十五力士漂流記
辺流濡(ヴェルヌ)部屋の力士が無人島に漂流した。どうしてこうなった、鰤餡(ブリアン)関は数日前を振り返る。
屋形船で行われた呉尾丼(ゴードン)関の大関就任パーティ。何故か沈没。正しく定員15名の力士が集まったはず。
しかし過去を振り返る余裕はない。力士の消費カロリーは常人のそれを大きく上回る。食糧も既に尽き、険悪な雰囲気が流れていた。
直線距離数キロの探索に出たゴードン関ら3名は帰らない。既にカロリーが尽きたか?あるいは…
「もう一度探索隊を出すべきだ」
駑煮煌(ドニファン)関の提案は理に叶っていた。このまま帰りを待ってば全滅、それどころか。
「大変だ!」
幕下の模糊(モコ)の海が叫ぶ。案内する先には…
「おい…大関を倒す獣がいるのか?」
ドニファンは真っ青だった。目の前に獣に貪られたかのようなゴードンらの死体!
しかしブリアンは気付いていた。死体の噛跡が人間のそれだと!高蛋白の力士肉に手を出した力士がいる!
【続く】
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