フリーライターはビジネス書を読まない(3)
おー、3回つづいた(笑)
息切れしないよう、今後は週2回ていどマイペースに更新していきます。
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パソコン通信の時代にも、オフ会があった。
私が参加しているライターのグループでもやっていたが、メンバーは東京の人たち。私は大阪で、しかもまだプロのライターではなかったから参加できなかった。
参加できなかったというのは私の気持ちで、仲間外れにされているわけではなかった。下世話な言い方をしてしまえば、東京で行われる飲み会に、交通費をかけて参加するメリットがなかったのだ。
でもグループを主宰する編プロの社長は、律義に毎回誘ってくださった。
JIS配列のキーボードにも慣れてきて、グループへの投稿も少しずつするようになった。
物書きの道へ進みたいけれど、業界とは無縁の世界にいるサラリーマンなので、入り口が見つからないという話を投稿したときだった。
編プロの社長からメールをもらった。
いま進めている書籍があるんだけど、全部で60項目あります。5項目ほど書いてみますか?
え? プロの仕事を手伝わせてもらえるの?
こんな、ありがたい話はない。
業界のことを何も知らない私は、何も考えずに「やらせてください」と返信した。
「ビジネス書」というジャンルがあることを、初めて知ったのもこのときだ。
「じゃぁ、この項目について書いてください。納期は、ひとまず1週間にしましょう」
そういって構成案から抜き出したリストと、「書き方の参考に」と本が1冊、郵便で送られてきた。
私のミッションは「株式とは何か?」「取引の仕組み」などを、1項目あたり1200字でまとめるというもの。
今思い返すと、これはトライアルだったのだ。そんなことにも気づかないほど、業界から遠い世界にいたわけだ。
「図書館へ行けば、いろんな資料や参考になる本がありますから」
編プロの社長にいわれた通り、その日からさっそく図書館通いが始まった。
インターネットのない時代、調べ物といえば図書館へ行くのが常識だった。
つづく
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