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芍 shaku

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〈芍〉
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#小説

『自分の理由』

君が嫌いです単純な理由で君が嫌いです

君に好かれるために飾らなくてはいけないその理由がもうないことに自由を見つけました

それはもうとても快適で

とても潤滑で

とても風通しがよくて寂しくもあるのでした

君から好かれるために飾らなくてもいい

飾り付けたいわけじゃない

誰からみても きれいだ と言われる

何かになりたかった

もう必要とされない
それは自由

『君に夜をあげる』

『君に夜をあげる』

『君に夜をあげる』

日が昇れば
日が昇れば消える
星の光を数えることができない

想像するの
あの星座には物語なんて
ほんとはなくて
私との思い出だけ
残ればいい

踊っている地球の上で
しがみ付いて光を眺める
明るいうちは海と約束して
夜になれば星を見つめる
どうしたいとか
こうしたいとか私にはあっても
今日はここにあって
そういう私は
ここにいる

日が沈めば
日が沈めば

解放されるんだ全

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『好きって固まりが、嫌い。』

『好きって固まりが、嫌い。』

好きって言って、嫌いって言う。

嫌いって言えば、好きって言ったことに

なってしまうね。

だから全部、取り消したい。

おしまいが始まりなら、永遠に途中。

変化の中に永遠があるから、きみの作った永遠もどきは、あの頃で止まったんだ。

停止ボタンを忘れて、さようならと言った。

すべて取り消しするつもりだったのに。

愛、冷めて固形。

『しっぽ』

『しっぽ』



『しっぽ』

かつて
みんなぼくを殺したがった
なぜなら
わたしが天使だったから

ぼくを殺せば答えが見つかると
わたしがいるからみんな苦しいんだと
ふと世界は気づいてしまった
明日なんかいらないから
手早く答えを引き摺り出したがった
大切なものなんて
みんな分からなくなってしまった
わたしは怯えて
ぼくは逃げる決意をした
わたしは何も守れなかった
ぼくはみんなを見捨てたんだ
みんなに生きてほ

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