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【幸せ】名・形動〈し-あわせ〉
しずかな幸福がそこに横たわっていて、その傍らに不安が頭をもたげている。未だ道半ばの自分を恥じ、その間中もトラウマティックで確実な痛みが胸に差し込みつづける。
ふと唇に冷えた雪が落ち、それがたちまち溶けて、自分の血が燃えるほど熱いことを知る。これは確かに歓喜で、しかし鬱々としていて、音もなく激しい。とりあえず今日まで生きた私は、この辺りでこれを幸せと呼んでいる。
屈託のない日々、ひとつの気がかり
牧歌的な思い出/文化浴泉
昔書いたものの転載です。銭湯に行っていないなあ、とぼんやり思っていたら思い出した記事。
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大学生の頃、付き合っていた男性の一人暮らししていた家が文化浴泉に近く、よく行った。
近いといっても徒歩で20分はかかったろうか。ひとりならきっと煩わしい距離だったが、彼のダウンコートのポケットに手を突っ込める貴重な時間だったので、ちょうどいい散歩ルートのように思っていた。
ふたりして
自己像と香水の関係(canoma「4-10 乙女」)
香水をつけるようになって6年、愛用の銘柄はいくつか変わった。初めはChloe「ラブクロエ」。ティッシュのような粉っぽい感じが苦手になった。次がLANVIN「エクラドゥアルページュ」。この香りの人が街に溢れてて嫌になった。次がJO MALONE「ピオニーアンドブラッシュスエード」。これは気に入って何本も使った。私に似合っている気がして嬉しかったが、自殺以外のことを考えなかった時期に使っていて、ト
もっとみるオンライン自〇から始まる、私の自〇法エトセトラ
お久しぶりです。暑いみたいだね。今年は窓の外で勝手に季節が流れていくから、置いていかれる感覚に涙が出そうになります。
ここしばらくは、比較的健康な精神で生きております。みなさんいかがお過ごしでしょうか?
心配した友達が代わる代わる家を訪ねて遊んでくれます。今年の誕生日は、怒る人は怒るでしょうが、福岡のよねつさんのご実家で過ごしました。よねつ母がもつ鍋を拵えてくれ、よねつ父がなにやら貴重な焼酎を
黒髪ロングしか勝たんかった
マッシュショート、ヨシンモリ、ネオウルフといった呪文の羅列、これは髪型についた名前で、どんな髪型にしようかという悩みは自己表現の一環として非常に一般的なものだろう。
自分らしいなんてものはよくわからんが、これが可愛いと思う、推しがこの髪型なので真似してみる。
髪型なんてなんでもいいんだけど、その悩む時間が楽しかったりする。
一昨日、友人から「どの髪型にしよう」と相談された。いつものことながら、こ
容姿コンプレックスと生きた21年
「わたしの顔って、みんなと違うのかも」と、やりたかったキュアホワイト役を可愛いお友達に譲った幼稚園生時代。
「わたしなんかブスだから、男の子を好きになっちゃいけない」と泣いた小学生時代。
できるだけ顔を隠すために目を覆う長さまで前髪を伸ばした中学生時代、
「可愛い」「女の子」からできるだけ離れようと意識して過激なキャラクターを演じていた高校生時代、
鏡を割っては泣き、メスを入れた大学生時代……