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旅のゴハン

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国内外問わずな旅ゴハンを100文字で作ってみる。
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2021年5月の記事一覧

蟹が無ければ海老を食べればいいじゃない 韓国・カンジャンセウ

蟹が無ければ海老を食べればいいじゃない 韓国・カンジャンセウ

韓国風海老の醤油漬け カンジャンセウ"Korean-style shrimp pickled in soy sauce"いつもの友人との韓国旅行。

行く度にカンジャンケジャンと呼ばれる渡り蟹の醤油漬けを求めて私達は彷徨う。

正しくは、友人(だけ)が旅行前にネットで放浪し案内してくれる。
彼女の熱意にはいつも感服だ。

初めて食べたのは、かなり昔、明洞にあった少しお高い店でだった。

お皿にちょ

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私の偏愛を捧げる 京都・ちりめん山椒

私の偏愛を捧げる 京都・ちりめん山椒

ちりめん山椒"Small Dried Sardine with Sansho Pepper"私には偏愛癖がある。

そうは言っても拘りがある訳でも無い。
好きな食べ物なら一週間くらいは朝昼晩と食べていられるし、小説、漫画、映画なんかは新しいのも見るけど、子供の頃から同じものを繰り返し繰り返し見る程度だ。
ストーリーなんて覚えちゃってるのに、泣くべきところで泣いて笑うべきところで笑う。

(個人的)

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お洒落を気取って暑気払い エズ・タブレ ヴェール

お洒落を気取って暑気払い エズ・タブレ ヴェール

緑のタブレ"Taboulé vert"フランス、特にパリの定番お惣菜。
元々はレバノン料理らしいんだけど、パリではとにかくよく見たし、よく食べた。

ニースから鷲ノ巣村と呼ばれるエズに足を伸ばした際に、バスを逃してしまいバス停近くのカフェみたいな所で食べたのは、よく食べていたトマト、胡瓜、パセリが入ったのとは違い、緑色に染まっていたサラダだった。

ハーブがペーストの様に細かく刻まれ、スパイスとレ

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上海旅の〆に味の濃いしっとり炒飯はいかが?

上海旅の〆に味の濃いしっとり炒飯はいかが?

炒飯"Fried Rice"安く行こう!と決めていたので上海蟹なんて食べ無かったけど、安くても弾丸でも女の友人と一緒だったので、いろいろなものをたくさん食べた旅だった。

〆に外灘で夜景を見ようと南京路で少し買い物をしたりしてから、いざ行かん!と向かったのだが、週末だったせいか、20分もあれば着きそうな一本道を1時間以上かけて到達。

交通誘導が入っていたので流れ作業の様に夜景を見て、また南京路に

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どこで行き違ってしまったのだろうか トスカーナ・フリット ディ ポッロ

どこで行き違ってしまったのだろうか トスカーナ・フリット ディ ポッロ

鶏胸肉のフリット"Pollo fritto"トスカーナの山奥ガルファニャーナの街のバールでの昼食に食べたフリットは、粉を塗した鶏肉を揚げただけのシンプルなものだった。
味付けは多分、塩胡椒と少しのにんにく。

食べた時に、こりゃ簡単でええわいと思い、日本に戻って直ぐに作ってみた。
山奥で食べた味そのものだと思い、それ以来ずっと作り続けている。

ところがだ。
最近、写真の整理に励んでいた際にその料

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ソウルの焼き肉は葉っぱ、肉、葉っぱ、葉っぱ、肉、葉っぱ! ソウル・プルコギ

ソウルの焼き肉は葉っぱ、肉、葉っぱ、葉っぱ、肉、葉っぱ! ソウル・プルコギ

プルコギ"Bulgogi"プルコギとは甘辛く味付けをした焼き肉を指すそうなんだが、肉の倍くらいの野菜を入れ、大量の葉っぱで包んで食べるのが韓国式だと教えてもらった。

焼き肉を人数×皿を頼めば、葉っぱが無料で食べ放題と言う店に連れて行ってもらった。

スーパーの葉っぱ売り場そのままの様な冷蔵庫の一角があり、葉っぱオンリーのバイキング形式なのだ。

包む肉が無くなれば、ご飯とタレや味噌を付けてまた葉

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無限ループの罠 トスカーナ・パッパ アル ポモドーロ

無限ループの罠 トスカーナ・パッパ アル ポモドーロ

トマトとパンのお粥"Pappa al pomodoro"トスカーナで愛されているパンとトマトの…何て言っていいのか?煮たもの?
日本語では、よくパン粥と表示されている。

