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#36次のステップ/運命の恋

初めての彼の家に緊張しつつ、けれど、会うと毎回私を笑顔にさせてくれる彼と楽しい時間を過ごした。その後、彼がプレゼントと言って私に小さな紙袋を手渡した。私は本当にプレゼントは要らないと思っていたので、ビックリしながら開けてみるとそこには私好みな指輪が入っていた。そして、"付けてあげる"と彼が手を伸ばして私の右手薬指に指輪をはめた。次の瞬間"良かった〜。ピッタリ!"と安堵した彼の声。私は何でサイズわかったの!?と再度驚いたが、彼は"見た感じ!"と言って満足げに笑った。
彼には勿論言っていなかったが、私は誰かと付き合うと一番最初に指輪が欲しいのだ。だから、本当に理想通りの展開で驚きと嬉しさが隠せなかった。
その後、私からもプレゼントを渡し、彼もとても喜んでくれた。

そんなこんなで時間は10時を回っていた。実はここに来る前日、私は自分の荷物に悩んでいた。約束の時間は夕方。場所は彼の家。同僚達は初のお泊りだね〜と、また楽しそうにしていたが、そういう話は何もしていないので、彼がどういうつもりなのか、私には全く想像がつかなかった。荷物が多いのはあからさまに泊まる気満々な気がしたし、結局最小限の荷物に抑えて来た。しかし同僚達の予想通り、その後彼と初めて夜を一緒に過ごす事になり、幸せなクリスマスイブとなった。

松田君とは順調に交際が進んだ。仕事帰りにデートをしたり、週末に彼の家に泊まったり、時々喧嘩をする事もあったけれど、彼は私の知らない世界を色々教えてくれた。
そして付き合って一年が過ぎた頃、彼から一緒に暮らさないか?と提案された。今まで実家から出た事の無い私にとって、それはとても嬉しい出来事だった。しかし、私のお堅い両親に話すと、結婚をするという理由でないとそれは許可出来ないと言われてしまった。
その事を彼に言うと、結婚前提でまずは同棲をするという事で話してみようと、私の実家に挨拶に来てくれる事になった。
そして、とある土曜日、彼が私の両親に会いに実家に訪れた。

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