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退職を告げるタイミングはいつが最適か(転職)



【Co-WARCサイトオープン】

WARCに所属している公認会計士・税理士の皆さんで組織された会計コンサルチームであるCo-WARC(コワーク)のサービスサイトがオープンしました。
是非御覧ください。


はじめに

転職をするとき、ほとんどの事例で発生するイベントがありますよね🤔
そうです「退職告知」です。

私の年齢層はちょうど転職をする時期でして、知人らの半数以上が転職を経験しています。
彼らの多くが悩むポイントとして、いつの時点で今の会社に退職を告知するべきかという論点があります。

もちろんケースバイケースで違ってくるとは思いますが、今日はこの論点について考えていきたいと思います。
私見としては、できる限りギリギリまで言わないほうがいいと思っています。
その理由を詳しめに書いていきます!


1.退職を伝えるタイミング

ではまず、いつの時点で伝え得るのかについて、場合分けをしてみたいと思います。

私が思うに、主に以下の時点が考えられるのではないかと思っています。


(1)転職活動を始める前
(2)転職活動を開始し始めた時点
(3)有力な候補先が出てきた時点
(4)内定が出た時点
(5)内定承諾書を提出した時点
(6)入社日1ヶ月前の時点


以下、それぞれのタイミングについて、メリットやデメリットを検討して行こうと思います。



(1)転職活動を始める前


今私の脳内では、時期尚早そうッ(A・RA・SHIの空耳)という言葉と共に透明なビニールの衣装を来た好青年たちが現れていますが、転職活動を始める前に退職を告げるという事例は、転職市場ではよくある事例です。

まだ転職活動すら始めてもいないのに、上司と喧嘩したとき会社で理不尽な出来事に遭遇したときなどに、会社に対して『辞めます』と伝えてしまうケースが多いかなと思います。
時期尚早どころか、私が知る限りでは、伝えてもほぼメリットがない時期だと思います。

このタイミングで退職を伝えても、スムーズに次が見つかるかどうかわかりませんし、何より精神的に焦りが出て来やすいシチュエーションなので、できれば伝えることを避けた方が良いタイミングです。

親戚や知人の会社で働くことがほぼ確実にできるなどの事情がない限りは、デメリットの方が大きいと思います。

例外として、解雇回避のための退職(自分が悪いことをしてしまった場合)や早期退職制度に応募した場合などがあり得ますが、極めて例外的です。

会社の上司や社長と喧嘩した勢いで辞めると伝えてしまいそうになったら、まずはなんとしてもグッと堪えて、こっそり転職サイトに登録しましょう。

早すぎるのはダメ!



(2)転職活動を開始し始めた時点


では、転職活動を開始し始めた時点はどうでしょうか。
転職サイトに登録してみたら、意外と多くのスカウトが来て、次が簡単に見つかるような自信が出てきた時点です。

私の見解としては、この時点でも全然早すぎます😰

つい先日、大手転職サイトではどの程度のスカウトが来るのかなという好奇心から、私もとある有名なサイトに登録してみました。
すると、審査完了後1週間で100件近いのスカウトが来ました。
私ごときでこれだけ来るのですから、専門職のエリートの皆さんには、きっと200~300くらい来るでしょう。

たとえそうであったとしても、私はまだ早いと思っています。

というのも、上記のスカウトメッセージをすべて精読してみたところ、99%がろくにプロフィールも見ずに送ってきた定型文スカウトメッセージだったからです!
自動送信機能でもついているのかなと思うほどでした。

ヘッドハンターからのスカウトメッセージは特にその傾向が強く、全く興味がない自分語り(自分はこんな業績を出してますとか、強みは●●の分野ですとか)が9割以上を占めているようなメッセージでした😰
しかも、読むのが辛くなるような長文です!

人材紹介業は闇が深いですね……
あのスカウトメッセージで喜ぶ人はいるんでしょうか。
そして、あんなメッセに返信する人なんているのだろうかと疑問に思うくらいです。

一番驚いたのは、エージェントの名前が違うのに内容がほぼ同じスカウトメッセージを送ってきている会社があることです。
会社で定型文を使うのはあり得るとしても、せめてエージェントごとに文章を変えるくらいの努力はしてほしいものです。

そして、企業側のスカウトメッセージも、量産型の定型文がほとんどでした。
プロフィールの内容は読んでいないなという確信が持てるものばかりです。

したがって、スカウトが大量に来た ≒ 就職先がすぐ見つかるということにはならないのです。
所詮は数撃ちゃ当たる戦法の一矢でしかないので、転職活動を初めてすぐの段階で退職を伝えるのは早すぎます。

何十~何百人もの人に、同様のスカウトを送っていると推定されるので、自分だけが特別にそのスカウトメッセを受け取ったと勘違いしてはいけません。
スカウトを200以上受け取っても、それは単に道端で他人に「おはようございます」と声をかけられた程度のことです。

おはようございます~



(3)有力な候補先が出てきた時点


では、そのスカウトの中で、数社有力候補が出てきた場合はどうでしょうか。
一次面接や二次面接がとても良い感じで進んで、面接官から「私としては是非ご入社いただきたいと思っています」などと言われたケースです。

