yasuyuki ukita

ライター、ワイン・ジャーナリスト、絵描き。内外を取材し、記事や作品を発表。取材テーマは…

yasuyuki ukita

ライター、ワイン・ジャーナリスト、絵描き。内外を取材し、記事や作品を発表。取材テーマは、ワイン、人物、歴史、生き物など多岐にわたる。主な寄稿媒体は、JAL機内誌「スカイワード」、朝日新聞デジタル「&TRAVEL」等。絵描きとしても活動。展覧会、プロダクツ制作を行っている。

マガジン

  • もう一人の「日本代表」

    日本人とインド人のハーフとして日本で生まれ育ち、インドに渡ってサッカーのインド代表にまで登り詰めた男、和泉新(いずみ・あらた)の足跡を、ライター浮田泰幸が追った渾身のノンフィクションです。

  • 飾りじゃないのよワインは

    「偉大なワインよりも真に佳いワインを」を標榜するワイン・ジャーナリストの浮田泰幸が国内・世界を奔走、ブドウ畑を訪ね、造り手の話に耳を傾け、地元の店で飲んで、ワインのよもやま話をレポートします。佳きワインを我々庶民の手に!

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記事一覧

もう一人の「日本代表」(#007)      スパイクの中にカミソリが‥‥

救世主現る?!  2006年11月初旬のある日、コルカタの空港に降り立ったアラタは地元の歓迎ぶりに衝撃を受けた。念のため、繰り返しておくが、アラタは「キングフィッシャ…

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もう一人の「日本代表」(#006)      自分を自分で売り込んでインドへ

凄まじい生活で体重10kg減  アルビレックス新潟シンガポールとの契約は切れ、新規で交渉中だったクラブからは交渉中止を告げられて、アラタは所属する場所を失った。しか…

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もう一人の「日本代表」(#005)     「お前には可能性がある」

フィクションみたいだけど、本当の話  翌日昼前にアラタの家を訪ねた。  例によってホテル前の路上でリクシャーを拾い、アラタが教えてくれた住所と簡単な道順をドライ…

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もう一人の「日本代表」(#004)       食中毒患者にもカレー

反町監督から「バカ」呼ばわりされて  カレッジに入って2年目、アラタはアルビレックス新潟のサテライトに参加させてもらうまでになった。ときおりカレッジのグラウンド…

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もう一人の「日本代表」(#003)      父親不在と4人の母親

おもちゃを買ってくれるおじさん 少し時計の針を戻して、アラタの両親の話をしよう。  アラタの母、和泉明子とインド人の父親が出会ったのはふたりの勤め先だったエ…

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もう一人の「日本代表」(#002)   下関弁で話すサンダル履きの男

 試合後半18分、いよいよその時が訪れた。途中出場でピッチの内と外を分かつサイドラインの上に立ったアラタは、頬をつたう涙を止めることができなかった。  和泉新(イ…

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もう一人の「日本代表」(#001) プロローグ

何かを信じておきながら、それに生きない──それは不誠実というものだ。 To believe in something, and not live it, is dishonest. 目的を見つけよ。手段は後からついて…

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僕がナビ役を務めるワイン&トーク・イベントを6/28に東京・目黒で行います。どなたでもご参加いただけます。浴衣でご来場の方は参加費を500円引きに。詳しくはこちらから↓
https://www.facebook.com/events/438372933402981/

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note始めました。ライター&エディターをしています。世界を旅してはワインや食文化について、オモロい人のこと、話題の現場の真の姿などを取材し、あちこちに書いています。ゆくゆくはここで文章やイラストや写真を発表・販売するつもりです。よろしくお願いします!

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もう一人の「日本代表」(#007)      スパイクの中にカミソリが‥‥

もう一人の「日本代表」(#007)      スパイクの中にカミソリが‥‥

救世主現る?!

