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スルガ銀行不正融資

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スルガ銀行の第三者委員会調査報告書の雑感

報告書が出ていたことも気がついていなかったのだけど、同僚から「これは読んでおくべき」といわれて、件の報告書を読んだ。金融セクターで働いていない人だったら、要約版だけで充分かもしれない。

第三者委員会の報告書の構造
会社で不正があったときに第三者委員会に報告書を書いてもらうのは、会社のリスク管理としての常套手段だ。会社ぐるみでの不正が疑われている場合には、会社からの報告がほぼ信用ならないと考えられ

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法律で裁けない不条理と闘うメソッド-苦情電話&メール

法律で裁けない不条理と闘うメソッド-苦情電話&メール

法律で裁けない不条理と闘う庶民のメソッド法律で裁けない事、世間的な価値判断と現状が乖離する場合に、一般庶民は暴力的な自己解決はしちゃいけないことになっています。でもツイッターやフェイスブックで文句を言っても世間は動きません。警察がすぐには動いてくれない。そんなときにどんな抗議手段が一般庶民に残されているのでしょうか。

その答えの一つが「苦情電話を監督官庁にかける」であることが判明しました。

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スルガ銀行かぼちゃの馬車事件



 大下英治著「スルガ銀行かぼちゃの馬車事件—四四〇億円の借金帳消しを勝ち取った男たち」を読みました。著者は週刊文春の記者を経て作家に転身、政財界や芸能、犯罪等、幅広く執筆されている方です。

 かぼちゃの馬車事件は記憶に新しいところで、私自身はこうした投資関連の詐欺まがいの件については、被害者とされる方には全く同情できずにいました。このブログにも、以前この事件について取り上げており「まったく同

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スルガ銀行不正融資の詐欺被害者の方に、お話を伺いました。もしも叶うなら、スルガ銀行の方のご意見も聞いてみたいです。

スルガ銀行不正融資の詐欺被害者の方に、お話を伺いました。もしも叶うなら、スルガ銀行の方のご意見も聞いてみたいです。

シェアハウスで巨額の不正融資事件を起こしてしまったスルガ銀行。でもスルガ銀行は、シェアハウス以外にもアパート・マンションなどの不動産投資の分野で不正な融資をたくさん行っていたそうです。その多くがサラリーマンを対象とした個人向け不動産ローンでした。

今回はそんなスルガ銀行詐欺被害者の方にお話しを伺いました。「投資は自己責任で損をするのは自分の責任」であることは真理で、被害者は被害を抱えて生活するを

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スルガ銀行株主総会紛糾のなかの新体制発表!脱創業家の有無

スルガ銀行株主総会紛糾のなかの新体制発表!脱創業家の有無

はじめに

スルガ銀行が6月26日に、

静岡県沼津市の本店で株主総会を

開催したが大荒れだったようです。

経営再建に向けて抜本的対策も

無いまま終了したとの事です。

シェアハウスを巡る不正融資等に

関わった創業家の支配を

一掃するような新体制は

布陣出来なかったようです。

スルガ銀行の融資問題の経緯

①平成30年1月

シェアハウ

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スルガ銀行117人の処分者は加害者か。

 今年はスルガ銀行にとって最大の受難の年であった。締めくくりとして117人の役職員が処分された(12月1日日経等)。一連の不正融資の被害者は騙されて投資をして同行から融資を受けた投資家(借入人)であるが、さて、その投資・融資を推進した117人は加害者なのであろうか。部門トップの役員は同行の業務推進を事実上一手に担い、立ち止まることを許されない立場にあり、狂気的な叱咤をせざるをえず、その下の支店長も

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【詳細版】スルガ銀行・シェアハウス向け融資の処理状況について。

ブログに簡単にまとめましたスルガ銀行のシェアハウス向け融資の処理状況について、こちらで「詳細版」として解説したいと思います。

なお、本稿はあくまで銀行側から見た視点で書かれております。

ローンの減免が行われた場合の銀行側の損失処理の仕組みについては説明しておりますが、スルガ銀行の法的責任や個々のシェアハウスオーナー(ローンの借り手)が減免を受けられるかどうかなどについて意見を述べるものではあり

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スルガ銀行事件/スルガショック【18年9月9日 】 #世界最速で日経新聞を解説する男

