ベンチャー企業が採用コストを抑える方法(人材獲得をより安く、より効率的に)
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皆様是非ご活用ください!
はじめに
ベンチャー企業の多くが抱える問題として「人材獲得」があります。
特に拡大期に入ったベンチャー企業の場合、採用は急務ですから、主要な問題(課題)の一つになります。
そして、それと表裏の関係として「採用コスト」という問題も浮上してきます。
IPOを目指し始めると、どうしても経営管理部門の人材が必要になってくるため、経理・財務・法務・労務などの専門家が必要になります。
しかし、専門職というものは、大抵需要と供給のバランスが崩れているため、良い人材を雇いたいと思っても、簡単には雇うことができません。
経理財務に至っては、需要と供給のバランスが10対1くらいのバランスで崩壊しているので、優秀なハイクラス層を採用するのは非常に難易度の高い行為といえます。
※ミドル層やジュニア層は比較的需給バランスがとれています
競合他社に競り勝って優秀な人材を獲得するためには、候補者に対して高い報酬提示を行い、かつ、人材紹介フィーも積み増す必要が出てくるでしょう。
さらには自社の人事の人件費(残業代等)も上がっていきます。
良い人材を獲得したいと願えば願うほど、採用コストはどうしても上がっていってしまうものです。
ただ、高い報酬提示をして、人材紹介会社に高い利率のフィーを支払ったとしても、ベンチャー企業では、獲得した人材が1年ちょっとで辞めてしまうということがよく起こります。
ベンチャー企業の離職率は、大手上場企業と比較すると相対的に高いため、一定の離職は仕方ないとしても、高い報酬帯の人材が辞めるのは大きな痛手となります😱
このようなアクシデントも重なって、複合的に採用コストが積み重なっていきます。
これをどう解決するか。
採用コストをどうやって下げるか。
それをテーマにお話していきたいと思います!
結論としては「自社を優秀な人材にとっての良い会社にするのが一番手っ取り早く採用コストを削減できる」です!
日頃から、優秀な人材に選ばれる会社作りをしておけば、最初の数人を雇うだけで、あとはその優秀な人材が、優秀な友人を紹介してくれるようになります。
イケてるベンチャーの多くは、このリファーラル採用を積極的に行っていることが多く、それによって採用コストを激減させています。
また、自社が良い会社になれば、評判自体が良くなるので、人材紹介会社を使わずとも、優秀な人材からの直接応募が増えます。
自社の採用ページから直接応募してくれれば、ほとんどコストはかからないです😁
そして、自社を良い会社にしておけば、離職率が下がっていくので、早期離職による損失を未然に防ぐことができます。
ゆえに、自社を、優秀な人材にとっての「良い会社」にすることが、一番手っ取り早く採用コストを削減できると考えています。
1.優秀な人材とは
自社を良い会社にするといっても、どのような人にとって良い会社にすればいいのかが定かではないと、根底がズレてしまうので、まずは優秀な人材を定義しましょう!
