。職場には日本人の友人も居たし上司も同僚にも恵まれ、良い気分転換の時間になった。しかし、自分の時間ができ、手探りながら
2023年7月8日 18:40
そして子供が1歳を過ぎた頃、私は他の子よりも活発な我が子の相手をする事に時々限界を感じる様になり、娘を保育園に入れることを考え始めた。他のお母さん達は仕事に戻るためみんな1歳前に子供を保育園に入れ始めた。私は仕事をする気はまだ無かったので週に2日だけ預けようと決めた。自宅から最寄りの保育園の預かりが1歳半からだったので、それに合わせて入園を決め、気分転換の意味もあり友人から紹介された仕事を始めて
2023年6月7日 10:53
式を挙げて一週間後、主人は先にオーストラリアに戻り、私は数週間まだ日本に滞在した。左手の薬指に光る婚約指輪と結婚指輪を眺めては満ち足りた気分になった。やっと願っていた現実を手に入れたのだ。友人と会ったり、エステに行ったり、旅行をしたり、充実した時間を過ごし、オーストラリアに戻って1ヶ月が過ぎた頃、予期していない出来事が起こった。なんと妊娠していたのだ。学生時代から生理痛が酷く、周期もとても不順
2023年5月3日 11:21
四十九日が過ぎ、私はオーストラリアに戻った。家族の事が心配では無いと言えば嘘になるが、ここに居ても私の居場所は無い。父にも早く一人で生活する習慣を身につけてもらわねばならないし。オーストラリアに戻った私をみんな暖かく迎えてくれた。特に既にお母さんを無くしている友人には優しく接してもらい有り難かった。主人のお店の手伝いをしたり、スポーツを楽しんだり、お菓子を作ってみたり、私のオーストラリア生活
2023年3月28日 18:01
私が帰国した次の日、主人は別の飛行機の便を取り、私を追いかけて帰国してくれた。主人とはまだ婚約もしていなかったし、まさか来てくれるとは思っていなかったので、感謝しかなかったし、心強かった。ちゃんとした喪服も持っていなかった私は主人を駅に迎えに行くついでに駅ビルで喪服を買った。化粧もせず疲れ切った顔で喪服売り場に行った私を見た店員さんは私に必要以上の話はしなかったが、状況はきっと察しただろう。翌
2023年2月24日 19:08
オーストラリアに住み始めてしばらくは語学学校に通ったり、時々主人のレストランでウェイトレスとして働かせてもらったり、ゆっくり過ごしていた。そして3ヶ月程経ったある日の夕方、私が主人と一緒に夕飯を作っていたら、私の携帯が鳴った。私は少し前に応募していた仕事の件かと、少し緊張しながら応答すると、電話口からは日本に居る妹の声が。仕事の電話では無かった安心感と初めて電話をかけてきた驚きで『何だ〜、どうした
2023年1月31日 18:35
予定としては、仕事の忙しい年始が終わったら、退職して、オーストラリアに行く事にした。そして、最後に両親と過ごす意味も込めて、年末にはマンションの部屋を出て実家に戻る事に決めた。職場に退職の旨を伝えたり、安いチケットを探したり、会える時に会いたい人に会ってお別れをしたり、やる事はギリギリまで沢山ある。そんな日常の中、ある日アナタと電話をした。そして、オーストラリアに行く事、おそらく結婚する
2023年1月23日 17:25
そして2ヶ月後主人が日本に一時帰国した。私の仕事終わりに新宿で待ち合わせをした。テレビ電話で沢山話はしてはいたけれど、実際会うのはやはり全然違った。私達は彼の希望で焼肉屋さんに入った。久しぶりの日本でまず行きたかった場所らしい。出会ってから連絡は絶えず取っていたけれど、面と向かって話すのはほぼ初めて。何だか知っている人なのか知らない人なのか不思議な感じだった。次の日も私は仕事だったので、遅く
2023年1月14日 18:26
主人は私の友達が住んでいる町でお店を経営していた。友達とも知り合いだった。その時は挨拶をした程度だったが日本に帰ってから私の友達を通じて連絡先を交換した。好きになったわけでは無かったけれど、何となく焦っていたから…。今までの人生で彼、もしくはその代わりになる人がずっと居た。だから誰かと別れても寂しくなかった。優しくしてくれる誰かがいたから。けれど、人生で初めて周りに誰も居ない事に気づいた。自分
2023年1月5日 19:32
私は彼の両親に会った事はあったが、彼が私の両親に会うのは初めてだった。そもそも私自身、ほとんど付き合った相手と親を会わせた事がない。なので、少し私は緊張していたが、特に問題なく承諾を得る事が出来た。そこからは二人で家を探し、私にとって人生初の家の内見に行き、契約書を書き、引っ越しをした。親元を離れて大好きな彼と暮らす。片道1時間半かかっていた通勤も20分になった。家事は苦手だったけれど、新婚
2022年4月19日 17:30
初めての彼の家に緊張しつつ、けれど、会うと毎回私を笑顔にさせてくれる彼と楽しい時間を過ごした。その後、彼がプレゼントと言って私に小さな紙袋を手渡した。私は本当にプレゼントは要らないと思っていたので、ビックリしながら開けてみるとそこには私好みな指輪が入っていた。そして、"付けてあげる"と彼が手を伸ばして私の右手薬指に指輪をはめた。次の瞬間"良かった〜。ピッタリ!"と安堵した彼の声。私は何でサイズわか
2022年3月26日 18:37
松田君との初めてのデート。食事をしながら沢山話をした。前回はスーツ姿だったけれど、今回は私服姿。大学時代まで運動部に所属していた細マッチョな彼は本当にスタイルが良くて見とれてしまう。楽しい時間はあっという間に流れ、遅くならないうちに駅の改札まで見送ってくれてその日は別れた。二回目のデートはお台場までドライブデート。12月に入ったばかりのその日は、とても寒くて、けれどクリスマスのイルミネーション
2022年3月8日 08:07
業務で関わる以外、話したこともなかった憧れの社員さんを前に人見知りの私は緊張していた。けれど、冗舌な同僚と思いの外お茶目な部分のある主任、そしてひたすら気を利かす後輩くんと気付けば楽しい時間を過ごしていた。二軒目のホテルのバーで同僚とトイレに立った際、彼女が"どんな感じ?"と聞いてきた。たった2、3時間過ごしただけなのに、なぜだか私は松田君にキュンキュンしていた。こんな気持ちは初めてで、自分でもび
2022年2月27日 17:08
大阪から帰ってきた私は抜け殻だった。仕事から帰ると何日も泣いていたし、何もかもがどうでも良かった。だから、数ヶ月前に開催された小学校の同窓会で15年振りに会った丸山君からの連絡にも、とにかくアナタを忘れたい一心で返事をした。そして、3回目のデートで付き合って欲しいと言われた。正直、全く気持ちは動いていなかったけれど、アナタの事を忘れられるかもしれない、という最低な理由で付き合う事にした。彼は
2022年2月16日 16:57
翌日、新幹線に乗る前にアナタが連れて行ってくれた場所。満開の桜が咲く大阪造幣局。初めて行ったその場所はどこよりも綺麗で、アナタと最初で最後のお花見をした。あまりにも桜が綺麗すぎて、あまりにも素敵なデートすぎて、気が緩むと涙が出そうになるのを必死に堪えた。今までデートらしいデートなんて数えられるほどしかしてこなかった私達。なのになんで最後にこんな素敵なデートスポットに連れてきてくれるの?ズルイよ。