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注いでいるエネルギーの奥にあるもの。

今日もフランスからボンジューR(ル)!
フランスパリ地方も昼間は夏日のような暑さになってきました。
さて、今日は普段わたしたちが無意識に注いでいるエネルギーについて日本とフランスでの違いを書いてみたいと思います。

ステレオタイプというものはある程度は過剰で、ある程度は少なからず合っていると思います。

今月、フランスは発表会の盛んな月。

夏休みを前にこの一年の集大成であるお披露目会が至る所で行われます。

が、その発表会のレベルは実は日本とは全く違います。

どの種の発表会もハッキリ言って日本人からすればどへっ。とか、本当に練習したの?と言いたくなるような感じが正直多かったりもするフランスの発表会&お披露目会(もちろんそうではないものも沢山あります。主にここではアマチュアのお稽古の発表会や学校の発表会などを対象にお話ししています)

でもそれは求めているものや向かっている先、そもそもの考え方が根本的に違うからだなぁと感じます。

日本人は一般的には出来栄えや見た目をより重視する傾向がより強く=人からどう思われるかを軸に上手だとか素晴らしいと言われるようにいかに美しく、よりすごい技術(テクニック)を目指して頑張りますよね。間違ってはいけないという項目が必須なのもポイントだと思います。だから必然的にフォーカスする先は結果です。全ては結果。

そのためにストレスを感じながらも並々ならぬ努力と練習をして人から賞賛されるという見返りを目指すわけです。賞賛を得ることによって自分には価値がないと思い込み自信のなかった自分へ活力が与えられるからです。

一方のフランス人はまず人からどう見られるかに主きを置いていないので、上手い下手は多少は気にはするけれど実際的には二の次三の次になっていて、まずは楽しむとかその本質に入り込むといった感じが強いです。マイペース、マイモードといった感じでしょうか。また、美しく見られたいという点では、その前に自分が常に美しくありたいといった感じなので、〜でなければならない、というエネルギーとは真反対にいる気がするし、発表会に関しては前述したようにフォーカスしているもの自体が違うのでその結果ハードルというか垣根は日本よりだいぶ低くなっている気がします。

また、結果という言葉の定義についても違っていて、日本人が思う結果は、上手に、全てが完璧に間違えずにできたかどうか。(見た目)フランス人がいう結果は自分が楽しくできたか、自分なりに納得するものが表現できたかどうか。(内側)

そもそもフランス人の頭の中に間違えないようにという概念は既存でインストールされていないように思います。

そこが大きいのと、教育や考え方の違いから自己肯定感が子供の頃から結構高かったりします。
極端な話でいえば、例えば演奏がすごく下手だけれど親や親戚からは常に賞賛されるので本人もその気になっていたりということがまぁまぁあります。

こういうケースはそもそも上手いか下手かにもフォーカスしていないようなところがあって、あなたがやったのだから、何でも素晴らしいわよ!的な。
日本では白々しいと思えますが、フランスは100%本気で本心です!

そしてやはり大切なのは最終的にここにきますが…
間違えないようにとか皆の期待に応えなければ、頑張らなければという意識のもとに披露するものと、どんな結果でも親や家族など自分の周りも喜んでくれるという安心感のもとで自分が楽しもうとかそれをシェアしたいという意識からの披露は発しているエネルギーが全く違ってくるのです。つまり、見ている人の心に響くとか伝わる度合いが全然違うということです。
たとえ間違ったとしてもそこが気にならないほどの心を奪われる演技や演奏とかありますよね。あれが紛れもなく本人が放っているエネルギーが見る人に伝わっている瞬間です。

もちろんどちらの選択でもOKで、これに正しい間違いはありません。

ですが、どうせなら人がどう思うかを気にしてストレスを感じながらよりも自分が楽しかったかや気持ちよさを感じられる方にフォーカスを当てた方が断然いいと思いませんか?

もちろん今回書いたことは全てのフランス人、日本人、お稽古ごと、発表会には当てはまりませんが、少しでもこのエネルギーのベクトルの違いを感じでもらえたら嬉しいです。

そんなわたしも明日は2回目の公共の場でのフラダンスの発表会です。まさに先ほど書いた通り、あちゃー!こんなんで大丈夫?というレベルですが(わたしだけでなく…笑)普段は厳しくて細かいところまで指摘する先生達ももう何もいいません。手放されたのか… 笑 いえいえそんなことはありません。みんなが楽しみながらやり切るということに全信頼を置いているのが伝わってくるから。
そして終わった後のダメ出しなどは一切なく、楽しかったね、やり切ったね、素晴らしかったね、素敵だったね、と心地よい時間を共有します。
でも新学期からは心新たにビジバシ指摘が入ります。でもそれはお披露目会に向けての指導ではなく、その踊りに対するリスペクトからの指摘です。この辺りは日本も同じですよね。

あなたが今何か続けていることがあるとしたら、誰のために何のために何を得たくてそれをやっているのかを改めてじっくり考えてみてくださいね。

長くなったので、また!
Bon week-end (良い週末をお過ごしください♪)

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