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フリーライターはビジネス書を読まない

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#パソコン通信

フリーライターはビジネス書を読まない(1)

フリーライターはビジネス書を読まない(1)

インターネットが普及する前、パソコンでテキストをやり取りできる通信サービスはパソコン通信だった。
「ホスト」と呼ばれるサービス運営業者のホストコンピューターに、電話回線でアクセスする。

アクセスしてしまえば、中身は、誰もが書き込める掲示板のほか、同じ趣味をもつ者どうしが集まるフォーラム、仲間うちだけでテキストをやり取りしたり、チャットもできた。

今のSNSの原型になったサービスは当時からだいた

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フリーライターはビジネス書を読まない(18)

フリーライターはビジネス書を読まない(18)

キミの著書を出さないか?銀行のカードセンターで電話越しに遭遇する「変な客」「おもしろい客」とのやり取りは、パソコン通信のライターグループにある掲示板に投稿していた。
毎週必ずといっていいほど、何かしらエピソードが発生するから、ネタには事欠かない。
守秘義務やプライバシーの保護に注意を払いつつ投稿したことは、いうまでもない。

そんな投稿をどれくらい続けたか、1年も経っていなかったと記憶しているけれ

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フリーライターはビジネス書を読まない(2)

フリーライターはビジネス書を読まない(2)

私がパソコン通信をはじめたのは、1988年だったと記憶している。今はデスクトップのパソコンが、本体だけなら数万円で手に入るようになっているが、当時は数十万円もする高価な買い物だった。

安月給のサラリーマンだった私には手が出ないシロモノなので、ワープロを使うことにした。
当時はまだ画像をアップしたりダウンロードしたりできず、文字だけの世界だったからワープロでも機能的には充分だった。

モデムに接続

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フリーライターはビジネス書を読まない(3)

フリーライターはビジネス書を読まない(3)

おー、3回つづいた(笑)
息切れしないよう、今後は週2回ていどマイペースに更新していきます。

―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ―― ――

パソコン通信の時代にも、オフ会があった。

私が参加しているライターのグループでもやっていたが、メンバーは東京の人たち。私は大阪で、しかもまだプロのライターではなかったから参加できなかった。

参加できなかったというのは私の気持ちで、仲間外れにされ

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フリーライターはビジネス書を読まない(4)

フリーライターはビジネス書を読まない(4)

図書館のビジネス書コーナーには、株式に関する入門書から専門書に至るまで、じつにさまざまな本が並んでいた。
こういうのも、じつは新たな発見だった。
原稿を書くというミッションを与えられなかったら、おそらく図書館とは無縁のまま生きていたに違いない。

仕事の合間を縫って、図書館通いが1週間続いた。さすが大阪市立中央図書館には蔵書が豊富で、類書に事欠くことはなかった。

問題は、私が書く原稿だ。
1項目

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フリーライターはビジネス書を読まない(6)

フリーライターはビジネス書を読まない(6)

誹謗中傷事件に思う、パソコン通信時代の「炎上」

もう少し、パソコン通信の話。
SNSでの個人攻撃、誹謗中傷が社会問題になっている。

パソコン通信の時代にも個人を誹謗したり、書き込みが炎上することはあった。
当時、投稿をアップする場を掲示板と呼んでいたから、掲示板の書き込みが炎上することを「板が荒れる」といい、わざと荒らすための投稿を繰り返すユーザーを「荒らし」といった。

荒れる原因はさまざま

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フリーライターはビジネス書を読まない(7)

フリーライターはビジネス書を読まない(7)

サラリーマンを辞める

敢えて社名は伏せる。
日本資本最大手の警備会社といえば「あぁ、あそこか」と察しが付く人は多いはず。

1990年の初冬、勤務先のホテル警備隊で夜勤を終えた私は、隊長が出勤してくるのを待って、
「ちょっと、ご相談が」と声をかけた。
普段と違う様子に察するものがあったのか、隊長は場所を変えようといった。

そこは地下1階にあるホテル従業員専用のカフェで、我々のような協力企業とし

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フリーライターはビジネス書を読まない(12)

フリーライターはビジネス書を読まない(12)

はじめてのインタビュー
何をどう準備したらいいのやら

原稿を書いてお金をもらうようになり、職業を尋ねられたとき「ライターです」といえるようになった。まだ食えるようになってないけど。
そして今度は、インタビューをやることになった。

「証券アナリストが初心者向けの株式投資をやさしく解説する内容です」
東京にある編プロの社長から聞いたのは、若手の証券アナリストがいて、儲けさせてもらった取り巻きの人た

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フリーライターはビジネス書を読まない(13)

フリーライターはビジネス書を読まない(13)

場違いでダサい録音機材

ネットで知り合って、リアルに会うこともなく、それでいて文字だけのやり取りでそこそこ親しくなった人との初対面は、不思議な感覚だ。
初めて会うのに、お互いの近況をよく知っている。この感覚は、パソコン通信からインターネットに変わった今も変わらない。

「銀の鈴」で合流して、一応、型通りの挨拶をして名刺を交換した。
「じゃ、行きましょうか」と促され、地下鉄をどう乗り継いだのかさっ

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