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【収集用】逆噴射相撲教習所マガジン

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逆噴射プラクティスのぶつかり稽古を集めます。テッポウ禁止。
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#相撲

「最後の魔法!恋の千秋楽」

「最後の魔法!恋の千秋楽」

『うっちゃり~~!! またも奇跡の逆転で14連勝!』

魔女から願いが叶うまわしを受け取った私は連戦連勝! ついに千秋楽で「あの人」の胸を借りることになったの。でも、このまわしは願いを叶える度に短くなる呪いが……。たいへん!土俵でまわしが外れちゃう!?

『明日の取り組みでは全勝同士で横綱との決戦を……』

でも、ここまで来たからには”誓い”にかけてあの人に全てをぶつけてやるんだから!

物語は先

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一人相撲 精霊の呪い

一人相撲 精霊の呪い

一人の力士が前に出る。これから一人相撲がはじまるようだ。
精霊と相撲をし、精霊に勝たせ、豊作や繁栄を約束させる、そういう儀式らしい。

「迫力あるね、あの人」

「元関取って書いてあったよ」

最初は興味がなかったものの、力士の迫力におされて、今では早くはじまらないかと期待している。
行司の長い語りが終わり、力士が構えた。

「のこった!のこった、のこった!」

押しつ押されつの一進一退の攻防、回

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力士達の黄昏《シコナロック》

力士達の黄昏《シコナロック》

 7度目の破壊の後、若き審判者の血大地を染めし時、神聖なる力士が土俵を裂き審判を下す。
ー土俵文書第8章2節よりー

 両国国技館…地下666メートル暗黒相撲闘技場。7度目の大破壊《オスモウインパクト》により死亡した観客は通算2万7千人に登り、生き延びた力士も僅かに12人となった。これは全盛期の1/30である。

 だがそれは問題ではない。暗黒相撲闘技場に生きる者にとっては相撲こそがただ唯一の真実

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心・技・体・直結ニューロンブースト

幕内力士稲妻は付き人二人の間で目を閉じ腰を下ろしていた。4勝6敗で迎える11日目、新入幕としては勝ち越しの可能性が残るだけ上出来だが、彼の若い精神は打ちのめされていた。

勝ち星はほぼ同期の力士からで、中堅以上には子ども相撲めいてあしらわれた。心技体全てが未熟。唯一武器と呼べる物は、付き人とのニューロン直結による未来予測だけだった。

「任せろ。今日の芝山ともやったことがある」

左手の兄弟子、幕

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アポカリキシ・クエイク

アポカリキシ・クエイク

「あれは、ただの地震ではない。『釈迦ヶ嶽雲右衛門』がロサンゼルスに現れたのだ」

谷松と名乗った老人は、そう、ぼくに告げた。

「………一応は知ってますけど、あれですか? あの大惨事が、その、江戸時代の力士によって?」
ぼくは彼の正気を疑った。そんなニュースは当然、どこにも見当たらない。

「そうだ。彼らは『見えない』。普通の人にはな。大地のエネルギーを感じ取れ……」
「帰って下さい! うちは仏教

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相撲マン

この街には伝統と発展があると皆言う。それは腐敗と搾取をどうにか言い換えたに過ぎない。ここは『ゴッツァンシティ』。経済都市とも古都とも呼ばれる。だが最も多く呼ばれるのは、犯罪都市。

日夜この街には犯罪者が溢れ、汚職がはびこり、善良なものは口を閉ざし諦念を隠さない。しかしほんの極一部は戦う。

「アハーヒーヒヒ!」

ビルの屋上で狂笑しているのは、無軌道力士、角界の放蕩貴公子こと『鬼札』。この街で最

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相撲無双~異世界の奴らはちゃんこ食べてないから弱い~

「ひっ、ひぃぃ!!!」

アルデンブルクの領主と名乗った男…マシェリだかマジェリだか言っていた男は、俺が四股を踏んだだけで失禁し五体投地した。

「おい、相撲するんだろ、早く立て、足の裏以外が着いたら負けだ。」

「…ぃぃひぃぃぃ!!!化物っっ!!」

マッシェーリ(たしかこんな名前だ)伯爵(男爵だったか?)は真っ青な顔をして這いつくばったまま土に書いた土俵の外まで行ってしまった。

明かりを出し

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超銀河相撲

私は冷凍睡眠から目覚めた。睡眠時間は567年。予想より、早い。私は柄にもなく焦っていた。この取組で対戦しているのは横綱・大三角。対する私はただの小結に過ぎない。それも運良く先場所に大関を轟沈せしめ、幕内10勝をどうにか達成したからだ。

