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難病の経験を書こうと思ってやめた

難病に二度もなった。内科系と外科系の両方。どっちもめちゃくちゃしんどかった。特に内科系の方は死んでもおかしくなかった。でも今は寛解して生きている。寛解したと言っても毎日ちゃんと薬を飲んでいるし、二カ月に一度の検診は続いている。

難病なんて誰もならなくていい。でもなったからには難病のことを利用して、闘病記とか、経験談を書いてやろうと思っていた。でもやめた。

難病のことを考えたくないのだ。人間は嫌なことを忘れようとする生き物らしい。忘れたくても忘れられないことはあるし、現に難病になったことは忘れようにも忘れられるわけがない。

でも、入院中のことや、治療中のことはどんどん忘れていっている。退院するとき、どうやって帰ってきたのかも覚えていない。妻が出張中でいなかったことは覚えている。でも、退院時にお世話になった先生や看護師の方にどんな挨拶をしたのかさえ思い出せない。

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