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#被災地
フリーライターはビジネス書を読まない(33)
俺がジャーナリスト!?航空チケットを予約して乗る便が決まったら、次に版元の編集者に電話をかけた。
ことの次第を説明し、1週間後に締め切りの原稿を3日後に送ること、福岡に1泊するからその間は連絡が取れないことを伝えた。今みたいに携帯電話が普及しておらず、手軽にメールを送受信できるインフラも整っていなかった。
原稿の直しも、大阪へ戻ってからということで了解してもらった。
福岡へ出発する前日、4ページ
フリーライターはビジネス書を読まない(32)
半壊したアパートから追い出された神戸と芦屋で3日間の取材を終えて、これから1週間で原稿をまとめないといけない。書いておきたいことと書くべきことが多くて、版元からオーダーされた文字数をオーバーしそうだった。どの話を削っても、現実を伝えられないような気がする。
取材をしていく過程で聞いた話には、ひどいものもあった。
住んでいたアパートが半壊したので、避難所へ身を寄せていた男性がいた。すぐに大家さんが
フリーライターはビジネス書を読まない(31)
傲慢になるボランティアと我がままになる被災者焼野原になった街を撮り続けていたら、いつしか陽が傾いていた。この日の取材予定は終えていたから、あとは帰るだけ。来るときは鷹取から歩いてきたから、帰りは兵庫駅まで歩くことにした。
さほど遠い距離ではないはずなのに、このときの新長田~兵庫は、なぜかとてつもなく長く感じた。あたりに見えるのは、焼け焦げた家やビルばかり。歩いても歩いても、いっこうにたどり着けな