だが年も若く経験も薄い自分には三役は過ぎた地位。いずれ陥落するだろうと思っている。それでも上位陣として横綱三役全てと戦う事に恐れより胸の高鳴りを覚えている。

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相撲ダービー

『角界の雄並び立ちました。仕切りです。』

俺は両国競士場に響く実況アナウンスを聞きながら、背に負った少年のことを思う。彼は322代目木村庄之助。

祖父は『最後の庄之助』と呼ばれる人物だ。絶対の自信を持った軍配を行司差し違えとされ、土俵上で切腹して果てた行司の中の行司。だがあまりに誇り高く凄惨な事件故に木村庄之助の名は取り潰しとなった。

彼は相撲協会、横綱審議委員会、日本競士連盟全てに祖父の誇

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無敵横綱相撲カイザーV

「庄之助くん!!」

オペレーターの荒見さんの声がコックピットに響く。僕は思わず竜巻司令に聞いた!

「決まり手は!?」

「バカモン!まだ終わっとらんわ!」

敵は恐ろしい再生能力とパワーを持つ強敵だ。一体どうすれば倒せるのか全くわからない!また、リヴァイア山がぶちかましてきた!

「うわぁぁ!助けて!ペナイン兄さん!」

コックピットの中は揺れ、僕の心はもう土俵際で粘る事を諦めようとしていた。

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横綱、最強の証明。

横綱、最強の証明。

横綱猫闘将は考える。

協会には何も話していない。
泣いて止めた親方と女将さんも振り切ってきた。
もちろん、事が露見すれば廃業間違いナシだろう。

――それでも、俺は横綱の強さを例え土俵の外であっても証明したかった。
舞台は満員の東京ドーム。申し分ナシだ。

先月引退したばかりの元大関、玉ノ肌が総合格闘技に挑戦した。
結果はイタリアン柔術の前に手も足も出ず敗北。
世間は口を揃えて

「倒されて関節

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十五力士漂流記

十五力士漂流記

 辺流濡(ヴェルヌ)部屋の力士が無人島に漂流した。どうしてこうなった、鰤餡(ブリアン)関は数日前を振り返る。

 屋形船で行われた呉尾丼(ゴードン)関の大関就任パーティ。何故か沈没。正しく定員15名の力士が集まったはず。

 しかし過去を振り返る余裕はない。力士の消費カロリーは常人のそれを大きく上回る。食糧も既に尽き、険悪な雰囲気が流れていた。

 直線距離数キロの探索に出たゴードン関ら3名

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相撲・クラッシュド

(前回のあらすじ:大海原の恩人である小田原親方に持ちかけられたのは、八百長であった。大海原は失意と諦念、そして自らの膝のケガから八百長を受け入れたが…)

「本気でやってもよォ。負けるぜ。なぁ。」

「何いってんですか大関。」

赤鯱は知っているだろう。相撲は二流だが情報は一流だ。俺みたいな馬鹿よりこういうやつに名跡をくれてやるべきだ。

「7で大関ですよ。」

「おべんちゃら言うな。俺が3だよ。

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俺と横綱の無限土俵 ~世界一短いタイムリープ~

俺と横綱の無限土俵 ~世界一短いタイムリープ~

初顔合わせは上手投げにて瞬殺。
十五戦にして叩き込みで初金星。

撒いた塩が煌めく。満員御礼の熱気が肌に伝わる。

現人神の存在感が世界を塗り潰す。

発揮揚揚!

やられた!思った時には既に廻しを引かれ、よろめくことすら出来ない。数秒の攻防、天地逆転。

これじゃダメだ。これじゃ――

幻の決まり手、襷反りに敗れたのは三十ニ番目。

撒いた塩が煌めく。満員御礼の熱気が肌に伝わる。

直前の対戦を

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