一般的な大手企業では、高学歴で、高学力で、何らかの専門知識を持っている人材が好まれます。
これは、人事として「形式的要件を満たしているので通しました」と言いやすい人材だからです。
大手企業では、採用が何階層にも分かれているので、現場で候補者と主に接する人たち(人事担当)と、最終面接や事業部面接で接する人たち(役員や事業部長)との間に大きな乖離(地理的にも精神的にも機能的にも)があります。
そのため、人事としては、後々責任を追求されないように、形式的要件を重視して選考をせざるを得ません。
そのため、学歴・学力(SPI等)・経歴・資格などの目に見える要件で篩にかけます。
一般的な大手企業で形式的要件を定めていない会社はほとんどないでしょうし、最近はその形式的要件の一部が学歴フィルターとして表に出てしまい、軽く炎上していることもあるようですが、当然の前提くらいに存在するものなので、今更感があります。
一方で、ベンチャー企業の場合はどうでしょうか🤔
最近のベンチャー企業の多くでも、学歴や学力等の形式的要件を設定していることは珍しくないと思いますが、大手ほど厳格なフィルターではありません。
もうちょっと目の粗い篩でフィルターがかかっています。
というのも、大手企業並の目の細かいフィルターを入れると、候補者がほとんどいなくなってしまうからです🙄
高学歴、高学力、専門性保有者がほしいのはどこの会社も同じですが、ベンチャー企業では、そこまで高望みはできません。
しかし、ベンチャー企業でも譲れないものがあります。
それは、ベンチャースピリッツがあるかどうかです。
ベンチャースピリッツとは、ベンチャーに向いている人材に共通する精神性で、例えば、最後までやり抜く力が強いとか、変化に対する耐性が高い、柔軟な発想力などの特徴を総称した言葉です。
ベンチャーで長く活躍するためには、ベンチャースピリッツは必須だろうと思います。
したがって、ベンチャーにおける優秀な人材とは、以下のような条件を揃えた人のことをいいます。
(学歴)※あれば尚良いという程度
高学力(地頭の良さ)
専門性(何らかの分野に強い)
ベンチャースピリッツ(継続力や変化耐性・柔軟性が高いなど)
こういう人材をベンチャー転職市場で探そうと思った場合、良さそうな候補者を20名ほどピックアップして、1人いるかどうかだろうと思います。
ベンチャーの転職市場はそもそも小さいので、その中で20人に1人程度ということは、転職市場全体でみると、100人に1人くらいだと思ってもらえればいいかなと思います😰
職種や要件次第では500人に1人くらいになるものもあります。
したがって、非常に難易度が高い採用です。
でも、これはベンチャーで採用活動をしたことがある人なら感覚的にわかるだろうと思います。
そもそもベンチャーに応募してきてくれるような人は少数派ですし、その上で上記の条件が揃った人なんて、ほとんどいません。
なお、評判の良いベンチャー企業の場合、上記のような優秀人材の方から応募してきてくれることが多いので、採用が非常に楽になります😱
2.優秀な人材が求めているもの
では、優秀な人材は、会社に対して何を求めているのでしょうか。
その求めているものを自社が提供できさえすれば、良い候補者を獲得できる可能性が増します。
上記の優秀人材の要件を満たすような人材をたまに見かけますが、転職市場での人気がえげつないんですよね。
履歴書や経歴書の段階で『あ、これは優秀な人だ』とわかるので、当然に引く手数多です。
こういう人たちが、会社に何を求めるのか。
これは聞いた方が早いので、ベンチャーで活躍中の優秀な知人らに聞いてきました👍
以下のような意見が出てきたので、参考にしたいと思います。
(1)意欲的な仲間が多くいること
(2)自由度が高い職場であること
(3)学び多き職場であること
(4)成果が正当に評価される職場であること
(5)ビジョンに共感できること
以下、一つずつ解説していきます!
(1)意欲的な仲間が多くいること
私の知っている範囲内の人たちなので、非常に狭い範囲のリサーチしかできていませんが、彼らの多くは、元々は大手企業にいました。
新卒でベンチャーに入っている人はほぼいません(新卒でメガベンチャーなら1名います)。
そして、なぜわざわざ安定した身分を捨ててベンチャーに来たのかというと、ほぼ全員が大手の雰囲気に耐えられなかったからです。
最も耐え難かったのは、意欲的な人が少なかったところだそうで、このままこの場所にいると、自分の成長が止まってしまうような恐怖感を抱いたらしいです。
