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「へっぽこ大航海時代」フリーランス嫁 &元会社員夫の移住日誌

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東京から瀬戸内海の島へ、移住3年目。迷いに迷うフリーランス嫁と、新米ハンター夫の「へっぽこ移住」実況中継。目指すは「自給自足」?!
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#フリーランス

【第8話】恐怖の引っ越し費用、そして移動スケジュール

【第8話】恐怖の引っ越し費用、そして移動スケジュール

◇3月末は禁断の引っ越しシーズン! ジプシーのように頻繁に引っ越しをしている我々夫婦。たとえ大阪だろうが愛媛だろうが、楽勝楽勝……とタカをくくっていたが甘かった!! 3月末~4月頭は引っ越し屋さん超繁忙期。トラックがないと断られる、運良く残っていてもベラボーに高い! 

 ってことで、秒速で金の出ていく今日この頃なのであった。

 埼玉県蕨市~愛媛県今治市。夫がやっと見積もりにまで漕ぎつけた3社の

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【第14話】諦めないために帰京する

【第14話】諦めないために帰京する

 移住して72日目にして、初めて東京に帰ってみました。いやー、だんだん生活も落ち着いてきたワケだし、フリーランスの憧れでもある「田舎と都会を行ったり来たりする仕事スタイル」を確立していきたいというところでして。だから今回東京に帰ったのは、そのテスト走行というか、お試し旅行だったんですね。

 なんて……、す、すみません。大ウソっす! いや、そういう意味合いもあったことには違いないんだけど、本当はそ

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【第15話】「田舎⇔東京ぐらし」は始まったばかり①

【第15話】「田舎⇔東京ぐらし」は始まったばかり①

 いやー。田舎暮らし、くっそ忙しいです。こっちの島は夜8時でもまだ明るいんですが、昨日はそれまで畑で防鳥用のヒモ張ってたもんね。で、2時すぎに寝て今朝は6時起き。(ハチが活動を始める前に)朝早くから洗濯&洗濯干しですわ。

 ここ1週間で新たに発見した、田舎暮らしの利点。それは「原稿作業を″缶詰”でやるのが容易」だってこと。作家さんなどがホテルにこもってやる、アレですね。ジュンク堂やユザワヤ、ギャ

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【第17話】35歳の教習所デビュー

【第17話】35歳の教習所デビュー

◇ついに訪れた、助手席生活の終焉 クロールの息つぎができるようになったのが、30歳。原付の免許を取ったのは、去年34歳。歩みは遅いが日進月歩だ。このペースだと70歳ぐらいでバック転とかできるようになってるかもしれない。でもその前に――

 35歳、教習所デビューっす。

 「一生座らないまま済めばどんなにラクか」と思っていた運転席に、とうとう座る日がやってきた。首都圏とは違い、電車もない、タクシー

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【第18話】移住先で「祭に参加する」ということ

【第18話】移住先で「祭に参加する」ということ

◇無意識に傷つけていることもあるんじゃないか
 祭は好きだ。見るだけじゃなくて、できれば中の人として参加もしてみたい。

 池袋に住んでいた時も、年配マダムたちに囲まれて焚き出しとかしたなぁ。「キャベツを何㎝の幅で切れ」とか、「○○さんの味付けはなってない」など女たちの冷戦はおっかなかったけど、生き物観察のノリで見たらそれはそれで結構楽しかった。気分は文化祭の延長。参加することに深い意味を考えなか

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【第20話】これが会社なら不渡りだ~、移住して増えた「立替払い」のワナ

【第20話】これが会社なら不渡りだ~、移住して増えた「立替払い」のワナ

 取り繕うのもナンなんで正直に言っちゃうと、最近、決定的に金がない。

 先々週、広島に出張に行く直前に発覚したのだった。現金を確保しておこうとネット口座を覗いたら……残13000円の表示。一桁間違っているのかと思い更新ボタンを押せども、ゼロの数変わらず。イスから転げ落ちるようにカバンを引っ張り出し財布こじあける。たった6300円。翌日に広島に行くための高速バス代6000円を払い、ケータイ代と国民

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【第21話】「病院」どうする、行く? 行かない?

【第21話】「病院」どうする、行く? 行かない?

