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ゆうせいのエッセイ

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映画以外で何か言いたいことがあるときはここに。むずかしいことだけは言わないように気をつけて書きます。
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#エッセイ

【Edge Rank 1141】興味のピークアウト【ゆうせい】

【Edge Rank 1141】興味のピークアウト【ゆうせい】

 いろんなものへの興味がピークアウトした。格好をつけてピークアウトと書いてみたけれど、僕も四十六歳となり、すこしばかり落ち着いたのだと思う。あれ、もっと格好つけた感じになってしまった。

 熱しやすく冷めやすい。幼い頃から両親と祖父母に言われ続けて大人になりました。少なからず誰にだって思い当たることはあるはず。そもそも熱するだけいいじゃないか。何かに夢中になって興味をもつ。最高だ。

 でも、大人

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大声で「クソッ!」と言いながら歩くおじさん

大声で「クソッ!」と言いながら歩くおじさん

食パンを買いに行ったスーパーにて、大きな声で文句を言いながら歩いているおじさんに遭遇した。言葉か言葉でないのか判別できない何かの後で、「クソッ!」を大きめの声で発していた。何かどうしようもなく気にくわないことがあったのだろうか。

おじさんの視点は空中の一点を捉えたままで、まっすぐ前へ歩いて行って、しばらくして僕の視界から消えた。無関心を決め込んで、文句たれおじさんなんて最初から居なかったと脳内処

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難病の経験を書こうと思ってやめた

難病の経験を書こうと思ってやめた

難病に二度もなった。内科系と外科系の両方。どっちもめちゃくちゃしんどかった。特に内科系の方は死んでもおかしくなかった。でも今は寛解して生きている。寛解したと言っても毎日ちゃんと薬を飲んでいるし、二カ月に一度の検診は続いている。

難病なんて誰もならなくていい。でもなったからには難病のことを利用して、闘病記とか、経験談を書いてやろうと思っていた。でもやめた。

難病のことを考えたくないのだ。人間は嫌

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友人から誕生日プレゼントと一緒にもらったもの

友人から誕生日プレゼントと一緒にもらったもの

友人から誕生日プレゼントをもらった。手渡してくれる前に「もしもいらないとか、すでに持っていたら遠慮なく言ってね。僕が使うから」と言ってくれたのだけど、僕はその気遣いがめちゃくちゃいいと思った。パートナーとか恋人にプレゼントする場合とはまた別の、友人関係だからこその気遣いというか。

しかし実際のところ、そんなことを言われても「いらない」とは言いにくい。でも「すでに持っていたら」というオブラートもあ

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文庫本に挟まっている新刊チラシを裏返す

文庫本に挟まっている新刊チラシを裏返す

文庫本に挟まっている新刊チラシをしおり代わりに使うことがある。しおりより大きいのでわかりやすく、こっちの方が好きなくらいだ。ある時チラシに新刊のタイトルと合わせて作者の写真が印刷されていた。一旦中止するとき、続きを読もうとするとき、その度に作者と目が合う。作者には悪いけど何度も目が合ううちに嫌気が指してきて裏返した。

その瞬間、笑ってはいけないシリーズの一コマを思い出した。ダウンタウンの松ちゃん

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故郷の石川県が嫌いではないが苦手だ【Edge Rank 1081】

故郷の石川県が嫌いではないが苦手だ【Edge Rank 1081】

お盆の時期だけど東京にいる。35歳で上京してから10年が経つけれど、お盆に故郷の石川県に帰ったことは数回しかない。理由は人混みが苦手で、なおかつ旅費が高くなる時期を避けたいから。

なので行くにしても9月や10月など時期をずらしている。そして今年は、9月に両親が東京観光に来るのでやっぱり帰らない。

故郷が石川県だと「石川県すきです!うらやましい」と言われることが多い。北陸新幹線が開通してからはさ

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Amazonタブレットに無視されている母(6/25〜7/1日記)

Amazonタブレットに無視されている母(6/25〜7/1日記)

6/25 日
東銀座のルノアールにたぶん6年ぶりに行った。左隣のおじいさんはアイスレモンティーに口をつけることなく眠っていた。右隣のおじさんはスーツケースが傍らにあったので出張中なのだろう。覗き見防止フィルターを貼ったパソコンで何かを打ち込んでいた。情報リテラシーの高い(厳しい)会社。
そのあとふらっと入ったおかきのお店でおかきを買った。以前は「あけぼの」が近所にあったのでよく買っていたことを思い

