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翔太鈴木
2022年5月10日 00:58
「…ふぅ」仕事終わりの帰り道。ひとつ、息を吐く。空は曇っていて、夕焼けは見えなかった。 効率良く仕事を終わらせ、帰る。残業なんてしない。寄り道もしない。飲み会も女子会も、断り続けたら誘われなくなった。 それで良かった。無駄なことは嫌いだった。無駄を省いて効率よく動き、時間もお金も、自分自身も最大限に有効に使いたかった。 少し、早歩きで帰る。出来るだけ早い電車に乗りたい。歩きながら、頭の中
2022年2月10日 07:53
「あー、もう最悪!」夕方。仕事が終わり、同じ早番のシフトに入っていた先輩と同僚と三人で、少し早めの晩御飯に来ていた。二人は、いつものように仕事の愚痴を吐き出し始める。「さんざん試着して一着も買わないってどんな神経してんの」「あのハデな女でしょ。見た目ハデなわりにケチですよねー」先輩の愚痴に、同僚が同意する。先輩は「ほんとだよ」と吐き出した。「…試着して、サイズ感見て、ネッ
2021年6月15日 11:33
とある町の外れに、一軒の小さな雑貨屋があった。その雑貨屋は店主の男がひとりでやっている店で、混雑することもなく、かと言って潰れてしまうということもなく、店の中には、静かな時間が流れていた。 ある日の、客が誰もいない時間に一人のの少年が店にやってきた。少年は店の商品を次々に手に取っては、もの珍しそうに眺めていた。店主は、初めは注意して見ていたが、少年は商品をとても丁寧に扱っていたので「他にお客