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#33大阪LOVER/運命の恋

大阪から帰ってきた私は抜け殻だった。仕事から帰ると何日も泣いていたし、何もかもがどうでも良かった。
だから、数ヶ月前に開催された小学校の同窓会で15年振りに会った丸山君からの連絡にも、とにかくアナタを忘れたい一心で返事をした。
そして、3回目のデートで付き合って欲しいと言われた。正直、全く気持ちは動いていなかったけれど、アナタの事を忘れられるかもしれない、という最低な理由で付き合う事にした。
彼は優しかった。いつも私の事を優先してくれた。元同級生ということもありお互いの家も近い。週末はもちろん、仕事終わりにデートをすることも度々あった。私がアナタとしたいと思っていた事だ。しかし、私は全然彼の事を好きになる事が出来なかった。最低だ。そんな事自分自身が一番分かっている。けれど一人になりたくなくて別れる事はしなかった。
そんな時にドリカムの大阪ラバーを耳にした。
初めて聞いた時、心臓がドキンとした。ビックリした。そして次に歌詞を見ながら聞いて泣きじゃくった。アナタと付き合っていた時の私の気持ちそのものだったから。

あなた以外に連れはおれへんのよ
御堂筋はこんな日も一車線しか動かない
「一緒に住まへんか?」とは言わないし楽しそうにしてたってそこは内心めっちゃさびしいんよ
家族と離れてたってあなたとここで生きていきたいんよ
また来るのはあなたがおるからやもん


違ったのは私から「もうこっち来いや」って言ってと催促出来なかったところ…。

そんな風にアナタの事を消化出来ないまま丸山君と付き合って半年が過ぎようとしていた頃、会社の同僚から飲み会に誘われた。私が密かに目の保養にしていた高島主任を誘ってくれたらしい。私は軽い気持ちで同僚と一緒に待ち合わせの小洒落た飲み屋に向かった。そこには主任と主任の後輩だという私より年下の男性社員松田君が既に到着していた。

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