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ドリップコーヒーの用法を守る僕と無視する妻

ドリップコーヒーの用法を守る僕と無視する妻

自宅で飲むコーヒーはドリップコーヒーが多い。豆からひくこともあるが、だいたいは一杯数十円くらいのパックのドリップコーヒーだ。パッケージ裏には「まず全体を湿らして20秒ほど待ち、それから2回に分けて円を描くように注ぐ」と書いてある。

僕はこの注意書きをしっかり守って淹れているのだが、実際のところこの価格帯のドリップコーヒーにおいては正しい淹れ方をしようがしまいが、味は大して変わらないのだろう。だけ

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移動中は絶対に仕事をしない(できない)【Edge Rank 1068】

移動中は絶対に仕事をしない(できない)【Edge Rank 1068】

移動中は絶対に仕事をしない(できない)移動中に仕事はしない。できない。瞬時に酔ってしまうから。仕事以外でも本も読まない。読めない。なので、新幹線や飛行機などの長時間の移動はただ外を眺めるだけのおじさんになることが多い。電話での会話や動画を確認することは問題ないのだが、文字情報となると一行読めるかどうかのレベルと言っても過言ではない。

たまに新幹線の車内でがっつりメールやSlackを返している人を

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石けんをチーズだと言い張った母の思い出【Edge Rank 1060】

石けんをチーズだと言い張った母の思い出【Edge Rank 1060】

今から40年前の私が幼稚園児のころ、実家にはおやつを入れておく戸棚があった。子どもが勝手に食べないように手が届かない高さの戸棚。甘いお菓子やしょっぱいお菓子、買ったものや貰いものなど、とにかくお菓子に分類されるものはそこに入れることになっていた。

ある日、その戸棚の中身を整理することになり一度ぜんぶ出すことになった。棚卸しである。兄、私、弟からすると普段は下から見上げることしかできない戸棚の中身

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【Edge Rank 1013】取材して取材された10月【ゆうせい】

【Edge Rank 1013】取材して取材された10月【ゆうせい】

10月はたくさん取材して、逆に取材された月でした映画情報マガジン「DOKUSOマガジン」の取材が10月末に集中(いつもは月末から月初にかけて分散)して、月末は毎日のように取材に同行。忙しいけれどたくさんの人に会い、すてきなお話が聴けましたし、そして言うまでもなく俳優のみなさんが個性的でしたから、楽しすぎる月末でした。

ある俳優さんの取材では、伝説のヤクザ映画『竜二』(1983年公開)を取り上げる

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Amazonで頼んだ腕時計が届かなかった

Amazonで頼んだ腕時計が届かなかった

僕はいつもApple Watchを着けている。説明するまでもなく便利で、カレンダーに設定した(された)予定の通知は届くし、心拍数や睡眠分析など健康管理もしてくれるし、コンビニでの電子決済もこれひとつでできる。こんなに便利な腕時計を使わない手はない。だがしかし、生粋の飽き性である僕はApple Watchを着けていることに飽きてしまった。もはや生活必需品と化しているものに飽きるも飽きないもないのだが

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【Edge Rank 1006】買い物が下手くそで困る【ゆうせい】

【Edge Rank 1006】買い物が下手くそで困る【ゆうせい】

僕は買い物が下手くそだ。欲しいものを買おうとしている途中で、それが本当に欲しいのか、はたして自分に必要なものなのかわからなくなってしまう。これを読んでいるほとんどの人は意味がわからないと思うけれど、そんな性分なんだからしかたがない。

最近も、いや、つい今日も、新しいスマートフォンが発表されて、「新しいスマホが欲しい」という気持ちになった。だが実際に販売サイトでカートに入れた途端にふわふわしてくる

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15歳の女の子の思春期が終わる瞬間を見る映画『胸にTATTOOなんかいれて』

15歳の女の子の思春期が終わる瞬間を見る映画『胸にTATTOOなんかいれて』

今回は思春期にまつわる短編映画の紹介です。恥ずかしながら、僕にもきっちり思春期はありました。思春期だからこその反抗期の愚行をこれでもかと親にぶつけたことがあります。何をどうかんがえてもただの勘違い野郎のバカ野郎で、穴があったら入りたいし、無いなら自分で掘ってでも入りたいです。

僕は思春期の時に「もう親がいなくても生きていけるな」と思ってしまったのです。恥ずかしい!!!

でもきっとみんな大なり小

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