この気持ち、非常によくわかります。
すべての大手企業がそうであるわけではないですが、一般的には、大手企業に入ったらその時点で人生は勝ち組で、あとは悪いことさえしなければ、年功序列で勝手に給与が上がっていきます。
出世もよほどのヘマをしなければ、ある程度年功序列で上がっていきます。
そのため、頑張る必要性そのものが低減していくのです。
新卒の頃は意欲溢れる人も多いのですが、2年目、3年目と年を重ねるごとに、社会の荒波に揉まれ、人混みに流されて変わっていき、丸くなり、少しずつ意欲が無くなっていきます。
5年もすればかつて幻滅した先輩たちと同じような人種になってしまいます。
10年もするとほぼ完成された歯車になるので、努力しようとか、一旗揚げようとか、そういう意欲は消え去っていきます。
住宅ローンや子育てなどの家庭の問題も多発する頃なので、自分の労力を将来の飛躍にために使うという発想すら無くなっていくのが普通です。
そうやって、安定した身分に落ち着くものです。
それが正しい生き方ってやつです。
そういう一種の安定したレールに乗り続けられなかったはぐれメタルがベンチャーに来ます😏
ゆえに、彼らが会社に求めることとして、同僚や上司などに「意欲的な仲間が多くいること」が挙がってくるのです。
(2)自由度が高い職場であること
続いて、自由度を挙げる人も多くいました。
ベンチャー業界の残ってくれている優秀層の人たちの多くは、若干変わっていて、特殊な能力を持っている分、自由人です。
それゆえに、大手上場企業で当然とされているルールやしきたりが若干苦手な傾向があります。
より踏み込んで表現すると、何かに縛られることを嫌う傾向が強いです。
ベンチャーで活躍する優秀な人達は、ルールを守って従っていく側というよりは、新しいルールを作っていくタイプの人が多いです。
それゆえに、自由度は重要な要素なのでしょう。
ベンチャー企業の多くでは、なにか変革を起こそういうときに、どこどこの部長が反対するから進められないとか、誰々が発案すると○○派閥が黙っていないとか、そういうどうでもいい内部政治に振り回されることがほとんどないので、居心地が良いそうです。
(3)学び多き職場であること
こちらもよく挙がってくる要素です。
わざわざリスクの高いベンチャー業界に飛び込んできている人たちなので、向学心や向上心が普通の人より強いです。
そのため、彼らの多くは常に新しい「学び」を求めています。
ここでいう「学び」のニュアンスは、座学というよりは、実務経験といった方が良いかもしれません。
大手企業では、細分化された作業をこなしていくことが多いので、良い実務経験を得るためには長い順番待ちが発生します。
一方で、ベンチャー企業では、基本的に人員不足で、必要最低限の人数で回しているため、市場価値の高い実務経験が比較的頻繁に回ってきます。
彼らの主目的はそこにあるので、新しい実務経験から得られる学びに貪欲です。
そういう学び多き職場であり続けることを望んでいます。
(4)成果が正当に評価される職場であること
すべての大手企業がそうというわけではないですが、やはり組織が大きくなればなるほど、人事評価に恣意が入り込みやすくなります。
上司の機嫌一つで評価が変わったり、社内政治の出来不出来で出世が決まってくる要素があります。
大手からベンチャーに来ている若手優秀層の多くは、そういう実力とは関係がないところで評価されることにうんざりしている人が多いため、成果が正当に評価される職場であることを望んでいることが多いです。
良くも悪くも、実力主義というものは、自分自身に明確な課題を突きつけて来ますが、優秀層はそれを努力によって乗り越えるということに喜びを感じる人が多いようです。
(5)ビジョンに共感できること
最後に、ビジョンに共感できることを望んでいる人が多かったです。
これは大手からベンチャーに来た人に限らず、多かれ少なかれベンチャーにいる人は全員が持っている感情だろうと思います。
CEOらがやろうとしていることに一切共感できない、むしろ批判的な感情しか湧いてこないという状態では、仕事そのものがとてもつまらないものになってしまいます。
わざわざリスクを冒してベンチャー業界に入っているのに、全く共感できないことに協力するのは人生の無駄遣いです。
だからこそ、転職先のビジョンやミッションには細心の注意を払って確認すべきだろうと思います。
おそらく、優秀層の皆さんはこの確認を怠らないはずです。
