奈良正哉(鳥飼総合法律事務所弁護士)

元 みずほ信託銀行(株)総合リスク管理部長、同執行役員運用企画部長、同常勤監査役。みずほ不動産販売(株)専務取締役。 現 日弁連信託センター幹事、(株)タムロン社外監査役、理想科学工業(株)社外監査役、(株)熊谷組社外取締役。

奈良正哉(鳥飼総合法律事務所弁護士)

元 みずほ信託銀行(株)総合リスク管理部長、同執行役員運用企画部長、同常勤監査役。みずほ不動産販売(株)専務取締役。 現 日弁連信託センター幹事、(株)タムロン社外監査役、理想科学工業(株)社外監査役、(株)熊谷組社外取締役。

    最近の記事

    オーストラリア・デイ

     1月26日はオーストラリア・デイだった。建国記念日といったところか。西洋人がオーストラリアを「発見」した日だ。先住民にとっては侵略と差別が始まった日だろう。先住民は、「発見」されたくなかっただろう。  同じ趣旨の記念日が米国のコロンブス・デイだ。同様に、先住民はコロンブスによって米国大陸を「発見」されたくなかっただろう。  企業は人権擁護宣言をして、人権DD(デューデリジェンス)をすることを求められている。国家レベルでもやったほうがいいのではないだろうか。 鳥飼総合法律事

      • KADOKAWA

         東京五輪での贈賄で起訴された角川氏が会長をしていたKADOKAWAのガバナンスについて、外部識者による調査報告書が公表された(1月24日日経)。  角川氏に忖度し、コンプライアンス部門も取締役会も、同氏の法令違反行為を止められなかったとされる。創業家一族であり、カリスマ経営者でもあれば、その行為を内部の者が止めるのは至難の業だ。そのための外部役員だろうが、多くは会長のお友達だろうからそれも期待できない。一人で反対しても取締役会は多数決だ。抗議の意思を示すには辞めるしかない。

        • 春闘

           例年にも増して春闘の話題が多い。物価上昇を受けて、労働者側はもちろん経営者側も賃金の大幅上昇に前向きだからだ。しかし、経団連や連合や岸田総理がなんと言おうと、物価が急騰しようと、生産性が上がらなければ賃金は上げられない。  経団連所属の大企業で生産性向上がめざましい企業は、物価以上の賃金上昇を実現する。一方、そうでないところは物価上昇には追い付けない。これによって、労働者がより生産性の高い企業に流れ、生産性の高い職種に就けるようリスキリングに熱心になれば、日本全体の生産性も

          • ハーバード大黒人女性学長

             ハーバード大学の次期学長に、黒人(初)女性(2人目)のクローディング・ゲイ氏が就く(1月15日日経)。  ダイバーシティの象徴とされるだろう。名門大学の懐の深さ、思慮の深さに感心するばかりである。 鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

            不老不死

             不老不死のクラゲがいるそうだ。老いて死にそうになると若返りスイッチが入っていったん変態する。そしてその後、元のクラゲになるそうだ(1月15日日経)。  不老不死は古代中国の皇帝が憧れたものだし、今も多くの人が死を恐れているのだろう。ガリバー旅行記に不死人間の話がある。むしろ死ぬことが幸せな人生を過ごすための条件のように思うがどうか。 鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

            中国の公務員人気

             中国の若者の間では公務員が大変な人気だ。職種によっては6000倍もの競争率になっていて、最盛期の科挙より難しいとの議論もあるらしい(1月15日日経ヴェリタス)。  ジャック・マー氏のように民間で名と財をなしても、当局に目を付けられればすべてを失うお国柄では、民間に希望を持ちにくい。公務員が大人気になるような国には活力は生まれないだろう。 鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

            遺贈寄附への若年層の関心

             遺贈寄附を推進する団体主催の会合に出席した。登壇した発表者によると、遺贈寄附を含め寄付や社会貢献への関心が高いのは、高齢者よりも若年層のようだ。これは前から感じていたことと符合する。  遺産を寄付するという遺贈寄附の主体はもちろん高齢者だ。しかし、高齢者に直接寄付を勧誘するよりも、「親父の最後を飾りたい」とする息子世代に働きかけた方が効果的かもしれない。 鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

            SECOMの飯田亨さん

               SECOM創業者の飯田亮さんが亡くなった。少し古い世代では、SECOMといえば、長嶋茂雄さん起用のCM「セコムしてますか?」が耳に残っている。  警備を日本で事業化したことは目の付け所がよかった。しかし欧米ビジネスの模倣ではある。個人的にすごいと思ったのが、警備を人から機械にすることに途中で大きく舵を切ったことだ。欧米ビジネスモデルの模倣はいまや通用しない。しかし、飯田さんの著作は起業家にとって読んで損はないだろう。 鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