 2006年11月初旬のある日、コルカタの空港に降り立ったアラタは地元の歓迎ぶりに衝撃を受けた。念のため、繰り返しておくが、アラタは「キングフィッシャー・イースト・ベンガル」との契約が決まっていたわけではなく、トライアウトを受けるためにインドにやって来たのだ。
「空港についた途端に、イースト・ベンガルのスタッフなのか、空港職員なのかわからなかったですが、とにかく2人の男に両脇をガ

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もう一人の「日本代表」(#006)      自分を自分で売り込んでインドへ

もう一人の「日本代表」(#006)      自分を自分で売り込んでインドへ

凄まじい生活で体重10kg減

 アルビレックス新潟シンガポールとの契約は切れ、新規で交渉中だったクラブからは交渉中止を告げられて、アラタは所属する場所を失った。しかし、いったんプロになったというステータスが彼を救うことになる。アルビレックス新潟が自社と契約の切れた選手の情報を公示。それを見たJFL(日本フットボールリーグ。Jリーグと地域リーグの間に位置する、いわゆる実業団のリーグ)の三菱水島FC

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もう一人の「日本代表」(#005)     「お前には可能性がある」

もう一人の「日本代表」(#005)     「お前には可能性がある」

フィクションみたいだけど、本当の話

 翌日昼前にアラタの家を訪ねた。
 例によってホテル前の路上でリクシャーを拾い、アラタが教えてくれた住所と簡単な道順をドライバーに伝えた。目印になっているのがソフトウェア会社、シマンテック・コーポレーションのビルだというのがいかにもIT 産業の街、プネーらしかった。
 アラタの自宅は立派なゲートのある集合住宅の2階にあった。通りまで迎えに出てきてくれたアラタと

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もう一人の「日本代表」(#004)       食中毒患者にもカレー

もう一人の「日本代表」(#004)       食中毒患者にもカレー

反町監督から「バカ」呼ばわりされて

 カレッジに入って2年目、アラタはアルビレックス新潟のサテライトに参加させてもらうまでになった。ときおりカレッジのグラウンドにアルビレックス新潟の選手たちが練習をしに来ることがあった。そういうときにはアラタらも練習に参加させてもらえた。少しずつ頭角を現してきたアラタだったが、プロの選手のなかに入ると、単純なパス回しのときでさえ、なかなかボールを取ることができな

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もう一人の「日本代表」(#003)      父親不在と4人の母親

もう一人の「日本代表」(#003)      父親不在と4人の母親

おもちゃを買ってくれるおじさん

少し時計の針を戻して、アラタの両親の話をしよう。
 アラタの母、和泉明子とインド人の父親が出会ったのはふたりの勤め先だったエア・インディア(インドの国営航空会社)の大阪オフィスだった。
 明子は大阪外国語大学で英語を修め、1970年の大阪万博では日本館の通訳を務めた。エア・インディアへの就職も語学力を生かしてのことだった。あるとき、明子が秘書として仕えてい

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もう一人の「日本代表」(#002)                     下関弁で話すサンダル履きの男

もう一人の「日本代表」(#002)   下関弁で話すサンダル履きの男

 試合後半18分、いよいよその時が訪れた。途中出場でピッチの内と外を分かつサイドラインの上に立ったアラタは、頬をつたう涙を止めることができなかった。
 和泉新(イズミ・アラタ)のインド代表デビュー戦──パレスチナとインドの親善試合──は2013年2月6日、インド南部ケラーラ州の主要都市、コーチで行われた。
 その涙には万感の思いが込められていた。シンガポールで念願のプロ選手になったのは9年前のこと

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もう一人の「日本代表」(#001) プロローグ

もう一人の「日本代表」(#001) プロローグ

何かを信じておきながら、それに生きない──それは不誠実というものだ。
To believe in something, and not live it, is dishonest.

目的を見つけよ。手段は後からついてくる。
Find purpose, the means will follow.  

(マハトマ・ガンジーの言葉より)

 2013年2月半ばのある日のこと。朝刊の小さな記事が僕の

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僕がナビ役を務めるワイン&トーク・イベントを6/28に東京・目黒で行います。どなたでもご参加いただけます。浴衣でご来場の方は参加費を500円引きに。詳しくはこちらから↓
https://www.facebook.com/events/438372933402981/

note始めました。ライター&エディターをしています。世界を旅してはワインや食文化について、オモロい人のこと、話題の現場の真の姿などを取材し、あちこちに書いています。ゆくゆくはここで文章やイラストや写真を発表・販売するつもりです。よろしくお願いします!