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腸が裏で動いている? 脳以上に重要な腸のセルフケアの重要性とは

「なるほど、腸は脳以上に心身に影響を与えているということか」

この1年で誰もが関心を高めたのは「免疫」ではないでしょうか。コロナ禍において、自分のウィルスに対するバリアを高めたいと思うのは自然な発想です。実際、発酵食品のニーズは高まっているとのデータもあります。

腸の免疫力を高めることに注目が集まっていますが、一方で腸のもう一つの側面に熱い視線が注がれています。それが腸と脳の関係。

人が何かを考える場所はどこかと聞かれると何と答えるでしょうか。基本的には「脳」と回答すると思います。そして当然正解です。しかし、そんな脳に陰で大きな影響を与えている器官が実は「腸」です。

そんな「腸」の視点から日々のヘルスケアについて考えます。

「第2の脳」としての腸

最近、腸は「第2の脳」とも呼ばれるようになりました。我々の腸と脳は24時間365日休まず、膨大な情報をやりとりし、心身の健康を維持するように働いています。この脳と腸の密接な関係を「脳腸相関」と呼びます。

最近の研究では胃腸の異常だけでなく、脳神経系など全身の病気とのつながりも注目されています。腸内環境の状態が脳にダイレクトに影響を与えるという考え方です。場合によっては、精神疾患や慢性的な病につながる可能性もあります。つまり消化器官としてのフィジカルの役割だけでなく、メンタルのヘルスケアの視点でも腸はめちゃくちゃ重要ということですね。

昔から認識されていた「腸」の重要性

例えば大事な試験の日、大きなプレゼンを任された時など、胃が痛んだり、下痢になったり胃腸の不調を経験した人は多いのではないでしょうか。

古代ギリシャの医師ヒポクラテスは「すべての病気は腸に始まる」という名言を残しているそうです。それほどに腸という器官は昔から重要視されていました。

個人的に不思議に思っていましたが、日本語にはお腹に関する慣用句が多いですよね。

・腹が決まる
・腹を割って話す
・腹を立てる
・腑に落ちる
・肝を冷やす


などなど。「腹が決まる」なんて、「なぜ腹?」と思ったりします。意思決定の器官は脳であるにも関わらず、お腹まわりに感情や状態を表す慣用句が多いです。昔の日本人が腹(腸)に特別な意識を持っていたと考えられますね。

そう考えると、最近は瞑想や自分の内側に意識を向けるマインドフルネスの重要性が高まっていますが、お腹に意識を向ける、お腹を愛でることは脳にとっても良い効果があるとも言えるのかもしれません。

伝統食が健康には有効

腸内に生息する細菌類は腸内細菌叢(さいきんそう)と呼ばれています。人の腸内には脳の重さに匹敵するほどの腸内細菌叢が住み着いていることが知られており、24時間、わたしたちの健康の維持に欠かせない働きをしています。

その腸内菌叢に重要なのは「腸内のダイバーシティ(多様性)」ですね。皆さんも日々ヨーグルトや納豆、キムチなど発酵食品を取り入れている方が多いと思います。実は日本や韓国、中国などアジアの伝統食は自然発酵食品の比率が高く、肉類や乳製品などの動物性食物の消費量が少ない点で共通しています。そして健康に有効とされる地中海式食事法とも共通点が多いです。

どんな食事をすれば腸に良いのか?

脳と腸の関係がわかった上で、次の関心はどんな食事をすべきかです。ヒントとなる書籍がありますのでご紹介します。タイトルは「腸と脳」。正にズバリのタイトルです。なかなか読み応えのある一冊です。少々難解なのであまりおススメできませんが、掲載されている情報は納得するモノばかりです。

本書によると、最近の研究では動物性脂肪の多い食事をとると、腸の免疫系が炎症を引き起こすことが分かってきているとのこと。動物性脂肪の多い食物は、腸内の微生物の集合体や代謝物質を裏で操作してしまうそうです。

特にアメリカでは肥満は深刻な問題になっており、食欲をコントロールする機能が不全になっているケースが多いそうです。もともと、食生活の乱れは腸内の微生物の多様性によってバランスをとるように対応できていたものが食生活の長年の変化によりそれが効かなくなっている状況。この傾向は食の欧米化が進む日本でも他人事ではありませんね。

この逸脱した食生活によって健康面の問題や、更には脳の慢性疾患といった大きな問題が出てきているのです。

人工甘味料や乳化剤、グルテンといった添加物は特に腸内菌叢に異変をもたらし、健康面に問題を起こす働き方をしてしまうとされています。そのためには植物性の食品を多く摂ることが大事です。先史時代の食習慣だったり、菜食主義、あるいは地中海式食事法というのも最近では健康に良いことが分かってきていますね。

まとめ

昔は関係の無い別々の器官だと思われていた脳と腸は密接に関係している事が分かってきました。一方で腸内菌叢の状態を検査し将来発症する可能性のある病気について知ることができるサービスも登場しており、この謎だった脳と、腸という器官の理解は今後も加速度的に進んでいくと思います。

今回は腸は脳やメンタルに多大な影響を与えている器官であるということを取り上げました。腸が乱れると心も乱れるということで、その逆もあるのかもしれません。そう考えると、脳やメンタルのパフォーマンスを維持、向上させるためにも食べるものには今まで以上に気をつけたいと思います。

・動物性脂肪を控える
・腸内微生物の多様性を高める食事を選ぶ
・なるべく有機栽培の食材を選ぶ
・発酵食品を多用する
・食べ過ぎない
・大切な人との食事を楽しむ


何を食べるかも重要ですが、「誰とどう食べるか」も重要ですね。幸福を感じているときに食事をすると、脳は腸に腸内微生物を喜ばせる特殊なシグナルを送るそうです。これに満足した微生物は脳の健康に寄与する代謝物質を生成するとのこと。つまり、大切な人との食事を楽しむことは、結果的に腸の健康につながり、脳にもプラスに寄与するということです。

改めて、「腸と脳」の関係から自分の心身の健康を考え直してみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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