            大学入学共通テスト

             大学入学共通テストが終わった。受験経験者ではないので暴論かもしれない。それにしても、あんなにたくさんの科目を受験しなければならないのだろうか。一つだけ、例えば数学だけ突き抜けていて、残りはからっきし、という高校生は国立大学には入れないのだろうか。それともそういう人は一芸入試に回ってね、ということなのだろうか。  突き抜けた人材が起業家として躍動している米国の事情を見ると、こと日本の入試制度にはあまり期待できそうもない。 鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

            地銀の有価証券運用の残念な体制

             地銀の有価証券運用では、欧米金利の急騰で外債投資ではかなりやられてしまっただろう。今度は日銀の意表を突く(実質)利上げで、本丸の円債でも損失が膨らむだろう。円金利の上昇は貸出金利の上昇などで相殺されて全体としてはプラスだろうが、こと債券運用に限ってはマイナスに変わりはない。  それに対して、栃木銀行では会議の頻度を増やしてこれに備えるそうだ(1月11日日経「地銀再編マグマの底流」)。銀行ならではの対応ではある。しかし、会議を増やしても運用パフォーマンスが上がらないことは明ら

            日本酒の輸出

             日本産の酒の輸出が増えている。日本産ウイスキーはかねてから評価が高く、高値で取引されている。先行するウイスキーを日本酒が追っている格好だ(1月8日日経)。  個人的には魚卵にマッチする唯一の酒は日本酒だと思っている。合わない酒は生臭さが残る。フランス料理であっても、前菜にキャビアがあれば、スパークリングなどではなくて日本酒だろう。日本料理店だけでなく、幅広く西洋料理店にも売り込む余地はあるのではないかと思う。 鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

            成人式まだやる

             成人年齢が18歳に引き下げられた。その影響で成人式の対象年齢を18歳に引き下げたところもあるようだ。従来通り20歳にやるところもある。  そもそも成人式を自治体が主催してやるべきなのだろうか。成人式の現代的本質は同窓会だろう。成人になったのだから、当事者である成人自身がそれぐらいのイベントを主催することができないのか。同窓会までお上のお仕着せを唯々諾々として受け入れるのだろうか。住民としても、成人の同窓会に税金が投与されるのをどう思っているのだろう。  自分たちで成人式を主

            うさぎ年でも「う」はウクライナの「う」

             プーチンは停戦を呼び掛けるなど弱気ともとれる発言が目立つようになってきた。しかし、ユーラシアグループによる今年の最大のリスクはプーチン、2番目は習近平だ。  これらをテールリスク(めったに起こらないが起こるとダメージが巨大であるリスク)としているアナリストもいる。しかし、プーにしてもシューにしても今ここにあるリスクである。暴発するのか失脚するのか、その両方なのか。いずれにせよ備えることはできないにしても、覚悟しておくべきリスクなのだろう。 鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良

            2023年経済予測

             あけましておめでとうございます。  本年の経済予測としては、欧州後退、米国少し後退、日本少し成長、中国4%程度の低成長、というのがコンセンサスか。そして、為替は日米金利差縮小で当面円高、株価は景気の底に先行して切り返し、というのが大方の見方のようだ。  まあ、当たらないだろう。 鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉

            香港賃料の急落

             香港中心部の賃料が、コロナ前と比べて4-5割下落しているそうだ(12月27日日経)。不動産事業者にとっては壊滅的な状態だ。賃料の下落はコロナの影響だけではないだろう。かつて、中国という巨大成長市場の窓口でありながら自由主義であった香港。今や、権威主義に蹂躙された自由主義の残骸になってしまった。アジア地域の統括本部をどこに置くかについて香港とシンガポールで迷ったものだが、今や香港を選ぶ企業はないのだろう。  今後ますます香港人の海外への逃避が加速するのか、すでに逃避した結果が

            カナダがロシア資産没収、ウクライナの復興へ

             カナダがロシアの在カナダ資産を没収して、ウクライナ復興にあてる手続きに入るそうだ(12月20日日経)。こうしたことができればどんなにいいだろうとコラムに書いた記憶がある。しかし同時に法的なハードルはかなり高いのではないかとも書いた。事実、他国あるいは他国の法律専門家は同じ懸念を表明している。しかし、カナダは法律を作り、執行に必要な陣容整えて、G7では真先に執行に着手するようだ。カナダ政府の勇気を称えたいし、また成行を注目したい。 鳥飼総合法律事務所 弁護士 奈良正哉