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考える

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あれかこれか、あれとこれの間のことか

あれかこれか、あれとこれの間のことか

あるかないか、わかるかわからないか、男か女か、見えるか見えないか、凡か非凡か、ポスト資本主義か資本主義か、犬か猫か、敵か味方か、都会か地方か......。

どちらを取るかの二極論だけで話をしていても何も解決しない。だいたいのことの解は、二極の狭間にあるものの模索でしかないのだろうから。

こわいのは、その二極の狭間にあるものをないことに、狭間にいる人の存在をいないことにしてしまう発想。

わかり

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記憶があれば

記憶があれば

どんなふうに死にたいか考える。
何回か考えたことあるけど、今日はこんな感じ。

「死ぬとき、誰と一緒にいたいか」
そんな問いを目にした。

私は誰と一緒にいたいだろう。
春の日が差し込む縁側で、あの人とお稲荷さんを食べつつ笑って、そのまま息絶える。とか。
いつものバーでおいしいワインを飲みながら、みんながわちゃわちゃしてるのを見ながら息絶える。とか。
なつかしいあの人と食堂のテーブルで議論しながら

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嫉妬のマネジメント

嫉妬のマネジメント

40代に入り、これから必要なスキルの一つが嫉妬のマネジメントだと直感しています。日本社会に生きている場合は特にですが、他者の嫉妬から免れることはできませんし、また自分自身の嫉妬の感情をうまく扱えなければ身を滅ぼします。

振り返れば私の人生で初めて強く嫉妬を覚えたのは高校生の時でした。自分より優れた才能を持った後輩が同じ学校の陸上部に入ってきて、追い抜かされました。この時のなんともいえない感情は今

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発熱

発熱

 昨夜、「モリハウスの価値とは」という質問を投げられ、ドツボにはまった。
 3週間前、いつものバーでシェアハウスであるモリハウスのクラファンについてがん詰めされた。ふたりがかりで3時間、ひとりで2時間ほど。
 うち半分くらいは私の立ち位置についてのお叱りだった。クラファンの内側の人である覚悟が足りなくて、「私はそう思わないけど、みんながそうしたいから」という言葉を発し、「それは言っちゃいけない」と

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質問力は一生モノの武器。正しく問い、自分を磨く

質問力は一生モノの武器。正しく問い、自分を磨く

ライター・Web編集者としてフリーランスになって3年目になる。企業での編集者歴を入れたら、コンテンツ制作に関わる仕事を始めてからは6年だ。

が、しかし、いつまで経っても取材に自信がもてない。人の話を聞くのが好きだったはずなのに、「記事のために質問する」という一騎打ちのような時間がいつまで経っても苦手だ。

だけどわたしはこの仕事を一生続けたいのでいつか克服しなければいけない。毎回手を変え品を変え

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どんなに「お客さん」を呼び込んでも、「つくり手」が増えなければまちは消滅する。

どんなに「お客さん」を呼び込んでも、「つくり手」が増えなければまちは消滅する。

いろんなまちが必死になって、まちのPRをし、移住を促したり、観光に来てもらったり、関係人口としての関わりを模索したり、とにかく人を呼び込もうとしています。

人口が増えるのも、観光客が増えるのも、関係人口が拡大するのも、確かに良いことです。

しかし、まちの「お客さん」をいくら増やしても、サービスや製品を供給する「つくり手」側を増やさない限り、あっという間に消費されて、まちは消滅していくことを理解

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「すべてが終わった時、本当に僕たちは以前とまったく同じ世界を再現したいのだろうか」『コロナの時代の僕ら』著者あとがき

「すべてが終わった時、本当に僕たちは以前とまったく同じ世界を再現したいのだろうか」『コロナの時代の僕ら』著者あとがき

コロナウイルス(COVID-19)の急激な感染拡大により、EU最速で非常事態を宣言、3月10日からは全土にて外出制限を行っているイタリア。だが感染の爆発は想像を超えるスピードだった……。

イタリアを代表する小説家であり、物理学博士でもあるパオロ・ジョルダーノは、母国の混乱のさなかで何を考えたのか。世界26カ国で緊急刊行される彼のエッセイ『コロナの時代の僕ら』で綴られる切実で誠実な思索は、気づけば

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