柳瀬 博一

東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授(メディア論)浜松。慶應大学経済学部卒。日経B…

柳瀬 博一

東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授(メディア論)浜松。慶應大学経済学部卒。日経BP社で記者、書籍編集、広告Pを経て現職。NPO小網代野外活動調整会議理事。「ラジオNIKKEI」「渋谷のラジオ」出演。『国道16号線』『親父の納棺』『混ぜる教育』『「奇跡の自然」の守りかた』など

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    編集、ライター、コンテンツ、メディアなどに関する記事をまとめていきます。

  • メディアの話。

    メディアの話を、します。

  • 大東京カワセミ日記

    2021年5月、都心の川沿いに暮らすカワセミに偶然出会った。 コロナ禍でどこにも行かない行けない時期、カワセミの家族を定点観測してみました。

  • こあじろ のはなし。

    私が、三浦半島の先端の小網代の谷に足を踏み入れて30年になる。ここで出会った生き物や風景やアレヤコレヤを思いつくまま。

  • 国道16号線の話。

    2020年11月、新潮社より『国道16号線 日本を創った道」という本を刊行します。 国道16号線については、もう30年近くいろいろなことを考えたり、実際に記事を書いたりしてきました。こちらでは、書籍の補助線となる「ボーナストラック」や、オリジナルの紀行、次の国道16号線企画につながる記事などを掲載していきます。

最近の記事

メディアの話。人気曲というミームがコマーシャルからアニメに移ったわけ。

今のコマーシャルは替え歌と懐メロしかない。 1970年代から80年代にかけて、コマソンは歌手の登竜門であり、ヒットの源泉であった。ようつべに挙げられている多数のコマーシャル動画の数がそれを象徴している。 なぜそうなったか。 インターネットのせいである。 広告の方法論が変わった。 広告は、特定の顧客データベースに最短でアクセスすることが目的化した。 その時点でもうクリエイティブはいらない。 少なくとも関係者はそう判断した。大瀧詠一さんの曲も、糸井重里さんのコピーも

    • メディアの話。飛行機とペットと。

      たった1月前のニュースなのに、2月2週目にしてSNS上でもメディア上でもほとんど見かけなくなってしまった羽田における飛行機事故。 あの飛行機事故で、なぜかクローズアップされたのが飛行機に置き去りにされたペットの話だった。 かわいそうに。 と、同情する。 可哀想だと思うし、飼い主も辛いだろう。 当事者の感情に寄り添ってあげることはとっても重要だ。 ただし、それだけでいい。 その後の議論は実はいらないし、意味がなかった。 というのも、飛行機が炎上し、さらにペットを

      • メディアの話 私たちはなぜ未来の「どこにいるのか」と「どう移動するのか」を想像できないのか?

        先日大学の「未来」についてのワークショップにずっと出ていたんだけど、そのとき気づいた。 このワークショップでは2018年から19年のコロナ前に、みんなで考えた2040年の未来を考えた。 リモートワークやワーケーションや生成AIの普及なんかを予想していて、これが20年後どころか1年後に予想が的中して、「シン・インターネット」で村井純さんに取り上げられたりした。 が、今回当時予想した未来図を並べて見て気づいた。 ひとが実際にいる場所、そして、移動の方法の未来を、いっさい予

        • メディアの話。アニメと漫画と上京物語と。

          「ファースト・スラムダンク」を昨年12月頭に見て、ネットで「呪術廻戦ゼロ」を見て、さらに「チェンソーマン」を見て、気づいたことがある。 20数年前に終わった「スラダン」の新作映画も、2010年代終わりに始まった「呪術廻戦」も「チェンソーマン」も、全く同じ構造を有していることに。 何か? 田舎から這い上がる話なのだ。 「鬼滅の刃」も、「田舎」から出てくる話だった。 「ハンターハンター」もそうだ。 ジャンプ漫画だけだろうか。 いや、新海誠さんの「すずめの戸締まり」も

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          メディアの話 176 ドラえもんとマクルーハンとこち亀の両さんと

          メディアとは、人類の身体の拡張である、とマーシャル・マクルーハンは言った。 これを言い換えると、人間の欲望の拡張が、メディアである、ってことになる。 では、人類のメディア的欲望とはなにか。 究極にはこれ。 時空を支配することである。 過去も未来も好きな時間に行くことができる。 あらゆる場所に一瞬に行くことができる。 つまり、ドラえもんである。 ドラえもんは、史上最高のSFであり、史上最高のメディア論の本である。 タイムマシン。 どこでもドア。 時空を支配

          メディアの話 176 ドラえもんとマクルーハンとこち亀の両さんと

          メディアの話 ファンと欲望とジャニーズと。

          以下の文章は、2023年5月、BBCによるジャニーズ事件報道が大きくクローズアップされたときにフェイスブックにアップしたもの。9月時点から4ヶ月前の投稿なので、その後の動向については、一切触れていない。あの時点で自分が何を思ったのか、備忘録として残しておきます。エンタメにおいて「ファン」の存在こそがすべて、という話であり、「ファン」はそれゆえにエンタメの世界に対して「結果責任」を負ってしまう立場でもあるという話です。誰も教えてくれないけど。「ファン=推し活」というのは、そんな