自分の人生の貴重な数年間を投資するのですから、真剣に分析するでしょう。
3.自社をどう変えればよいか
さて、優秀な人材を定義し、彼らが求めていることもなんとなくわかってきました。
問題は、自分の会社をどのように変えていけばいいかです。
上記の優秀な人材が求めていることに対応する形で考えていこうと思います。
なお、これはあくまでも一例ですので、自社にとっての優秀な人材を再定義して、求めていることもそこから考えてみてください😁
(1)意欲的な仲間を多くするには
(2)自由度が高い職場にするには
(3)学び多き職場にするには
(4)成果が正当に評価される職場にするには
(5)共感できるビジョンを作るには
では、上記5つの視点から一つずつ解説していきます。
(1)意欲的な仲間を多くするには
これが最も重要な要素だと思います。
イケてるベンチャー企業はほぼ100%の確率で、社員にも魅力的な人が多いです。
やる気に満ちていて、仕事をすることを楽しんでいるように見える人が多いから、その会社の印象も良くなるのだろうと思います。
このような意欲的な人を組織内に増やすためには、2つの側面から自社を変えていかないといけません。
一つ目が、採用で妥協しないことです。
組織全体の意欲が低い会社は、十中八九、採用で妥協していますし、そもそも採用に本気を出してないです。
自分たちがどういう人材がほしいのかを細かく定義して、本気で探そうという意欲がそもそもないので、普通なら採用しないであろう人たちに内定を出します。
その結果、組織内のモチベーションが徐々に低下していきます。
また「優秀な人材はどうせうちになんか来ないよ」という経営者も多いです。
私の視点から言わせていただくと、そういう思想だから来ないんです😱
もっといえば、そういう思想だから、組織内の優秀な人材が辞めるんです。
数年前の話ですが、とても小さいベンチャー企業で、全くの無名で、けして待遇も良いとはいえないしお金もない会社の人事サポートをしたことがありますが、CEOの情熱だけはすごかったので、超優秀な人材を3名(弁護士1名、公認会計士1名、社労士1名)も採用することができました。
採用が「人と人との結びつき」である以上、できないなんてあり得ないです。
採用は、要するに仲間探しなので、仲間探しをできないと思っているなら、経営者を辞めた方が良いとすら思っています。
仲間探しは、経営者の最重要タスクですから。
良い人材を採用できていないのは、単に経営層の本気度が低いことと、経営者そのものに魅力が無いからです。
まずは、採用に妥協しない覚悟を決めることが最優先事項だと思います。
続いて2つ目が、優秀な人材が長く会社にいたくなるような組織にすることです。
前述した「採用に本気になる」「採用に妥協しない」ということは、けして難しいことではありません。
今日からだって始められる簡単な意思決定です。
しかし、優秀な人材を長く会社に留めるための活動は、長期的な意思決定であり、行動を伴う必要があるので、経営者の「やり切る力」が問われます。
採用自体は数ヶ月本気を出せばすぐに達成可能ですが、組織変革は数年かかります。
そして、組織変革を怠ると、せっかく採用できた優秀な人材が辞めていきます。
経営層が組織に対して諦めの色が見えたり、途中で飽きて変革を怠るようになると、優秀な人材は会社を見限って次の場所に行く検討をし始めます😱
なので、長期的な視点で組織を変え続ける覚悟を決めましょう!
具体的には後述する(2)~(5)の活動をしていきます。
(2)自由度が高い職場にするには
ここからは具体的な変革案に入っていきます。
自由度の高い職場を作り上げていく上で、最初にやるべきことは、他社比較です。
自社と他社と比べてみて、自社が劣っているところを明確にしましょう。
このとき、自社より人気がない会社と比較しないようにしましょう。
たまに「競合のあの会社よりはうちの方が優れている」と自慢気にいう経営者の方がいらっしゃいますが、下と比べても意味はないので、比較対象は自社よりも上の会社にしましょう!
業種にこだわる必要もありません。
経営管理部門の専門職人材の多くは、業種に関係なく働ける人が多いので、業種を限定するメリットはあまりありません。
優秀な人材を集めるのが上手な会社を見つけ出して、そこと比較しましょう。
特にITベンチャーの組織構造や福利厚生は参考になるので、資料を入手できるのであれば、どんどん入手して、良い部分を取り入れましょう!
