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教会の問題

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キリスト教会はとても居心地のよいところです。でも、満点を期待してはいけないでしょう。たくさんの問題を抱えています。とくに内側にいると見えないものを、なんとか見ようとするひねた者が…
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2021年4月の記事一覧

ゴールデンウィークが始まる

ゴールデンウィークが始まる

福岡も、新型コロナウイルスの新規感染者が、4月28日、過去最高の人数となった。亡くなる方もいる。いくらかはそれが抑えられているのは、医療現場の方々の、命と心を削るような尽力の故なのだろうと思っている。祈ることしかできないが、片時も忘れないでいるつもりだ。
 
なにせわが家にもその一人がいる。ワクチン接種が始まり、実際にワクチンも手にしている。重症化する懸念のある高齢者からそれは始まるが、実のところ

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当事者意識と聖書

当事者意識と聖書

言葉や命題の形で出されたものが、普遍的に真実であることはない、というのが私の考えである。もちろん、この言明自身にもそれは適用されなければならないし、そうなるとまた、パラドックスが生じるので、なんとも罪なことを言っていることになるが、それほどにまた、言葉にして表すというのは不条理極まりないことだということなる。
 
「被害者にも非がある」という文は、当の被害者が自戒をこめて口にすることはそれなりの意

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医療従事者のための祈り

医療従事者のための祈り

殆ど私の記事は読まれていない、という前提で書く。もちろん、確実にお読みくださっている幾人かの方々のことは存じ上げている。しかし、目に止まらないか、目に止まっても読むことのないほどお忙しいか、それともうざい文章になど興味がないのか、そもそもブロックをかけているのか、理由はひとそれぞれだろうが、読まれていないのをいいことに、ひとつ悪口でも書いてみようかと思った、としておくことにする。もしも目に留まり読

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『ボクはこんなふうにして恵みを知った』(河村従彦・いのちのことば社)

『ボクはこんなふうにして恵みを知った』(河村従彦・いのちのことば社)

コロナ禍の2020年秋、感染拡大が穏やかになったころ、久しぶりに映画館に出向いた。妻が観たいと言った「星の子」である。芦田愛菜が久しぶりに実写映画に出演したという話題性もあったが、そのテーマが大変気になった。
 
それは、赤ん坊だったちひろの病気が治った、いのちの水に関する新興宗教にのめりこんだ親のもとで、中学三年生となったちひろが、その宗教信仰に引っかかりをもつという物語である。しかしいわばそれ

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『人口減少時代の宗教の危機と対応』(勝本正實/いのちのことば社)

『人口減少時代の宗教の危機と対応』(勝本正實/いのちのことば社)

教会関係者の誰もが心に懐きながら、口に出すことをためらうことを、言ってくれたものだと感心する。私もどちらかというと、この側面を正面から論じるべきだと考えている。そう、教会の未来は暗い。閉塞感という言葉で打ち出した本もあったが、それどころの話ではない。閉塞ならばまだ存続する。だが消滅するとなると、話が大きく変わってくる。

ユニークな著者である。キリスト教の牧師相当の方であるが、仏教を深く学んでいる

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ひとを悪く思ってはいけないのか

ひとを悪く思ってはいけないのか

論理正しくあればよいのだ。そういう感じで押し切ってくる人がいる。職場の上司であると、これはもう逆らえない。こうだからこうするはず。何故できないのか。何故そんなことを言ったり訊いたりするのか。
 
しかし、そこで繰り出される論理は、しばしば別の場面とは食い違うことがある。ある時にはAだから、と理由を付け、ある時にはAではないから、と理由を付ける。要するにその時々に、自分が言うことが正しいのであって、

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