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村の人々

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バルセロナ郊外の小さな村の家具修復工房に訪れる村人たち。おかしな人から最高に素敵なお客様、ベテラン同業者からアーティスト仲間まで いろんな人をご紹介
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#海外生活

「グッと地球便」に乗りました。ちょっと裏話編 

「グッと地球便」に乗りました。ちょっと裏話編 

思わぬ展開でテレビ番組に取り上げて頂きました。
いきさつと真面目な体験談はこちら↓

今日はちょっと裏話的な面白かった体験を綴っておきます。

カメラの回る時間

取材体験で一番ワクワクしたのは隠しマイク。
刑事ドラマの潜入捜査みたいでカッコいい。
上着の裏側に実はマイクを貼っつけてあってカメラが回っていると録音されていくのかな?
なんかそんな感じらしい。
ちっちゃいウエストポーチみたいのが付いて

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テレビ大阪「グッと地球便」に乗りました  真面目に解説編

テレビ大阪「グッと地球便」に乗りました 真面目に解説編

今日はちょっと番外編的な。
テレビに出ちゃったよっていうお話。

突然のお話

先週日曜日、関西地区で放送された「グッと地球便」に出演いたしました。

時間をさかのぼること、あれは夏前くらいだったかなあ。
番組スタッフの方からメールを頂き
海外在住の日本人候補としてお話したいと言われました。
電話でなんとなくどんな生活をしてるか、とか仕事の内容を話しましたが、なんかめちゃマニアックな木の話とかして

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警察のお買い物 スペイン警察についての小話もちょいと。

警察のお買い物 スペイン警察についての小話もちょいと。

最近、警察関係の話が続きます。
前回の盗難届とは打って変わって平穏な話なのでご心配なく。

いつものように工房で作業をしていると制服の警察官が2人入ってきた。
何も悪いことはしてないんだけどちょっとドキドキしてしまうのは
前回警察官が工房に来た時は、
オープン直後でまだガレージの駐車禁止マークがついたままで
もう車両出入りはないんだから駐車禁止マークを外しなさいと言われた時だったので。

ガレージ

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停電したシャッター

停電したシャッター

久しぶりに工房日記らしい話です。

クリスマス休暇が始まった初日。
工房へ行くと
仕事熱心な角の肉屋のおっちゃんが外でタバコ吸ってる。
手前のカフェもなんか変。
バイク屋のチャビィが
「電気ないよ」って

ええぇ!?

停電!?

工房の前まで行くと隣のカーテン屋のおじさんがトウセンボして
「通行料金いただきます」
とか、また古典芸能なギャグをかましてきた。
「停電してるの?」って聞くと
「停電、

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60個のボタンに込めた姉妹愛

60個のボタンに込めた姉妹愛

ウベコ工房が気に入ってるアイデアの中に、縮緬端切れで作ったくるみボタンがあります。

チェスター風に椅子を張ったりする時のボタンにしようと思いつき、デニム地にこの色華やかなくるみボタンを合わせてみたりしてます。

ちりめんくるみボタンでデニム張ったチェアのエピソードはこちら↓

その時に余った素材で小さな額を作り、サンプル感覚で店に飾ってあります。

ある日、それを見たお客様が飛び込んできて、

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ウクライナ語は分かりません

ウクライナ語は分かりません

夏場はドアを開けっぱなしにしているので
誰か来てもドアに付けてる鈴が鳴らず
顔を上げたらお客さんいてびっくり
なんてことがよくあります。

今日もまた、作業しててふと顔をあげたら、ぷくっとした可愛らしい顔のおばちゃんが嬉しそうに立っていました。

「わたしウクライナ人なの。ここはナントカナントカ(ウクライナ語らしい)ナントカなアンティークかしら?」

聞こえた言葉をキャッチして
「そうそう、アンテ

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ご近所さんシリーズ:バイク命のチャビ本さん

ご近所さんシリーズ:バイク命のチャビ本さん

後に工房となるこの場所を契約してまだファザードも付いてなかった頃。

ガラスのファザードのドタバタストーリーはこちら↓

ブブーンとバイクにまたがって現れたのはご近所でも一番キャラの濃いチャビィ。「Hola〜ここ使うの?何するの?」今思えば、超野次馬(笑)なのでチャビィが近所の新入りに声をかけるのは当然な話かも。

「そっか〜この場所、俺にも話があったんだよねぇ〜。買わないかって。でももう二店舗あ

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自分にしかできない仕事・魔女の宅急便に教えてもらった見つけ方 ウベコ工房自己紹介

自分にしかできない仕事・魔女の宅急便に教えてもらった見つけ方 ウベコ工房自己紹介

私は現在、スペイン・バルセロナの郊外の小さな町でアンティーク家具の修復工房を運営しています。
工房をオープンして一年が経ち、少しずつ町にも馴染み、お客さんも増えてきました。
スペインで暮らすようになって今年で19年。
40歳でやっと「これが私の仕事」と心から言える仕事を得ました。
これまでにも様々な仕事を日本やスペインで経験してきましたが
今感じている、「これ!」という感覚は一度も感じたことはあり

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来た来た!1900年代初期の家具 

来た来た!1900年代初期の家具 

家具の修復を依頼するというのは
誰でもパッと思いついてできることではなくて
まず、修復する価値のある家具を持ってないとできません。

修復する価値のある家具というのは
古くてそれ相当に価値のあるもの
または家族や友人からの思い出の家具、
合板ではなく無垢材など素材のいい家具などで
誰もがそんな家具を持っているわけではありません。

必然的にお客様は
それなりに教養のあるご家庭、芸術性の好みに秀でた

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神様の王様のドレッドの話

神様の王様のドレッドの話

工房にいるといろんな人が訪ねて来ます。

お客様はもちろん、お問い合わせ、地域のクリエイター系な人々などなど
ただそこにいるだけでいろんな人と知り合えるのは嬉しく楽しいことであります。
そして何せアジア人がやってる新規の変な店なので
何をしているのか好奇心に満ち満ちて、または野次馬スピリッツを忍ばせて(笑)覗きに来る人も少なくないです。

今回はこれらのどれにも当てはまらないと思う訪問者、グスマン

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ベテランシリーズ:パート2時計を直したい木工師曰く

前回のペラに続いてベテランシリーズ続きます。

うちの工房がある建物はマンションで、その一階がうちの店舗なんですが
このマンションが建つ前、この店舗の場所は大工さんだったんです。

その大工屋さんの親方が、娘の同級生のお母さんのおじいちゃん。
その親方のお父さん(ひいおじいちゃん)は大工より凝った仕事をするエバニスタという家具専門の大工さんだったそうです。家具の装飾的な彫り物やカブリオレレッグのよ

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