マガジンのカバー画像

諸国巡行録

28
あちこちを出歩いた時の記録です。旅先の検討材料、あるいは旅行記として。
運営しているクリエイター

記事一覧

水戸城から見る「城跡の使い方」

多少でも歴史に詳しい方なら、尾張・紀州・水戸の御三家はご存じだろう。 尾張徳川家の居城は…

埋木
1年前
5

廃城令が招いた高崎・前橋の対立(番外編 桐生明治館)

前回まで3回にわたって、群馬の県庁所在地が高崎ではなく前橋になった経緯を解説してきた。(…

埋木
1年前
2

廃城令が招いた高崎・前橋の対立(下)

なぜ群馬県の県庁所在地が高崎ではなく、前橋になった経緯については前回の記事で述べたとおり…

埋木
1年前
3

廃城令が招いた高崎・前橋の対立(中)

箕輪城から高崎城へ東京駅から新幹線に乗ると、あっという間に高崎に着く。新潟方面や長野・北…

埋木
1年前
2

廃城令が招いた高崎・前橋の対立(上)

高崎・前橋の対立関係同じ県内でライバル関係にある都市同士というのが全国にある。 長野県の…

埋木
1年前
5

彦根藩世田谷領の痕跡を訪ねて

雨の日曜日、世田谷をふらふらしてみた。 住宅街しかないと思われるかもしれないが、意外と世…

埋木
1年前
3

東三河の中心であり続けた豊橋公園

駅から延びる大通りの中央には2本の軌道が埋め込まれている。豊橋は路面電車のある街だ。 愛知県は3つの地域、すなわち名古屋を中心とする尾張、岡崎市や豊田市を有する西三河、そして東三河に分けられるが、豊橋はその中心地だ。人口も約37万人で県下5位を誇り、トヨタ車が多く輸出される三河港を有する。また、余談の域だがチョコレート菓子「ブラックサンダー」の工場も豊橋にある。 このように東三河の中心地として発展する豊橋だが、その始まりは戦国の世の終わり頃に遡る。豊橋発展の歴史に触れるた

菜の花を見ない房総半島横断鉄道の旅

千葉県のローカル線と言えば、銚子電鉄が有名だが、銚子電鉄に負けずとも劣らないローカル線が…

埋木
1年前
5

「栃木県庁」をめぐる旅(下)

2代目・3代目県庁舎栃木県庁は明治17年、都賀郡栃木(現在の栃木市)から河内郡宇都宮(同・…

埋木
2年前
2

「栃木県庁」をめぐる旅(中)

蔵の街・栃木小山駅からJR両毛線に乗り換え、ほどなくすると栃木駅に着く。栃木駅には、JR両毛…

埋木
2年前
6

「栃木県庁」をめぐる旅(上)

関東以外の方にとって「茨城県・栃木県・群馬県の県庁所在地を答えなさい」という問題は、それ…

埋木
2年前
2

現存最古の県庁舎を訪ねて(下)

旧久美浜県庁舎御玄関棟 降り立った久美浜駅は、旧久美浜県庁舎を模した建物で、切妻造の屋根…

埋木
2年前
3

現存最古の県庁舎を訪ねて(中)

久美浜県の設置 久美浜(京都府京丹後市、旧熊野郡久美浜町)は、日本海に面する小さな町だ。…

埋木
2年前
3

現存最古の県庁舎を訪ねて(上)

各地を旅行していると、まちなかに「すごく立派な建物だなー」と思う建物を見つけることがある。 例えば、愛媛県松山市を行った時のことだ。松山は市内を路面電車が走っていて、確かあの時は道後温泉行の電車に乗っていたときだった。車窓から、頭にドームをのっけたレトロな建物が見えてきた。壁面は白を基調とし、ドーム部分は淡い緑色だ。やわらかみのあるデザインで「わっ、きれいだなー」と思い調べてみると、その建物は愛媛県庁舎本館で、現在も中で執務が行われている。 この後も、各地を巡る中で、こうい