読書日記『道化師の蝶 』(円城塔,2012)


2冊目の円城塔作品。やっぱり意味はわからなくて、でも少しわかりそう。その境界線で自分がぐらついているのが楽しい。

けれども、感想を書こうと思っても書けない。起きた瞬間に、「見ていた夢を忘れてしまった」と思うのと同じだ。

だから、コラージュをしてみようと思う。



自分たちの子孫がどこへ行ったか、自分たちの祖先はどこにいたのか、私たちは忘れてしまう。(p149)

ヒト属の最初の言葉は歌だった。(p172)

松の幹へ”CROATOAN”と刻むべきかと一瞬浮かぶがやめにしておく。(p171)

「姉をしています」(p103)

「手芸を読めます」(p73)

「あなたたちは、何故、旅をやめてしまったのです」(p136)

旅の間にしか読めない本があるとよい。(p1)

「よくわからない。パスポートは四つあるけど。」(p44)

とにかくなんとか種を維持するほどの繁殖だけはしているのだが、繁殖の作法は固定に至らず流転し続け、いちいちが秘密に鎖されている。(p89)




そして、この冬には半袖ブラウスに刺繍を施し、次の夏にはワインレッドのマフラーを編んでみたいな、と思う。


読了日:2023/08/22

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