なるほど、確かに粥状に炊かれた感じだが、作るのは粥より簡単。
ざっくり言えば、トマトソースで固くなったパンを煮るのだ。

出来れば生のトマトが良い。

トマトは、よく湯剥きしろと書いてあるが皮付近は栄養がいっぱいなので食べてしま

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港町で食べた普通のパスタ リヴォルノ・海老とズッキーニのスパゲッティーニ

港町で食べた普通のパスタ リヴォルノ・海老とズッキーニのスパゲッティーニ

海老とズッキーニ、トマトのスパゲッティーニ"Spaghettini con Gamberi,pomodoro e zucchine"カチュッコ"Caciucco"と言うトマトベースの魚介のごった煮を食べてみたくて、トスカーナの港町リヴォルノへ行った。

量が多いと聞いていたので、親切な顔をして夫に勧め、私はシンプルなパスタを頼んだ。
前菜は軽めのものを頼みシェアした。

パスタは、シンプルだが海老

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私と中南米をつなげてくれるお刺身マリネ

私と中南米をつなげてくれるお刺身マリネ

セビーチェ"ceviche"私の生まれ育った街は愛知県の端っこ、静岡県との県境だ。

ブラジル人以外にも中南米の人も多い。
バブル以降増えていきリーマン以降減っていったが、普通の街に比べたら今でも多いと思う。

今は無くなってしまったけど、家から5分程度の所に"中南米料理の店"とでかでかと看板に唄った店があった。
セビーチェは、その店で夏限定でよく食べたメニューだ。
これには煎ったとうもろこし(す

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卵とじが最強だと気づいた日 バイヨンヌ・ピペラド

卵とじが最強だと気づいた日 バイヨンヌ・ピペラド

バスク風ピペラド"Piperade"パプリカのトマト煮であるピペラドを、バスク地方では落とし卵にしたり、とろとろの卵とじにして特産の生ハムを添える。
焼いた生ハムが添えてある時もあり、それも美味い。

あれ?ウンベルトのスクランブルエッグに似てるわ。

卵とじが好きなんだな。

って言うか、卵が好き。

親子丼も好きだが、鶏肉はあっても無くても構わない。
だって甘めの出汁がきいたとろとろ卵が主役だ

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イスラム教徒にはなれないクスクス

イスラム教徒にはなれないクスクス

ソーセージと野菜のクスクス"Couscous of sausage and vegetables"クスクスと言う響きが好きだ。

アルファベットのつづりも堪らなく可愛い。

ただクスクスはすっごく量が多い癖に食べきれそうな気がするので、気をつけなければいけない。
クスクスはサラサラと口に入るが、お腹の中で水を吸って膨らんで気づいた時には手遅れになる。
可愛い名前と可愛い響きに騙されてはいけないのだ

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私のソバにはいつも山菜の天ぷらがある 長野・山菜の天ぷら

私のソバにはいつも山菜の天ぷらがある 長野・山菜の天ぷら

山菜の天ぷら"Wild vegetable tempura"だいぶ昔の話だが、結婚したての頃のGWは長野にドライブに行っていた。

夫が長野で学生時代を過ごしたので愛着があったらしく、山にも詳しかったので穴場でこっそり山菜を摘んだりしてた渋い新婚さんだった。

長野に行けばもちろんお蕎麦を食べるのだが、GWにはちょうど山菜の天ぷらを出して貰える。
なので私の中では、お蕎麦と山菜の天ぷらがセットなの

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ニューヨークを格安に旅するならホットドッグを食べろ

ニューヨークを格安に旅するならホットドッグを食べろ

チリコンカン"Chili con carne"訳あって決めたニューヨークへの旅は3泊5日の弾丸旅行。

お一人様だったので安くお手軽にを心掛けた結果、ごはんはスーパーやデリ、ファーストフードがメインだった。

既にヘルシー傾向が強かったスーパーの惣菜は余り好みのところが少なかった反面、デリやファーストフードは大体美味しかった。
特にチリコンカンのホットドッグは短い滞在の間に2回も食べてしまう程お気

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ウンベルトおじさんのトマト入りスクランブルエッグ ナポリ・フリッタータ ディ ポモドーリ

ウンベルトおじさんのトマト入りスクランブルエッグ ナポリ・フリッタータ ディ ポモドーリ

トマト入りスクランブルエッグ"Frittata di pomodori"一時期、イタリア語を習った事があった。

たまたま近所にイタリア人が個人でやる教室があったのと、夫が語学の勉強や海外の人て触れ合うのが好きだったからだ。
つくづく私(語学が苦手な上に軽いコミュ障)とは真逆な人間だ。

イタリア人はウンベルトと言いナポリ出身のおじさんだったのだが、結論を言えば彼は日本語が下手だった上に横道に逸れ

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