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フランク・ロイド・ライトの愛した朱色|自動車・エマソン・理想都市
1867年の今日、6月8日は建築家フランク・ロイド・ライト(1867-1959)の誕生日です。ライトはル・コルビュジエ(1887-1965)とおなじく自ら自動車を設計してしまうほど乗り物大好きだったことで知られます(図1)。漂うチキチキマシン感。
図1 愛妻オルギヴァンナと愛車にて(文献2)
ライトを被写体とした数多の写真には、自動車に乗った姿やトラクターの運転風景などがたくさんあります。ライ
食寝分離論というプロジェクト【1】ばばばあちゃんの就寝行為
建築計画学の教科書に必ず登場する用語に「食寝分離」があります。「食うところと寝るところを分けましょう」という意味合いのこの言葉。戦後日本の住宅計画を決定づける考え方へと発展していきました。
提唱者である西山夘三(1911-1994)は、後に、この「食寝分離」の考え方が「現状の分析からそこに隠されている法則性を発見し、これを創造的に適用しようとするリアリズムの展開」だったと回顧しています。
一方
軍隊経験と建築家|菊竹清訓と清家清、それぞれの戦後民主社会な「格納庫」
新建築主催「12坪木造国民住宅」コンペで佳作に選ばれた菊竹清訓案(新建築1948.4)と、清家清の建築家デビュー作となる「うさぎ幼稚園」(竣工1949、新建築1950.4)(図1)。特徴的なシェル形の建築は、ともにそれぞれの戦時中の軍隊経験に由来しています。
図1 ふたつのシェル型屋根建築
敗戦を境にして、民主的変革を遂げたといわれる日本社会。でも、そんな社会の建設を担った若き建築家たちは、や
モクチンメソッド|危機を好機に転換する現代版「計画的小集団開発」
木賃アパート。ハウジングの戦後史を辿るとき必ず出てくるこの言葉。たしかに老朽化して空室も目立った状態であちこちに見かけるよなぁ~。これは社会問題にもなっていくよな~。などなど他人事に思っていたのですが、ある本を読んで「あ、そうか!いま自分が住んでるアパートも木賃アパートだ!」って、にわかに自分事になってオドロキました。
そんなキッカケとなった「ある本」とは、『モクチンメソッド:都市を変える木賃ア