なお、優秀な人材の方々に人気が高い福利厚生制度・その他勤務条件等は以下のようなものです。
フルフレックス制(働く時間が自由というのは、最近のイケてるベンチャーではほぼ常識的になってきている)
リモートワークOK(今の御時世では当たり前くらいの制度)
年2回の昇給制度(年に1回は少なすぎる)
PCスペック選択可能(ITベンチャーでは当たり前)
書籍補助制度(月5000~1万円程度のところが多い。会社が従業員の勉強に投資しているという姿勢が重要)
資格補助制度(書籍補助制度と同様、資格取得後に数万円の支給をするものが多い)
修士号、博士号取得補助制度(最近増えてきて、人気が高い制度)
大学院学費補助制度(同上)
留学等休職制度(海外留学等で2~3年間働けない人のために休職制度を充実させるもの)
英語学習補助制度(英会話教室や英語学習教材の一部を補助する制度)
公募留学制度(会社が全額負担で留学させてくれる制度。社内選考あり)
家賃補助制度(イケてるベンチャーでは当たり前の制度で、2~3駅圏内に住んでいる人に月2~5万円を出すことが多い)
ランチ無料制度(従業員3名以上でランチに行くと、一人当たり1,500円まで会社が負担してくれるような制度)
夕飯支給制度(ケータリングなどで夜ご飯を支給する制度で、社内コミュニケーションの促進に効果がある)
お弁当無料支給制度
ウェルカムランチ制度(社外の人や採用候補者と一緒にランチに行ったときの費用を会社が負担してくれる制度)
産休育休補助制度(保険で給付される金額と月額との差額を支給するするなどの制度)
社内託児所完備(ママさんに大人気)
出産一時金支給制度(5万円程度)
旅行補助制度(従業員が旅行に行くときに1万円程度の支給をする制度)
海外セミナー等参加補助制度(海外で開催される各種セミナーやイベントに参加する従業員に1~2万円程度の補助を出す制度、エンジニア系の人に刺さる)
誕生日プレゼント(誕生日に1万円分の商品券またはアマゾンギフト券等をプレゼントする制度)
ピアボーナス制度(従業員が一人当たり500円程度の議決権を持っていて、好きな人にその500円分の権利を譲渡できる制度。社内の従業員により多く貢献した人がより多くのボーナスをもらえるという仕組み)
仮眠室完備(昼寝したいときや体調が悪いときに利用できる個室を作っておく制度)
コーヒーマシン及びウォーターサーバ無料(社内に完備)
カフェスペース完備(かなり人気)
出戻り歓迎制度(退職した人であっても、一部の従業員に対しては簡単に戻れるようになっている制度)
地方サテライトオフィス(田舎の古民家などを買って、サテライトオフィスとして活用することで、ワーケーションを実現する制度)
ペット休暇制度(ペットの体調不良等で休みが取れる制度)
リフレッシュ休暇制度(年間3~5日ほどの追加有給休暇を与え、いつでも休みが取れるという制度)
副業OK(最近では当たり前の制度)
推しメン休暇制度(推しのアイドルのライブやイベントで休める制度)
10%ルール等(就業時間の10%~15%程度の時間を自分の趣味や研究に充てられる制度で、Googleや3Mを参考にした制度)
これら全部を導入できたら相当に凄いですが、まず無理だと思うので、できるところからコツコツと充実させていけばいいと思います。
ちなみに、人気がないというか、むしろマイナスの評価を受けることもある制度として、社員旅行とか季節ごとのBBQなどが挙げられています。
わざわざ休みを潰してまで社員と旅行に行ったり、BBQをしたりしたくないという意見が多いです。
会社の経営者の立場や社交性の高い人の立場だと、社員旅行やBBQは楽しいイベントだと思いますが、最近の若手には不人気であることが多いので、注意が必要です。
(3)学び多き職場にするには
続いて、学び多き職場にするにはどうすればいいかについて検討していきましょう。
おそらく手段は無数に存在すると思いますし(2)で記載した福利厚生制度の充実でも、学びを多くすることは可能だと思います。
それ以外の方法では、私は大きく2つの方法が重要だと思っています。
まず1つ目が、優秀な専門人材を多く揃えることです。
優秀な人材の多くは、何らかの専門知識を得たいと常々思っています。
そのため、同僚に専門家が多い職場に行くと、それだけでテンションが上がる傾向がありますし、職場に行く楽しみが生まれます。
手前味噌で申し訳ございませんが、私が所属するWARCもその傾向が強いです。
社内に公認会計士、税理士、M&Aの専門家、IPO経験者などが多く在籍しているため、普通の法務では関われないであろう論点や着眼点を得られます。