このような段階で「これはイケそうだな」と思うのは無理もないことです。
しかし、今の会社に退職を伝えるタイミングとしては、ここでもまだ早すぎます😰

面接が上手くいくと気持ちも大きくなって、ついつい今の職場でも、転職を検討していることをポロッと言ってしまいそうになるでしょうし、何割かの方は実際に同僚などに言ってしまいます。
人の噂はスズキの隼(バイク)くらいの速度で駆け巡りますから、一人に言えば数日で上司やトップ層まで広がります。

その結果「あの人辞めるらしいよ」という噂が広まって、現在の職場に居づらくなります。
その上で今進んでいる選考が上手く行かず、落ちてしまうということは普通にありますので、この段階でもまだ絶対に言ってはいけません!

そもそも、一次面接や二次面接では、主に人事担当者が面接を担当します。
そして、一次面接や二次面接は、基本的には簡易フィルターとしての機能しかありません。
能力が明らかに不足している場合、性格や価値観がミスマッチな場合などの明確な不合格以外は、通ることが多いです。

本当に重要な面接は、部長面接や役員面接以降からです。
なぜなら、その人達の意向一つで合否が簡単に覆るからです。
それまでの面接がいかに高評価でも、最後のCEO面接で「違うかも」と思われたりしたらその時点で終わりなので、一次面接や二次面接に通ったくらいで安心してはいけません。
まだまだ先は長いので、退職を告げるには早すぎるタイミングです。

盛り上がっても冷静に



(4)内定が出た時点


では、内定が出た時点ではどうでしょうか。
私の見てきたケースだと、この時点で会社に伝える人が多いです。
退職に向かって一気に行動し始める時期です。

しかし、私の見解ではまだ早いかもしれないなと思っています。

というのも、内定は取り消しも可能だからです。
もちろん、企業側に制約はありますが、やろうと思えばできてしまいます。

それに、内定を早期に出す企業をすぐに信用するのも危険だと思います。
面接で意気投合して、一気に盛り上がった結果内定を出すというケースはよくありますし、人手不足が深刻すぎてとにかく早く採用したいというケースでもすぐに内定が出ます。

いずれのケースであったとしても、候補者側は一旦落ち着いた方が良いと思います。

盛り上がった末の内定であっても、深刻な人材不足による早期内定であっても、今すぐに退職を伝えることに候補者側にそこまで大きなメリットは無いはずです。
短期間で盛り上がったテンションは、一気に冷めてしまうことが多いですし、深刻な人材不足の場合は、入った後に苦労がすることが多いです。

まずは一旦落ち着いて、冷静に企業分析をしましょう。
落ち着いてよく考えると、そこまで行きたい会社ではなかったということだってよくある話です。
先に退職を伝えてしまうと、自分で自分の立場を追い込んでいくだけなので、あまりメリットはありません。

内定が出て嬉しい気持ちを一旦グッと抑えて、まずは状況を整理して、冷静に一から分析し直すくらいの余裕がほしいところです。

私の知人のケースですが、内定が出てテンションが上がってしまって、すぐに退職を伝えてしまった事例がありました。
それによって、辞める日が確定してしまったのです。

このあと、内定が出た会社にすんなり入ればめでたしめでたしでしたが、残念ながら、入社前に様々なマイナス点が発覚して、内定を辞退することになりました。
結果的に、非常に不利な状態で転職活動をやり直さないといけなくなり、かなり苦労しています。

こういう事態に陥るとろくなことにならないので、まずは冷静になりましょう。

まずは深呼吸をしよう



(5)内定承諾書を提出した時点


内定通知の後、通常は1~2週間程度で内定承諾期限日が来ます。
これまでの期間を熟慮期間と言うことにしますが、この熟慮期間は長くても1ヶ月程度です。

熟慮した結果、内定承諾書を提出することにした場合、この時点で会社に退職を伝えるべきでしょうか。
私の見解ではまだ早いかなと思います。

内定承諾をした後、辞退するケースだってあるからです。
転職市場でも新卒市場と同様、内定辞退は日常茶飯事です。

企業によっては候補者の立場を考えて、余裕のある熟慮期間を設けてくれる会社もあるのですが、焦っている会社や採用を急ぎたい事情がある会社ほど熟慮期間を短く設定します。
場合によっては内定通知を手渡しにして、その場で承諾してほしいと迫る企業もあります。

このような場合、熟慮することすらできずにとりあえず内定承諾書だけ提出するということになります。
内心はまだ固まっていないのに承諾だけはしないといけないという、とても気が引ける状況ですが、企業側がそうせざるを得ないような状況をあえて作ることも多いのです。

その結果、内定辞退率が上昇するのであまり良い事ではないと思いますが、現実的なお話として、内定承諾が得られないと他の人の選考を進める必要があるので、企業側からすると非常に困ったことになるのです。
それゆえに、熟慮期間を長く設定できないというのが実情です。

