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Uー25短歌賞応募作品「水があるはず」
香雪 蘭
歴史上もっとも愛を受け継いだ人間として生まれてみたんだ
水中は宇宙に近いと教わってプールサイドでさざめく星たち
大人には気付けぬ速度で蔓延する黒板消しで消せない陰口
ひなたにあるカウンセリングルームから足早に出て涙を流す
水槽で不自由がない金魚たち 許せなくってエアーを止める
教科書をピンクのラインで汚したい 大人になれば忘れるように
地球から出てきた石で地球から出ていく夢
読書日記『君が前の彼氏としたキスの回数なんて俺が3日でぬいてやるぜ』(三代目魚武 濱田成夫,1994)
図書館の「詩・俳句・短歌」のコーナーで見つけた。このタイトル凄すぎないか…???と思って借りた。
良すぎる。最後の「そしたらいっぱい くう」は、きんにくんの「パワー ハッ(笑)」を付けたいくらいに良い。良いなぁ。
短さも相まって、なんだか短歌みたいだ。「ソースのあるところ」は自分の家なのかもしれないし、恋人の家なのかもしれない。熱々の豚まんのほうが美味しいだろうに、それを少し我慢して、ソースを
2023年5月 自選5首/香雪蘭
他の方々がやっていて羨ましくなったので。続けるかどうかは未定です。
ワイパーの半径外に桜花 拭いきれないほどの春だね
カーテンを束ねる-広げる-また束ねる 欠かさないよう豆苗を飼う
連作「新生活」より
燃えるゴミ用の袋が昼前の道路に黄色い影を落として
連作「新生活」より
ひだまりが少し遠くて猫たちを代用品のように抱いて寝る
引き出しの中に詰め込むシー
短歌連作「新生活」/香雪蘭
スランプというか、短歌わからない期というか、そんなものにはまってしまい、短歌から少し離れていたのですが、今朝、猛烈に作りたくなったので連作を作りました。リハビリです。ゆっくりでいいから、短歌と仲直りできるといいな。
「新生活」
燃えるゴミ用の袋が昼前の道路に黄色い影を落として
カーテンを束ねる-広げる-また束ねる 欠かさないよう豆苗を飼う
またねって誓いで別れた人のため初任給で買う来客布団
読書日記『オールアラウンドユー』(木下龍也,2022)
ジュンク堂で購入。木下龍也の第三歌集。木下さんの『天才による凡人のための短歌教室』を手に短歌を始めたせいもあると思うけれど、響いた歌集だった。
読了日:2023/03/01
読書日記『百年後 嵐のように恋がしたいとあなたは言い 実際嵐になった すべてがこわれわたしたちはそれを見た』(野村日魚子,2022)
帯には「この本は野村日魚子(かなこ)の第一歌集!」とある。そうなのだ、これは歌集だし、タイトルは短歌なのだ。
「ヒュー!日向 マッチング短歌」の日向市での交流会の際に、話題に上っていて、気になったので買ってみた。
予想以上によかった。半ギレしそうなくらいよかった。バイト中も頭から離れなかった。
この歌集については、千種創一(歌人・詩人)が評しており、その評も良かったので置いておく。
タイト
読書日記『静かな力 内向型の人が自分らしく生きるための本』(スーザン・ケイン,グレゴリー・モーン+エリカ・モローズ著,2018)
『スピリチュアルズ』を読んだとき、私は極端に内向的なんだな、と把握した。外向的なほうが評価されやすい社会で、内向的な私はどう生きて行くのがよいのだろう。ヒントを得るために読んでみた。
興味深かったのは
・人口の約1/3が内向型である
・内向型は周りを配慮するリーダーシップをとれる
・「もの静か」と「勇気ある行動ができる」は共存できる
・無理に外向型のフリをして消耗するのではなく、内向型の洞
読書日記『つくること、つくらないこと 町を面白くする11人の会話』(長谷川浩己・山崎亮・編著,2012)
深く感銘を受けた『コミュニティデザイン』の山崎亮さんが編著者だと知り、図書館で借りた。
「公共空間は行政のものなのか?」
「コミュニティは閉じられがちだけど、排他的にならないほうがいい」
「仕事はその人のあり方から作られていく」
「デザインするってなんだ?デザインにできることってなんだ?」
みたいな話を山崎さん、長谷川さん、ゲストで鼎談する本。
最近、ドット道東の「面白い地域には面白いデザイナ
読書日記『ずっとお城で暮らしてる』(シャーリイ・ジャクスン,2007)
桜庭一樹激推しの一冊。
たぶん高校生の頃に読んでるけれど、内容を覚えていなかったので買ってみた。
こんなに胸糞悪い小説だったっけ。
こんなに怖い小説だったっけ。
とんでもなくリアルな悪意を描いている小説だった。一番まともなのは主人公の飼い猫・ジョナスといえば胸糞悪さが伝わるだろうか。
後味が悪いし、他の人に読んで!と気軽に渡せないけど、静かに本棚の目立つところに置いておきたいような本だった。
短歌「日向への旅」/香雪蘭
ヒュー!日向 マッチング短歌 という企画で佳作を頂き、宮崎県日向市での観光旅行と交流会に招待して頂いた。この旅で詠んだ歌をまとめておこうと思う。ちなみに……Twitterで「#ヒュー日向ヒュー短歌」を検索すると、旅のお仲間たちが詠んだすてきな短歌が出てきます。
雪なかの街の光が線になる様を横目に「ルージュの伝言」
牧水の旅が僕らの旅になるそしていつかはあなたの旅に
早春の天敵スギの花粉さえ今
読書日記『いま集合的無意識を、』(神林長平,2012)
神林長平作品2冊目。
「伊藤計劃を読んだならこれも」と『言壺』を勧めてくれた友人のおすすめ。
正直、『言壺』に感じたような衝撃的面白さは無かった。連作短編集ではなく、初出がバラバラの短編を集めたものだからだろう。
好きなのは「かくも無数の悲鳴」、次点で「切り落とし」「いま集合的無意識を、」かな。
「かくも無数の悲鳴」は量子力学的なお話で、物理は全然わからないけど、こういう話は大好き。
「切