これは私にとっては非常に重要な利益で、WARCに存続し続ける理由にもなっています。
優秀な人材を組織内に増やせば増やすほど、その人達の存在そのものがその職場の魅力になるのだろうと思います。
続いて2つ目が、若手に重要なタスクを任せることです。
大手とベンチャーの最大の違いは何かといわれたら、私は実務経験の得やすさだと考えています。
この魅力がなくなった時点で、その会社はもうベンチャーとはいえないなとすら思います。
立派な大手企業の仲間入りです。
ベンチャー企業では、人数が少ないまたは挑戦を歓迎する文化があるがゆえに、若手に実務経験を得るチャンスが多く巡ってきます。
そもそも役員クラスの多くが20代~30代だったりするので、社内に存在する実務経験のすべてが若手のものです😏
しかし、ベンチャー企業といえども、いざ若手に重要なタスクを任せようと思ったら、任せる側としては若干緊張します。
なぜなら、失敗する確率が非常に高いからです。
誰にでも初めての経験というものはあるのですが、その初めての経験をしっかりとサポートする側になるのは結構大変です。
忙しい日々の中で、部下や若手の将来のことまで考えてタスクを振れる人はそこまで多くありません。
だからこそ、良い会社になりたければ、意図的に重要なタスクを若手に振っていくべきだと思います。
もちろん、サポート体制も同時に整える形で。
それを常日頃から文化として醸成していくことで、学び多き職場が創られていきます。
(4)成果が正当に評価される職場にするには
こちらに関しては、人事評価制度をしっかり考えるしかありません🙄
ここは非常に難易度が高く、多くの経営者が頭を悩ませているところだろうと思います。
営業や事業責任者などの職種だと、本人の実績を数値化しやすく、公平性も明確性も保てる評価制度を作れますが、経営管理部門の専門職の場合、数値化しづらい業務が多いのです。
そして、数値化して評価してしまうと、そこにばかり気を取られて、数値化できない重要な業務を疎かにする文化が根づいてしまう可能性が高いんです。
そのため、どうやって評価するかという点がとても難しいです。
そこで、経営のヒントになるかわかりませんが、経営管理部門の専門職の一人としての視点でいうと、以下の4点に着目した評価制度を構築していくと良いかもしれないと思ってます。
専門性(専門知識✕管理能力)
ホスピタリティ
勤勉性
スピード
この4つのいずれが欠けても経営管理部門の専門職としては能力不足だと思います。
若いなら全く問題ないですが、年齢や経験値が高いはずなのに、欠けているのは明らかに不足です。
そもそも我々経営管理部門の専門職は、専門知識を保有していることに価値があります。
これはあくまでも前提条件です。
知識や資格は持っていて当たり前で、そんなことで評価されるものでもないのですが、専門職の中にも知識不足の人は山ほどいるので、前提条件だよという意味で人事評価の20%くらいは専門知識の保有を評価していいと思っています。
なお、マネージャークラスの場合は、専門性の中に管理能力も入れるようにしましょう。
経営管理やマネジメントという分野の知識・能力も立派な専門性であり、管理職にとっては必須の知識・能力ですから。
単に自分の専門分野の知識があるだけで他人の感情を理解できない人や管理能力がない人は、経営管理部門の管理職としては能力不足です。
そして、経営管理部門は、どんなに頑張っても間接部門なので、ホスピタリティ(奉仕精神)がない人を入れてはいけません。
これも前提条件なのですが、なぜか多くの会社では経営管理部門の方が上で、事業部が下のような構図が生まれているので、不思議でなりません😱
ホスピタリティの欠片もないような人が管理部門に多くいる会社もあるので、ここは本当に注意しないといけません。
経営管理部門は、事業部の皆様のために存在し、彼らに尽くす存在なので、そういう精神・行動を評価する人事評価にした方が良いと思います。
ここは30%くらいの割合を与えても良いでしょう。
さらに、専門職としての勤勉性も重要です。
ある程度知識が増えてきて、大抵のタスクを一人でこなせるようになってくると、多くの専門職の成長が止まります。
これは、意識的無意識的に満足してしまうからです。
でも、そんな程度で満足してしまうようでは、急拡大をしていくベンチャー企業の経営管理部門として相応しくありません。
自分の専門分野だけに留まらず、他の分野の勉強をしたり、学位や資格を取ったり、とにかく新しい知識に貪欲であり続けないといけません。
例えば、法務部員が簿記2級以上を取得したりすることなどが該当します。
