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他人になっても世界で一番幸せになってほしい人の話
※約8000字あります※
これこそが運命の恋だと思ったあの人も、今ではすっかり思い出のアルバムの一ページに馴染んでいるし、あんなに大好きだったはずの声も匂いもいつのまにか思い出せなくなっている。案外そういうもんだ。
だけど、いつまでもアルバムの一ページに収めたくない人もいる。
思い返せば、あれは愛というよりは信仰だった。
この人を失ったら、もう生きている意味がないとさえ本気で思っていた。
サブカルクソ野郎がした、花束みたいな恋について。
「花束みたいな恋をした」の二人が履いている"ジャックパーセル"は、私にとっての"オニツカタイガー"だった。
「花束みたいな恋をした」は、坂本裕二脚本の、今をときめく麦役・菅田将暉と絹役・有村架純の恋愛映画だ。説明もいらないくらい流行したけれど、この映画には主人公二人だけが分かり合える固有名詞がたくさん出てくる。好きな映画監督、好きな作家、そしてお揃いのスニーカー。このスニーカーは、ジャックパーセ