          メディアの話 ファンと欲望とジャニーズと。

          メディアの話 美味しんぼと民主主義と特権階級と。

          「美味しんぼ」は、料理や食事がひとの口に入るまで、どれほどの創意工夫と努力と何より食べ手への「愛」が込められているのか、そのプロセスをドラマにすることで、「食べる」ことへの想像のフォーマットをつくった。 「美味しんぼ」以前以後で、「食べる」に対する批評や記述は根本から変わった。すごいことだ。 であるがゆえに、惜しい。 「美味しんぼ」は、一方で「食べる」に優劣をつけてしまった。 「手作り」がえらい。「機械」がだめ。 「個人」がえらい。「企業」がだめ。 この二項対立を

          メディアの話 美味しんぼと民主主義と特権階級と。

          メディアの話 甲子園と慶應はそっくりブランドだった。

          甲子園高校野球。 これが最強のメディアコンテンツであることが、この夏、改めて証明されちゃった。 図らずもそれを証明したのが、慶應高校の活躍と慶應応援団の炎上、である。 今年の甲子園。 開催前後には、真夏の高校野球開催の是非(酷暑、健康被害もろもろ)の議論があった。 ところが、いざ開催されると、途中から甲子園高校野球の是非から、議論が別の方にずれていった。 慶應高校の躍進があったからである。 慶應の躍進イコール長髪野球の躍進。慶應の躍進イコール古いスパルタ野球から

          メディアの話 甲子園と慶應はそっくりブランドだった。

          メディアの話。宮崎駿を縛っていたひと。

          「君たちはどう生きるか。」宮崎駿さんの新作は公開初日にすぐに見た。 で、思った。 あ、宮崎駿さんが自由になった。 何から自由になったか? 高畑勲さんから、である。 ジブリは二人の会社だった。そして高畑さんは2018年に亡くなった。 君たちはどう生きるか。 宮崎駿作品の自己否定がいくつも出てくる。 ここからはネタバレだ。 まず父と新しい母。 戦時中。 母を亡くした主人公は、実業家の父が母とうりふたつの妹と再婚し、その2人と母とあたらしい母の実家のある田舎へと疎開する。

          メディアの話。宮崎駿を縛っていたひと。

          大東京カワセミ日記225 0810 オニヤンマ産卵その2

          昨日朝8時。 同じ場所で同じ時間同じオニヤンマが産卵していた。 1箇所に10回ほど腹を叩きつけるように産む。土中に卵を食い込ませる。 だからひたひたの浅いところ。 基本的に暗いところ。水源のところ。セキショウの藪の中。ほとんどひあがった場所。 おそらく数百を産む。 と、周囲をもう1匹のオニヤンマがうろつく。 産卵の見守りをしているのか? さらにもう1匹が登場。下手の池まで15メートルほど。ここを行ったり来たりしながらメスの産卵を見守る。 思いきや1匹のオスが

          大東京カワセミ日記225 0810 オニヤンマ産卵その2

          メディアの話。ジャニーズ表紙が15年間ゼロだった週刊誌がジャニーズ推しになった瞬間。

          前回、週刊朝日とAERAのジャニーズ表紙のシェアを2023年に絞って紹介した。 https://note.com/yanabo/n/n3fdcdd6294ab?magazine_key=m73acaa2b3bce では、過去はどうだったのか。 週刊朝日はこの2週間で、バックナンバーの詳細なページを閉じてしまったので追 いかけられない。 そこでAERAを調べてみた。 なかなか興味深い。 AERAのジャニーズ表紙はバックナンバーを見る限り 1998年4月から2013年

          メディアの話。ジャニーズ表紙が15年間ゼロだった週刊誌がジャニーズ推しになった瞬間。

          大東京カワセミ日記224 小流域都市東京とオニヤンマとサワガニと。

          https://www.youtube.com/watch?v=xftUATq2k6o 今朝、オニヤンマの産卵風景をみた。 ここは都心の小さな緑地公園なんだけど、、実は「東京の名湧水57選」のひとつに選ばれている。 もともとあった武家屋敷は、この湧水がつくった小流域の谷地形を利用したものだ。 下手に池を配置し、本流の川に緩やかに流れ込む。そんな構造の庭があった。で、いまでも少量ながら、水が湧き出している、というわけだ。そのまま区の緑地となっている。東京屈指の名緑地だと

          大東京カワセミ日記224 小流域都市東京とオニヤンマとサワガニと。

          メディアの話。ジャニー喜多川と週刊朝日とAERAの表紙と国連と。

          今年6月に休刊した「週刊朝日」。 その表紙を見ると、ジャニーズとの関係が明確に可視化されていて、実に興味深い。 2023年正月合併号から6月の休刊までの21号。 週刊朝日の公式ページをみる。 https://publications.asahi.com/ecs/backnumber/24.shtml ①正月合併号 Travis Japan(グラビア特集) ②1月20日号 小瀧 望(ジャニーズWEST)(グラビア特集) ③2月10日号 櫻井 翔(グラビア及びインタ

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          大東京カワセミ日記220 20230708 ノコギリクワガタハーレム(ただしメスの)。

          大東京カワセミ日記220 20230708 ノコギリクワガタハーレム(ただしメスの)。

          大東京カワセミ日記219 20230707 タマムシ母さんとノコギリクワガタカップル

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          大東京カワセミ日記218 20230702 ヒラタクワガタとカワセミひなの成長

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