そういう貪欲に学ぶ姿勢が見えるかどうかを評価し、人事評価の20%くらいに加えてもいいと思います。
最後に、スピードが重要です。
我々経営管理部門の専門職は、自分のタスクの中身を他人に評価されづらいという特性を持っています。
例えば、法務という職種は、法律に詳しい人間じゃないとそのタスクの難易度や作業工数が測れません。
ゆえに、やろうと思えば何倍も時間をかけられるのです。
会社によっては、契約書1通のチェックに1週間以上もかけるところもあります😱
むしろ早く処理すると怒られるらしいです。仕事が増えるからとかなんとかで。
もちろん難易度が高い契約書だったり、契約内容を相手方との交渉で一から構築していくというタスクまで含まれるのであれば、完成までに数ヶ月かかることもあるのですが、ただのチェックなら、1時間あればいけます。
手が空いてなかったとしても、2営業日以内には返せるはず。
でも、法務以外にはそういうのはわかりません。
だからこそ、スピードを評価対象に加えるべきで、人事評価の30%くらいはスピードで評価をしてもいいと思っています。
以上が私の私見です。
参考になるかわかりませんが…
(5)共感できるビジョンを作るには
最後に、共感できるビジョンを作るにはどうすればいいかを検討します。
ただ、こればっかりはCEO次第の論点です🤔
ある程度の規模の会社であれば、その中に魅力的な従業員が多くいることで、優秀な人材を呼び寄せる効果が発生します。
しかし、ベンチャー企業でそのような状態に至る会社は極一部です。
大抵は、最初の10人すらまともに探せずに、妥協した採用活動をせざるを得なくなります。
最初の10名~30名が、ベンチャー企業にとっては最も重要なコアメンバーだと思うので、CEOはこの規模の頃までにビジョンを固めておく必要があります。
もちろん後発的に気づいて、その時点からビジョンを作っても遅くはないのですが、従業員の入れ替わりがある程度発生することを覚悟したほうが良いでしょう。
さて、ビジョンの作り方についてですが、これは、CEO自身が自分自身と真正面から向き合って、対話を重ねるしかありません。
自分で言語化できていない想いが絶対にあるはずなので、それを短い言葉で言い表す作業です。
自分という存在の証明方法を見つけ出す作業なので、地味な作業ですが、とても重要な作業だと思います。
なぜこの会社を立ち上げたのか、どのような課題を解決したいと思っているのか、何を成し遂げたいのか。
じっくり考えてみてください。
このとき、ウケが良いビジョンを作ろうと思わない方が良いと思います。
そういうビジョンは大抵寒いものになりますし、CEO自身が熱量を持って語れないはずなので、無意味で無価値なものです。
自分が心底熱量を持って語れる本音のビジョンを作ってください。
必ずそのビジョンに共感してくれる人間が現れるので😁
おわりに
だいぶ長くなってしまいましたが、まとめますと、自社を優秀な人材にとっての「良い会社」にすることが、採用コストを下げることに繋がるということです。
優秀な人材は優秀な人材と仲良くなることが多いので、一人の採用に成功すると、その人が友人や知人を紹介してくれます。
それによってほぼタダで優秀な人材を獲得できます😁
良い会社であり続けることが、最も効果的なコスト削減策だと思うので、経営者の皆様はぜひ一度ご検討ください。
そして、良い人材を獲得したい場合は、初期段階では転職エージェントか、転職サイトで探すと思います。
そのとき、ダイレクトリクルーティングも活用することを強くオススメいたします。
ダイレクトリクルーティングとは、企業から積極的に(直接的に)候補者をスカウトする採用方法です。
ベンチャー企業では、今や当たり前になりつつある採用方法です。
ダイレクトリクルーティングをするなら、ベンチャー企業の経営管理部門の求人に特化したSYNCA(シンカ)をご活用ください!
このサイトに登録している人たちは、そもそもベンチャー企業に興味を持っていて、ベンチャー企業への転職を検討している人たちなので、ベンチャーにとっては喉から手が出るほどほしい人材だと思います(笑)
では、また書きます!
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この記事は、株式会社WARCの瀧田が担当させていただいております。
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この記事に対する感想等もぜひぜひ😍
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