![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/79447344/rectangle_large_type_2_19d250d4fe54485e3ace91ba6de31bf6.jpg?width=800)
Photo by
sabinekoland
【詩】水蜜桃
熱帯夜、氷を張った金盥の中で、柔い産毛の生え揃った桃を洗う。
かろかろと氷がぶつかり、痛いほど冷えた指先に血の色が滲んでくる。
指が沈むほどの桃の肌が、水滴を弾いて清潔な感じだ。
いささかに薄い爪を引っ掛けて皮を剥くと、蜜に濡れた果肉が覗いた。
外はしずかな白い満月だ。
----------------
去年の夏に書いた詩です。暑くなってきそうだから載せます。果物は、どうしても桃が一番好き。いちばん色っぽくて贅沢な気持ちになるような……
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?