◇秋の気管支炎まつり 前回は金欠の話かと思ったら、今度もまた辛気くせぇテーマだなぁ。と舌打ちされるかもしれないが、田舎暮らしをするなら避けては通れないのである。

 だって、気管支炎になっちゃったんだもん♪

 半月ばかり喉が痛かったのだが、仕事がひと段落したらチャンスとばかりに落城された。先週から呼吸も会話もままならず、家の中でさえ数歩歩いては一休みという、なんかもう常にエベレストで生活している

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【第22話】移住のリズム、35年間見てきたものは日本のほんの一部に過ぎなかった(①出張編)

【第22話】移住のリズム、35年間見てきたものは日本のほんの一部に過ぎなかった(①出張編)

◇生活のサイクルが定まってきた 3月30日に都会から身を移して、早222日。ニャンニャンニャンで猫記念日……? なんて言っている場合ではなく、とにかく今日は書けるだけ書かねばならぬ。現時点においての移住生活サイクルが固まってきたので、なんかその空気感みたいなものを焼き付けておきたいのだ。どうせならせっかくゾロ目の今日この日に。

 そう思うと、このブログって記念写真みたいなものかもしれない。誕生、

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【第23話】移住のリズム、35年間見てきたものは日本のほんの一部に過ぎなかった(②お祭り編)

【第23話】移住のリズム、35年間見てきたものは日本のほんの一部に過ぎなかった(②お祭り編)

◇「田舎は退屈」って、いったいどこの話だ? 移住前、「島(田舎)では単調な毎日で退屈するのでは…」と心配になったりもしたが、杞憂とはまさにこのこと。なんかもう、こっちが呆れちゃうぐらいイベント目白押しです。この大三島というか、しまなみ海道沿いの島ならおそらくどこでも。

 何百メートルもの藤棚(&大量のクマバチ)に息をのむ「藤まつり」、和製ジャンヌダルクと呼ばれた村上水軍の姫・鶴姫の「鶴姫まつり」

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【第24話】年末に向けた人格崩壊、それは長期出張がもたらしたもの

【第24話】年末に向けた人格崩壊、それは長期出張がもたらしたもの

 18日間、こんなロングタームな東京出張は初めてだ。今日で10日が過ぎようとしている。前半は一人だった。昨日から夫が追いかけてきて、同じシェアハウスに寝泊まりしている。それもこれも、今夜の『猪骨ラーメン実食祭』のため。これは島で獲れたイノシシを豚骨…ならぬ猪骨(ししこつ)ラーメンにして食べてもらうという夫の「地域おこし協力隊」としての取り組みなのである。(昨日気づいたのだが、実は今日って我々の2度

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【第25話】脱サラ夫は、猪骨(ししこつ)ラーメンに賭けるのだ

【第25話】脱サラ夫は、猪骨(ししこつ)ラーメンに賭けるのだ

 10年のサラリーマン生活に別れを告げ、「地域おこし協力隊」となった夫。それからたった8カ月で、まさか、ここまで形になるとは思っちゃいなかったよ。

 11月26日 新宿ネイキッドロフト、大盛況のうちに幕を閉じた「猪骨(ししこつ)ラーメン実食祭」のことである。夫、初めてのイベント主催でよく頑張りました。え、何? 猪ってあのイノシシ? とりあえず旨いのそれ!? と疑問符いっぱいのあなたには、まずブツ

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【第26話】イノシシよ、今から君を仕留めます①

【第26話】イノシシよ、今から君を仕留めます①

◇見方によっては、もっとも残酷なシーン ついにこの日が来た。初めて「止めさし」の現場に立ち会うのである。

 止めさしとは、わなに掛かった獲物にとどめを刺すという狩猟用語だ。わなや網にかかった獣はすぐには死なない。だから早くラクに死なせてあげる目的と、あとは(今となってはこちらの方が優先順位が高いかもしれないが)大事な商品である肉が傷まないようにする目的がある。何日も暴れて怪我をしたり、乳酸が溜ま

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【第27話】イノシシよ、今から君を仕留めます②

【第27話】イノシシよ、今から君を仕留めます②

 二頭目は、箱わなだった。箱わなとは、鉄製の柵で囲われた檻のこと。中に餌を仕込んでおいて、獣が入ったら扉を落とす。

 え? 餌、入れ過ぎだって?? しかしここは愛媛県、みかんなら文字通り捨てるほど余ってるんですわ。

 止めさし(※とどめを刺すこと、詳しくは前章で)の方法としては、檻の場合、銃は跳弾が怖いので使わない。だいたいは接近戦で威力を発揮する「槍」や電気ショックで心臓を止める「電殺器」の

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【第29話】「すくすく」という言葉は、君たちのためにある

【第29話】「すくすく」という言葉は、君たちのためにある

 皆さんのところには届いてますか? 桜前線。大三島は局地的に満開のスポットありありです。こちらは「多々羅キャンプ場」。ソメイヨシノとはまた違う濃い桃色のふんわりとした花々の塊が、そこかしこにふるふると揺れております。

 世界第5位の長さを誇る斜張橋「多々羅大橋」の下にあるんですが……

 眺めサイコー。

  松田聖子が出てきそうなビーチ。

 昨日は、友人トモちゃん&愛娘のみくりんと共にこのキ

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