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2018年7月の記事一覧
AIスピーカーは電気羊の夢を見るか?
(広い意味で)言葉とか文章に対して尽きることない興味を持ち、それに関わる仕事をしている身としては、なんとなく釈然としない思いを抱きつつも、常にどこかで気にしてしまう存在。
AIデバイスのことである。
「今ある仕事の◯割がAIに取って代わられる」や「AIを利用した新しいサービスを開始します」など、AIに関するニュースを聞かない日はないくらいだ。私の仕事の領域においても、さながらAI祭りである。
青は藍より出でて藍よりも青し
最近、街中で箱型のタクシーを見る機会が増えてきた。
トヨタが製造している「ジャパンタクシー」だ。
見慣れない頃はびっくりしたが、今となってはもはやおなじみの車両となっている。
実際に乗り込んだことはないのだが、色がとても良い。調べてみたら、「深藍」というのだそう。
そして驚くべきことに、トヨタのディーラーに行けば個人でも買えるらしい。これで街中を走っていたら、タクシーと間違われて呼び止められてし
「季刊iichiko」のこと
先日、うだうだと「新聞」というものについて書きつけた。
「新聞を取り続けたい私」と「新聞を読まない私」の間で揺れ動く心を綴ったものだったが、今日久方ぶりに新聞を開いて、「あぁ、やっぱり購読はやめられないな」と思うものに出会った。
朝、出掛けに気が向いて、カバンの中に家から持ってきた日経新聞を忍ばせていた。以前は欠かさず持ってきていたのだが、気づけばいつの間にか新聞受けから取り出して、下駄箱の上
「音」と「意味」が上手く結びつかない言葉がある
京王線の新宿駅では、電車が着くとまず降車専用ホーム側のドアが開き、客が降りきったところで乗車専用ホーム側のドアが開くようになっている。さらに、乗車専用ホームには当然ながらホームドアが設置されていて、それが車両のドアと同時に開く。
このホームドアを開けるタイミングはホームに立つ駅員さんがアナウンスするのだが、その内容は「FDどうぞ」なのである。
さて、この「FDどうぞ」について私は、恥ずかしなが
『君の名前で僕を呼んで』―哀しい美しさを湛えた余韻を味わう
一人前に映画を語れるほど映画を観てきたわけではないが、良い作品を観るとつい感想を書きたくなってしまう。
4月から上映が始まっていた『君の名前で僕を呼んで』(原題:"CALL ME BY YOUR NAME")を、ようやく観ることができた。
良い映画の条件とはなんだろうか。
当然人それぞれなのだが、私は「観終わった後の余韻」を重視したい人間だ。その点、この映画の余韻は素晴らしかった。最後のシーン