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メディアの話。

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メディアの話を、します。
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2024年3月の記事一覧

メディアの話 マンガと漫画家の出身地と売り上げと「地図」と。

こちらのサイトに、漫画の歴代売り上げランキングが載っている。

で、売れっ子漫画家の出身地を調べてみた。

パッとみた時に、思いませんか?

そう、地方出身者が目立つ。ような気がする。

じゃあカウントしてみよう。
東京出身者が関わっている漫画が何作品あるか。
100位中10.5作品(原作・作画で分かれている場合は0.5、生まれが東京だが育ちが別の場合も0.5 でカウント)である。
東京都の人口は

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メディアの話 テイラー.スイフトと違和感と。

テイラー・スイフトが妙に気にかかっていた。

日本における、テイラー・スイフトのニュースの作られ方が、なんとなく引っかかっていたのだ。

曲以上に、彼女自身そして彼女の物語の方が圧倒的に前に出る。

これは、洋楽がかからなくなった日本の音楽環境によるものなのか。

とも思ったのだ。

が、ネットフリックスの「ミス・アメリカーナ」を見て、むしろ、アメリカでこそ彼女の「物語」は過剰なまでに共有されてい

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メディアの話。トイレがメディアになる時。

メディアの話。トイレがメディアになる時。

今年の1月2日。

パーフェクトデイズ、2回目見たら、辛抱たまらず、17トイレ、全部見学に。

そして、平山さんにも遭遇しました。

なんと、冒頭のトイレで。

渋谷の公共トイレは、渋谷の公園や駅などとセットに作られているのだけど、結果、渋谷の地形とトイレの位置との関係が実におもしろい。

渋谷区は、渋谷川の複雑な支流と、玉川上水三田上水の尾根の水の流れとが組み合わさった、小流域源流の織りなす山と

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メディアの話。パーフェクトデイズとその他色々。

メディアの話。パーフェクトデイズとその他色々。

で、「パーフェクトデイズ」である。

あの映画は、全くもってパーフェクトでない男の話である。

だから面白い。

すでに3回みてしまった。

まず、冒頭のたった10分強で、主人公のキャラクターを「アクションだけ」で観客に教えてくれる。

「ダーティハリー」みたいだ。

主人公が寡黙なプロってところも含めて。

この世界における神様はスカイツリーだ。

物語は常にスカイツリーの視座から見渡せる東京の

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メディアの話。なぜ麻布台ヒルズにはドローン発着場がないのか。

私たちはなぜ「交通の未来」を予測できないのか。

あるいは「交通の未来」を前提として、都市開発ができないのか。

ということにずっと興味がある。

情報系の変化に関する未来については、SFから未来予測までさんざんやられている。

でも、交通や物流の革新によって、どんな「未来の街」が具体的に生まれるか、ってことについては、案外予測ができない。

現在の巨大ビル開発。

あれは「投資」という「お金=情

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メディアの話 ドラえもんとサザエさんの世界に「老人」がいない理由

「サザエさん」と「ドラえもん」の日常にないひと。それは「現代の老人」である。

「サザエさん」の老人は、60歳のいささか先生、54歳の波平と50歳の舟、である。

今年60歳の私は、もはや波平よりいささか先生に近い。サザエさんワールドでは、老人である。

核家族世帯の住宅街の話である「ドラえもん」には、そもそもおじいちゃんおばあちゃんはレギュラーで存在しない(たぶん)。

親は全員30代だ(おそら

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メディアの話 魔女=狩猟採集民。「魔女の宅急便」のキキと人間の子供の進化生物学。

メディアの話 魔女=狩猟採集民。「魔女の宅急便」のキキと人間の子供の進化生物学。

『魔女の宅急便』をみてて初めて気づいた。

これは、女の子のスタンド・バイ・ミーだ。

大人になる直前の女の子が、遠くに冒険に出て、大人になろうとする。

主人公のキキは13歳だ。

旅立つまでに箒に乗る魔女の訓練を身につける。

彼女の遊び場は野原や森の上だ。相棒は猫のジジ。

動物のジジと自由に会話ができる。

13歳になると、一人前の魔女として旅立つ。

親元を離れ、別の遠くの街へ。

丁稚

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