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プロジェクトマネジメントの諸々


はじめに

IGDA日本で「プロジェクトマネージャー・ラウンドテーブル」を開催することになったので、参加される方向け参考情報をまとめました。
ラウンドテーブルとは、オーガナイザが投げかけるテーマを切っ掛けに意見交換を行いながら議論するもので、講演者の話を聞くだけのセミナーとは異なるものです。
今回は、運営型ゲーム(アプリ・ソーシャルゲーム)の新規開発や運営に携わる、プロジェクトマネージャーやプロダクトオーナーを対象に開催します。

一時期、炎上プロジェクトの火消しに頻繁に呼ばれ、1年間で10タイトル位のリリースに携わりました。その経験をIGDA日本が編集に関わった、オライリー社刊「ゲームクリエイターが知るべき97のこと 2」に「開発を確実に炎上させる3つのこと」という題目で書きましたので御参照ください。
(この書籍の著作権はCreative Commons licenseなので、合法的にWebに無料公開している人がいるので検索してどうぞ)

運営型ゲームにおけるプロジェクトマネジメントといっても、明確な答えや参考になる良書があるわけではない(からこそラウンドテーブルをする)ので、ここでは、参考になりそうな情報へのポインターをあげます。
(ちなみに、いつか本にまとめてみたいという気持ちはあります)

そもそもプロジェクトマネジメントって?

言葉の定義としては「プロジェクトを成功裏に完了させることを目指して行われる活動」のことです。と言うと、ちょっとカタイので、ライトな感じで以下の記事にまとめています。

ソフトウェア開発におけるプロジェクトマネジメントの標準手法としてPMBOK (Project Management Body of Knowledge)があります。
2021年9月時点で日本語訳が出ている第6版は、どちらか言うと初期に大部分の仕様や方向性が決まる、業務系ソフトウェア向きの内容ですが、参考になる点ばかりなので、すぐ必要なら一読するのがオススメです。

ただし、2021年8月にアジャイル開発手法も取り入れた第7版がリリースされ、日本語版も11月には出るそうです。
なので、それが出るまでの間にアジャイル手法も急いで吸収するなら、「リーン・スタートアップ」も合わせて読むのがオススメです。

失敗学

プロジェクトマネジメントにおける個人的な信条は、佐々淳行氏の「悲観的に準備し、楽観的に対処せよ」と合致していて、ベストケースは当たり前として、むしろワーストケースを精査することです。

とはいえ、闇雲にやってもワーストケースを検討しようがないので、対象分野を限定せず、ある程度性質が似ていそうな事例を参照して、自分のプロジェクトであればどうなるかと想定します。
事例に基づいて改善を目指すアプローチには、失敗学が有用です。

事例研究の資料として、古典としては「人月の神話」、最近のであれば「みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史 史上最大のITプロジェクト『3度目の正直』」が読み応えあります。

チームマネジメント

ここまでは主に工学的手法で改善し得る部分でしたが、チームでプロジェクトを進めていくには、コミュニケーション・コラボレーションを如何に円滑に進めていくかが重要になります。

最近だと「心理的安全性」という概念で包括的に捉えることが多いので、この言葉の定義と事例をおさえておくのはオススメです。

上記を踏まえた上で、「ピープルウエア」と「人を動かす」も吸収しておくのがオススメです。

まとめ

というわけでラウンドテーブルの参加申込みお待ちしています

追記

ラウンドテーブルの中で出たものを追記

(1)雑談促進に「Gather.town」

(2)PMBOK第7版の紹介

(3)プロマネはどこまで何を知っているべきか「カッツ理論」

(4)身につまされるPMのお話「もちねこはITクリエイター」

こちらに転載しました↓

→ 書いてたならなんとなく欲しくなったモノたち

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