スルガ銀行事件/スルガショック【18年9月9日 】 #世界最速で日経新聞を解説する男

皆様お待たせしました。「#日経新聞を毎日読み込んでいる南が解説します」「#世界最速で日経新聞を解説する男」のシリーズの約1年ぶりの最新作「スルガ銀行事件/スルガショック」です。

1年前のnoteの投稿では「日銀がお金を刷りすぎてバブル発生。世界でも金余りが起きている。」と批判し、トルコの暴落やビットコインの暴落についてもバブル崩壊の予測していて、そして現在、トルコとビットコインがどうなっているか

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スルガ銀危機の引き金となった「かぼちゃの馬車」創業者がYouTube開設

スルガ銀危機の引き金となった「かぼちゃの馬車」創業者がYouTube開設

 スルガ銀行と筆頭株主のノジマが経営方針で対立。スルガ銀行の副会長を務める野島広司氏(ノジマ社長)が6月29日開催予定の株主総会を待たずに退任した。スルガ銀行は2018年、シェアハウス向け不正融資で経営危機に瀕した。そのスルガ銀行を事実上救済したのが家電販売大手のノジマで、19年10月にスルガ銀行の創業家(岡野家)がファミリー企業経由で保有していた同行の全ての株式(13%強)を取得、既存出資分を含

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「地方銀行の雄スルガ銀行が陥った甘い罠」

「地方銀行の雄スルガ銀行が陥った甘い罠」

静岡県の地方銀行である「スルガ銀行」によるシェアハウスオーナーへの不正融資事件。改めて都銀をはじめとする各金融機関が置かれた厳しい経営状況がはからずも浮き彫りとなったと言えるのではないか。

 ゼロ金利からマイナス金利へ。これまで日銀に預けてさえいれば、一定の利息はそのまま収益となっていた銀行の業務活動がいまや、自ら各種の取引手数料収入をあげる、融資に一定のリスクテイクをしなければ、純益を稼げなく

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かぼちゃの馬車事件って何?不動産投資で注意することは!?

かぼちゃの馬車事件って何?不動産投資で注意することは!?

皆さん、かぼちゃの馬車事件について、聞いたことがあるでしょうか?

そこから、不動産投資において、学べることは何でしょうか?

かぼちゃの馬車事件とは、スマートデイズが運営するシェアハウス「かぼちゃの馬車」に対する不正融資が暴かれたことをきっかけに、不動産業界、金融業界が激震したというものです。

当時、スルガ銀行は、スマートデイズが運営するシェアハウス「かぼちゃの馬車」を含む不動産融資に依存して

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かぼちゃの馬車事件で思うこと

かぼちゃの馬車事件で思うこと

おはようございますw

いきなりですが、かぼちゃの馬車事件。

数年前、サラリーマンを食い物にした、女性専用シェアハウス投資詐欺「かぼちゃの馬車」事件がありましたが、皆さんご存じでしょうか。

かぼちゃの馬車は、スマートデイズという会社がシェアハウス運営、そして経営破綻したことがキッカケで問題となりました。

大下英治著によるかぼちゃの馬車事件を読んで大下英治著のかぼちゃの馬車事件を読みました。

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スルガ銀行不正融資からみる暴走する銀行組織の内側

スルガ銀行不正融資からみる暴走する銀行組織の内側

はじまりは不動産融資だった・・・

 最近、スルガ銀行の事件が大きく報じられているが、この事件の根幹はどこにあるのだろうか?私は、組織の方向方針の策定時は間違っていないと思っている。

 今、伸びている産業や経済の流れに対し、注力するための枠組みは作るのには問題は無いが、組織全体でその枠組みを数値化し達成しようとすると、必ず無理が来る。

 スルガ銀行の事件も、不動産の賃貸業者への融資を増加させる

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不適切な融資の為の改ざんとは・・・スルガ銀行や西武信金の事件から考えてみた

不適切な融資の為の改ざんとは・・・スルガ銀行や西武信金の事件から考えてみた

『不正融資1兆円』 『審査書類の改ざん』『不正融資黙認 スルガ銀行だけじゃない』『審査部への営業からの圧力』『原点回帰は難しい』『西武信金の落合理事長辞任』『業務改善命令』

 スルガ銀行事件や西武信金事件は銀行業界にある様々な問題点を浮かび上がらせました。その中で原点回帰は本当に難しいのか?銀行はオワコンなのか?

 翻って自分はどうだったか・・・

 まずは、取引先から資料を受け取り審査をする

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