質問052:テニスゼロ上達術を始めたときはできると考えながらも半信半疑だった
回答
▶「スプリットステップ」と「シンクロ打法」
スプリットステップには、『究極のテニス上達法』と同様に、リズムに乗って打球タイミングを測る効果があります。
同じようなテクニックとして野球で使われる「シンクロ打法」を、ご存知でしょうか?
バッターが、相手ピッチャーのモーションに合わせてステップを踏むというものです。
ステップを踏まないでいるよりも、断然タイミングを測りやすくなるのです。
頭で考えてリズムを取るというよりも、体のノリでリズムに乗るイメージ。
「相手ピッチャーがこのモーションに入ったら、ここでステップを踏めば、ちょうどこれくらいのタイミングでヒッティングに間に合う!」という身体感覚です。
この身体感覚、もちろん相手ピッチャーが投げてくる球速や球種によるパラメータはありますけれども、その変化にも、ステップを目安として上手に体が合わせてくれる働きです。
ですから頭では、どうしてタイミングが合うのか、分かりません。
自転車にどうして乗れるのか、頭では分からないようなものです。
ですが体は、ちゃんと乗ってくれますよね。
▶自転車に乗るがごとく、体が自然にやっている
ですからスプリップステップは、一般的に説明されるような「動き出しを早くする」という効果よりは、タイミングを測る目的に応じてあたかも自転車に乗るがごとく体が自然にやっている、というのが実情です。
もちろん慣れるまでは仰せのとおり、「雑念」になりかねません。
自転車に乗れるようになるまでは、「いろいろ考えてしまう」のに似ています。
ちなみにスプリットステップは、一般的に認知されているような動き出しを加速する「アクセル」ではなくて、「早く・速く動きすぎる問題」を食い止めるための「ブレーキ」の役割を担います(参考記事:スプリットステップは「ブレーキ」)。
▶悪用厳禁。例えば「ナンパ」
次に「場数」についてご説明します。
これから述べるのは本当に「怖ろしい効果」をもはらんでいる学習法なので、悪用厳禁です。
褒められた話ではないかもしれませんけれども、出会いの形やタイミングも人それぞれの多様性。
例えば「ナンパ」です。
初めて声をかけるときには、いろいろ考えて、すごく緊張するでしょう。
「無視されるんじゃないか」
「逆ギレされるんじゃないか」
「通報されるんじゃないか」
それこそ、雑念だらけです(笑)。
こうなると、かけられる声も、かけられなくなります。
▶場数を踏むと、「自己肯定感」もアップする
仕事の営業と同じで、クライアントに断られるのが怖くなると、声をかけられないのに似ています。
だけど相手にしてもらえなくても場数さえ踏むと、そのうち、全然緊張しなくなる。
あれこれ考えるよりも前に(つまり雑念なしに)、まず挨拶しちゃったりして。
それどころか場数を踏めば踏むほど、相手にしてもらえる縁も出てきて、マッチする成功確率がアップすらしてしまうほどです。
また場数を踏むほど、断られて傷つく「プライド」も効果的に薄まりますので、その反比例の相関にある「自己肯定感」は高まる効果も期待できます。
「自分は大丈夫!」と、思えるようになってくるのです。
▶世の中の成功を収めたプレーヤーは、必ず逆の「法則」にのっとった!
話を戻しますとスプリットステップもたくさん踏んで慣れてしまいさえすれば、上手くいくアベレージもアップします。
親が荷台から手を離しても、いつのまにか乗れている自転車のごとく、体が勝手に反応してくれるからです。
場数ありき。
ところが多くの場合、つい「逆」をやってしまいがちです。
テニス初心者は、「テニスが上手くなってから、試合に出よう」と思うかもしれません。
しかし世の中の成功を収めたプレーヤーは、必ず逆の「法則」にのっとった行動を取ってきました。
法則なだけに、絶対的なものだと断言できます。
試合に出る場数を踏むから、テニスが上手くなるという「法則」。
ビヨン・ボルクも、クリス・エバートも、ステファン・エドバーグも、アンドレ・アガシも、ピート・サンプラスも、シュテフィ・グラフも、ロジャー・フェデラーも、ヤニック・シナーも、みんなこの法則に従いました。
試合の場数を踏んだからこそ、テニスが上手くなったのです。
▶インプットする前に、アウトプット
ところがどうしても逆をやりがちなそのわけは、日本の学校教育が先に、インプットばかりを教えてきたから。
当たり前すぎて見過ごしがちかもしれませんけれども、場数を踏むアウトプットの繰り返しにより「慣れる」学習能力を、人は非常に高い水準で持ち合わせています。
この慣れるというスピードが、良くも悪くも、驚くほど速いのです。
「身口意」は、1回行うだけでもパターン化が始まるのです。
つまりそれは、場数さえ踏めば、驚くほど速く上達することを意味します。
そしてこの「繰り返し」による慣れこそ、世界最高レベルの学習法。
もちろん、具体的に目標とする大会へ向けた体力・気力・調子を最大化するピーキングを踏まえる競技レベルの選手であれば、必ずしも出れば出るほどいいわけではありませんけれども、これから強くなろうとするプレーヤーがテニスで圧倒的に上手くなるには、まず場数を踏むアウトプットの経験が、法則として必要なのです。
▶場数を踏むことの「怖ろしい効果」
さてこの上達メモの最後となりますが、「良くも悪くも」と但し書きしました。
つまり悪いことさえ、場数を踏んで慣れてしまいさえすれば平気でできてしまうから、ここで取り上げている学習法は、「怖ろしい効果」とさえ言えてしまうのです。
たとえば「嘘」を常用すれば、本当に上手く嘘をつけるようになります。
場数を踏んで経験を積めば、目がキョロキョロとおどるためらいもなく、えええっっっと……などと声が上ずるごまかしもなく、平気で嘘をつけるようになる。
慣れてくると嘘をついている自覚すら、本人にはなくなります。
だけとそのうち、脳は事実と嘘との整合性が取れなくなり、日常レベルでは、たとえば「鍵をかけたか・かけていないか」「火を消したか・消していないか」の判断にも支障をきたす大混乱を招きかねないから、人生を棒に振るのです。
▶ライバルを蹴落とせる「常識的なテニス指導」
そして場数を踏む悪影響は、「常識的なテニス指導」では非常によく見受けられます。
常識ですから、昔で言えば「星々が天空を移動している」と信じて、それが間違いだとは疑う余地もないというわけです(参考記事:「疑う」どころか「信じてしまう」)
つまり、「フォームを意識する場数」「打ち方を注意する場数」を踏めば踏むほど、「ボールに集中できなくなる場数」を踏んでいるから怖ろしいのです。
これを逆手に用いれば(たとえばフォーム解説が載っているテニス実用書をライバルの目に入る場所に置いておくなどすると)、ライバルを蹴落とすことさえできてしまうのです。
なので、悪用厳禁なのでした。
即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
https://note.com/tenniszero
無料メール相談、お問合せ、ご意見、お悩み等は
こちらまで
tenniszero.note@gmail.com