このような状況下で、内定承諾書を提出した時点で退職を伝えるのはちょっとリスクがありますよね。
ゆえに、まだ早いかなと思います。

内定承諾書を提出したとしても、じっくり考えましょう。
自分の中で確信が持てるまでは、熟慮期間です。

ただ、企業側の事情もよく理解しておく必要があります。
前述のとおり、企業側は、内定承諾が得られない限り他の人の選考をせざるを得ず、先に承諾をしてくれた方を優先せざるを得ません。
専門職の転職の場合は、ポジションの数に限りがあるので、同時に2人を採用するということもあまりありません。

ゆえに、意思決定は早めにした方が良いのは確かです。

なお、イケてるベンチャー企業の場合は、選考プロセスをあえて増やす傾向があります。
これは、選ぶためのプロセスを増やすのではなく、企業の内情をよく理解してもらうためのプロセスを増やすという感じです。

例えば、入社後に一緒に働くことになるメンバーと会食会を設けてくれたり、2週間程度の短期インターンをさせてくれたりして、実際に働いたときのイメージができるようにしてくれます。
それによって、熟慮期間が不要になるケースも多いです。

そういう企業であれば、安心して内定承諾書を提出できると思うので、その場合は退職を伝えても良いと思います。

風通しの良い職場



(6)入社日1ヶ月前の時点


ということで最後です。
転職先が確定して、入社日の1ヶ月前になった段階で、やっと伝える時期が到来です。

自分の勤める会社の就業規則をまずは確認していただきたいですが、8割くらいの会社が退職する場合は1ヶ月前までに伝えるようにと定めているはずです。

したがって、それが退職を告げるべきタイミングです。

企業によっては2ヶ月前告知を義務付けていることもあるので、その場合は2ヶ月前に伝えることになります。

言い換えると、現在勤めている会社の就業規則が定める期限ギリギリまで伝えないということです。

候補者の利益を考えると、そうするべきだと思います。
内定は取り消される可能性がありますし、内定した後でマイナス面がたくさん見えてしまうことも多いです。
いつどういうタイミングで転職先候補が消えるかわからないので、候補者側としてはギリギリまで退職を伝えない方が良いかと思います。

というのも、退職の意思表示は、原則として撤回ができないからです。
厳密に言うと「退職届」(辞職の意思表示)と「退職願」(合意解約の申込み)で意味合いが異なるのですが、原則は退職届となるでしょうから、撤回ができません。

そして、撤回ができない行為は慎重に行うべきです。

私は会社側より候補者側の立場に立つタイプなので、私見としてはギリギリまで伝えないという手法が良いと思っています。
転職活動は最後まで秘密裏に行うべきという立場です。

なお、会社によってはなかなか退職させてもらえないという謎企業もあるかと思いますが、そこは強い意志で辞めると伝えるしかないです。
あまりに強制的な会社(退職届を受理しない、脅迫めいたことを言ってくるなど)の場合は、弁護士なども活用しましょう。

退職代行なんていうサービスもあるらしいです



2.退職を伝えるその前に

退職はギリギリまで伝えない方が良いと述べましたが、実際のところはケースバイケースになってくると思います。
会社の就業規則にもよりますし、どれだけ今の会社を辞めたいか、どれだけ転職先を信頼できるかなど、様々な要素を総合的に考慮した上で決定することになります。

ただ、どのような場合であっても信頼できる人間に一度は相談した方が良いと思います。
自分をよく知る他人が、今回の転職についてどういう見解を持っているのかを知るのは大切なことです。

転職活動では、不思議な現象が多々起こります。
日頃はとても論理的で分析能力も高い人が、なぜか変な会社に転職してしまって大失敗したりします。

転職活動の過程で発生する様々な状況(大抵はイレギュラーな出来事)が判断を誤らせるのです😰

だからこそ、一旦冷静になるためにも、客観的な意見をいくつか集めておいた方が無難です。
特にベンチャー企業に転職する場合は、その分リスクも大きくなりますから、慎重になるべきだと思います。
私は比較的長い間ベンチャー業界にいるからこそそう思います。
この業界は合う合わないがかなり強く出るので、転職をするという決断をする前に、様々なデメリットを理解した上で、覚悟を持って入るべき業界です。

だからこそ、ベンチャー転職を検討しているなら、まずはベンチャーに詳しい人達に相談してみましょう!
転職先候補があるなら、その候補先のことなども聞いてみると良いと思います。
客観的な意見はいくらあっても損はしませんから、いろいろ聞いて、情報を整理して、それでも転職しようとなれば、そこではじめて退職を伝えましょう!



おわりに

ということで今回は退職を伝えるタイミングについて検討してまいりました。
現在転職を検討している皆さんの参考になれば幸いでございます。

そして、ベンチャー企業の経営管理部門に転職を検討していらっしゃる皆さまは、是非SYNCAにご登録ください😁
SYNCAはベンチャー企業の経営管理部門の求人に特化した転職サイトで、企業から直接スカウトが届くダイレクトリクルーティングサービスなので、ベンチャー業界の情報収集をする上でお役に立つと思います。


では、また書きます!


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【著者情報】

著者:瀧田 桜司(たきた はるかず)
役職:株式会社WARC 法務兼メディア編集長
専門:法学、経営学、心理学
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