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福島移住録#1 本との格闘

東京では、世間様よりかは稼ぎの良い仕事をしていたのに加え、働き方改革もなんのそのという働き方をしていた(会社としてはいろいろ頑張ってはいたのだが・・・)ため、ぶっちゃけ手取りは良かった。
それに比べれば、福島でのお仕事はお給金が減る。これはもう分かりきっていたことだった。しかも、地方なので「車あらずんば人にあらず」である。東京暮らしでは必要のなかった車も保有する必要がある。
一応「物価は東京に比べれば安いですよ」というお話も聞いたのだが、何もかもが右肩下がりのご時世、消費者物価指数はぐんぐん伸びている状況である。あまり楽観視し過ぎない方が良い。ようは入りは減るが、出はそこまで減らないという状況である。節約できる部分は、節約したいところである。

幸いにして、宿舎に空きがあるらしく、そこが使えそうだという。(ただ、ご担当の方曰く、古いので一度、下見はしてくださいとのことだ。)
ひとまず、これで毎月の固定費は圧縮できた。車の問題は、家が確定してから考えるとして、目下の問題である引っ越しについてである。

私は「外食するより、スーパーで総菜買った方が安い」という判断をし続けて、近所の飲食店情勢に疎いほどの貧乏性である。そのため、そこまで無駄遣いをする人間ではないのだが、唯一の例外がある。本である。物心ついた時から、本にだけは糸目をつけずに生きてきたので、一人暮らしには似つかわしくない本棚がある。
おそらく私の所有する本たちは自己増殖をするようで、勝手に本が増えていく。本が本棚に収まっていないのが我慢ならない人間なので、本棚を大きくするしかない。本棚を新調すれば、流石に余裕も生まれるのだが、気が付くとあったはずの余裕がすぐになくなっている。致し方ないのでBOOKOFFに売りに出すのだが、その足でまた本を買うというバカげた行動をし続けた結果、異様に本が多い。

この大量の本に頭を悩まされるのが、地震の時と引っ越しの時である。地震の方は最悪、本で圧死するだけなのでいいのだが、引っ越しの時は「なんとかする」必要に迫られるのでタチが悪い。手放していいと思う本は手放して、量を少なくしようと試みるのだが、焼け石に水である。

ひとまず、量を確認しないことにはと思い、段ボールを入手し、棚の本たちを段ボールに詰める。サイズ100くらいの段ボール6箱で、ようやく本たちは収まったが、このほかにも書類やら捨てられない物やらがあるので、やはり段ボールは15箱分くらいにはなりそうだ。

さて、どうしたもんかと頭を悩ます。

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