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支援する・されるを超えて
再び、フォーラム福島(映画館)に足を運ぶ。今度は「ラジオ下神白」というドキュメンタリー映画である。
舞台は、いわき市にある県営下神白(しもかじろ)団地。ここは、福島第一原発事故により避難を強いられた富岡町、大熊町、双葉町、浪江町の町民が住む災害公営住宅である。原発事故により、別のまちで暮らすことになった、4つの町の住民たち。全国の災害復興住宅の例に漏れず、ここの入居者も高齢者が中心で、コミュニテ
理解と共感を切り離す
福島市に「フォーラム福島」という映画館がある。
新作映画も上映するシネコンではあるのだが、単館で扱うような映画もやってくれる良い映画館である。その映画館が3月から3.11関連の映画をほぼ週替わりで上映している。いろいろ理由をつけて、あまり行けなかったのだがようやく見に行くことが出来た。
見たのは「決断 運命を変えた3.11母子避難」という映画で題名のとおり、福島第一原発事故後の自主避難者にフォー
3月11日の更新作業
「メディアは節目が好きだからね」
職場の人が冷ややかに言う。3月を控えた、ある日のヒトコマである。
福島に住んで1年足らずの私からすれば、日常生活にかまけてしまい、どうしてもあの日の記憶が薄れてしまうので、記憶を想起させてくれる節目というのは、存外ありがたいものではあるのだが、この地にずっと居る側からすれば、うんざりする面も大きいのだろう。
確かに、こちらに来て9カ月ほど、いろいろと見聞きする
福島移住録 #6 足の確保
福島駅を使っていると、学生さんが多いなと感じる。
朝夕は制服姿の高校生や近隣の大学の大学生と思しき若人で利用者の7割程度を占めているのではないだろうか。そのくらい多い。もちろん、少子化・人口減少・過疎化の最前線に立つ福島の地である。若者が多い訳ではない。通勤に鉄道を利用する大人たちが少ないので、鉄道利用客に占める学生の割合が高く、駅で学生が多く見えるだけである。やはり、移動の中心は車なのだ。
現
福島移住録 #5 いざ引っ越し
家と荷物の搬入の算段は付いたので、手続き関係を済ませれば、残るは実際の引っ越し作業のみである。5月下旬の某日、3日間に渡って引っ越しを実施した。
<1日目>
タスクは、荷物の搬出である。
内訳は、ヤマトの単身パックによる搬出と家電量販店による冷蔵庫・洗濯機・テレビなど家電の引き取りである。この二つは、引っ越し業者に任せれば一緒に済むのだろうが、バラバラに依頼しているので、こうなってしまう。
福島移住録#4 家について
話が前後するが、流石に転居する家については家電の購入等より前に先に決めていた。
宿舎が使えるとのことだったので、生活費の観点からしても当初の想定から宿舎一択であったのだが、いくつか空きがあるらしく、実際に見させてもらって、どこがいいのか決めることが出来た。
5月の連休前後で、福島に行くことになった。
ちなみに、移住支援策の一つに物件探しなどで福島を訪ねる際の費用の助成もあった。
使おうかなと思
福島移住録#3 家電の寿命
我が家の大型家電は、主に冷蔵庫・洗濯機・テレビである。いずれも上京した際から使っているもので、10年近く使っている。既に洗濯機は変な音がし始め、テレビは残像が残るようになっている。今回の移住を機に買い替えるのも悪くないなと思い、最寄りの家電量販店に足を運んだ。(なお、足を運ぶ前に家電の大きさや型番などをメモしておくと、いろいろと楽だ)
相談をしてみると、今の家に家電を引き取りに来てもらい、転居先
福島移住録#2 引っ越し方法の検討
大量の本もあるので、普通に引っ越し業者に依頼すればよいかと思い、複数の業者に見積だけ出してもらったのだが10万弱くらいはする。このところ物流業界も大変なので、適正な価格にしてもらいたいとは思うものの、単身者の引っ越しでそこまで使うのも気が引ける。
いろいろ調べてみると、2つほど対策が出てきた。
一つ目は、移住支援策の利用である。
第二次安倍政権で始まった地方創生やコロナ以降のテレワークの普及な
福島移住録#1 本との格闘
東京では、世間様よりかは稼ぎの良い仕事をしていたのに加え、働き方改革もなんのそのという働き方をしていた(会社としてはいろいろ頑張ってはいたのだが・・・)ため、ぶっちゃけ手取りは良かった。
それに比べれば、福島でのお仕事はお給金が減る。これはもう分かりきっていたことだった。しかも、地方なので「車あらずんば人にあらず」である。東京暮らしでは必要のなかった車も保有する必要がある。
一応「物価は東京に比べ
福島移住録#0 不在着信
4月の中頃、昼休みにスマホを見ると、着信履歴が残っていた。心当たりのない携帯番号からである。
「最近、登録した転職エージェントからの電話かな」と思い、折り返してみると、転職エージェントではなく、数日前に面接を受けた会社のお偉いさんからの着信であった。
「固定電話回線からかけなさいよ」と喉元まで出かかったが、こらえつつ予想外の相手からの電話にあたふたしていたら、電話口から「採用ということで・・・」と