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福島移住録#4 家について

話が前後するが、流石に転居する家については家電の購入等より前に先に決めていた。
宿舎が使えるとのことだったので、生活費の観点からしても当初の想定から宿舎一択であったのだが、いくつか空きがあるらしく、実際に見させてもらって、どこがいいのか決めることが出来た。

5月の連休前後で、福島に行くことになった。
ちなみに、移住支援策の一つに物件探しなどで福島を訪ねる際の費用の助成もあった。

使おうかなと思ったものの、利用に当たっては訪問の10営業日前までの申請が必要(使いづらっ)とのことで、GWを挟んだこともあり時間的に間に合わず結局、利用はしなかったが、訪問までに時間に余裕がある方は一考の余地はあるかと思う。

5月某日、時刻は10時ごろ。東北新幹線「やまびこ」に乗り、福島駅にたどり着いた。会社の面接は、オンラインでやったので選考中に福島を訪れることはなかったが、学生時代に来たことがあったので、久々の福島である。車窓から安達太良山・吾妻連峰を眺め、いい場所だなあと改めて思う。

採用先の方が、わざわざ改札に迎えに来て、案内をしていただく。宿舎は駅から歩ける距離ではあるのだが、やや遠いので車に乗せてもらった。

ほどなくして宿舎に着く。話には聞いていたが、確かにお世辞にも綺麗とは言い難い。驚きはないが、やっぱりなというポジティブでない想定が当たったことで、気は引き締まる。とりあえず、部屋を見ようということで、空いている部屋を順に見ることにした。
もともと、宿舎はファミリー向けのものなのだが、やはり設備面が古いせいか空きがそこそこあるため、今では私のような単身者も使える運用にしているそうだ。
部屋の間取りは3LDK、きちんと広いので、夫婦と子どもの世帯も普通に使える。ただ、畳敷きの部屋があったり、前の入居者にもよるのだろうが、それ相応の劣化は見られる。極め付きは何と言ってもバランス釜だ。

この宿舎のお風呂は、蛇口をひねるだけではお湯は出てこない。もちろん、それでは使い物にならないので、水を給湯器のような装置に経由させる。その原理自体は、現代日本社会で使われている家庭用のお風呂すべてに共通するとは思うが、このお風呂が厄介なのはボタンをポチっと押しただけで出てくるような生易しいものではないということだ。

使い方としては、まずガスの元栓を開けて、レバーを操作して給湯器内で「口火」を着火させる。この口火が安定するまで数秒待ってから、レバーを「給湯・シャワー」に合わせて、蛇口をひねるとようやくお湯が出る。このお湯を温度調節レバーを用いて、適温に調整して、これでようやく浴槽にお湯を張ることが出来る。

このように結構手間なのだが、これ自体は慣れてしまえば、そこまで大きな問題ではない。むしろ、本当に厄介なのは、給湯器を経由することで水圧が弱いことだったり、構造上冬になると冷めやすくなったりすることなど、何かと勝手が悪いことだ。

とはいえ、このバランス釜はどの部屋にも共通している設備なので、これが嫌なら民間賃貸を使うしか手はない。福島駅周辺の1Kの相場は3万円~という感じで、東京のそれにくらべれば破格の値段なのだが、方やこちらの宿舎は2万円弱(それでいて3LDK)なので、もはや価格破壊である。

会社の方も「最初は宿舎で、嫌になったら民間賃貸に移るのも手だよ」と言っていたので、やはりひとまずは宿舎に入ることにした。ちなみに、部屋は比較的綺麗だったのと、前の入居者の方が照明やガス台を残しておいてくれた部屋にした。ありがたや、ありがたや。

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