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2022年9月の記事一覧

パリに焦がれて

パリに焦がれて

原田マハさんの『たゆたえども沈まず』を読みはじめた。

マハさんのアート作品を読むのは4冊目。

いつもなら夢中になるあまり読む手を止められないはずなのに、私は手を止めた。

フランスへ、パリへ、行きたい。

想いが溢れて苦しくなって本を読む手を止めた。本の中にいるテオや、忠正や、重吉(ゴッホすらまだ出てきていない)に強い共感をおぼえると同時に、パリにいられる彼らに嫉妬した。

この夏、読んだ本1

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江國香織『とるにたらないものもの』読了。誰にも真似できないような独特な視点と表現の中にある的確さに憧れます。江國さんの世界観の中には他にはないノスタルジーと静けさがある気がします。(この1冊にて、8月+9月の読書量は20冊となりました…!)

本は私の一生の友

本は私の一生の友

彼と別れそうになっていたとき、私が救いを求めた先は、人の前に本であり、小説であった。

「カバンの中にいつも1冊の本を」という標語に笑っていた小学1年の私が、それを無意識に実践するようになるまでに時間はかからなかった。小学2年以降、青い鳥文庫を好きになって、お気に入りの巻を何周も何周も読み、好きなシリーズの新刊が出るのをいつも心待ちにするようになった。

一方で、新しい小説を次々に読むようになった

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若林正恭『ナナメの夕暮れ』読了。中学の時に読んだ『社会人大学〜』のエッセイも好きだったので読んでみた。オードリー・若林でなく、"若林正恭"という人間の言葉や考え方、その背景にある彼の人生すべてに感謝したくなるような一冊。ナナメの殺し方、体力の減退、明日のナナメの夕暮れはリピート。

相沢沙呼『Invert Ⅱ』読了。まさに倒述ミステリーの最骨頂。最初から犯人がわかっているのに必ず見えてなかった驚く結末が用意されていて、毎回単行本のボリュームや翡翠のぶりっ子キャラが気にならないくらい3日ほどで一気読みしてしまう。シリーズがきっと続くので次も楽しみ。

本、漫画はもちろんだけど、雑誌もつい立ち読みしてしまう。& Premium(Paris特集とか!)、BRUTUS、SAVVYあたり、世界観がすきすぎる。高校時代、初デート前に慌てて読んだファッション誌はseventeenやnon-noだけど、少ししてから現在までは完全にRay派。

北野唯我『天才を殺す凡人』読了。この本が出た時から気になっていて、atomさんからの薦めでやっと手に取れた1冊。1.5hで読了。創造性を武器とする自分は共感性に憧れ、その獲得を目指していたことを自覚できた。過去の経験を思い返して腑に落ち、救われた。何度でも読み返したい。

藤堂裕『信長を殺した男 日輪のデマルカシオン 第2巻』読了。貧民時代の原体験があるからこその秀吉、平和な世を願う家康、善悪や正義を超えて各々が胸に抱えていたであろうものに想いを馳せてしまう。歴史好きとして毎巻じっくり夢中になって読む一冊。

こいしゆうか『カメラはじめます!』読了。最初はF値(小さいとボケる)・+/−(明るさ:+が明、−が暗)・WB(色:日陰・くもり=赤、電球・蛍光灯=青)の3つをマスターして、構図を意識するだけで大分変わるとのこと。とにかくカメラを学びたくて無我夢中で小1時間ほどで読んでしまった。

原田マハ『フーテンのマハ』読了。やっぱり海外の章がアート小説の舞台裏感あって好きだった。国内なら別府と神戸、お父さんの章が好き。

原田マハ『リボルバー』読了。『たゆたえども沈まず』ではフィンセントとテオ、今回はフィンセントとゴーギャンがメインで進んでいて、同じ時期のことをテオ視点とゴーギャン他視点から味わえたのは連読ならではの醍醐味だと思う。Google Arts&Cultureで調べながら読んだ。

原田マハ『いちまいの絵』読了。26枚分の名画についてマハさんの解説を読める贅沢な本。名画と書きつつ、知らないものもたくさんあって、教養になった。元々好きだったもの以外では東山魅夷『道』、カラヴァッジォ『聖マタイの召命』あたりは今回印象に残った好きな絵画。

原田マハ『たゆたえども沈まず』読了。
フィンセント視点からは一度も書かれていないのに、重吉やテオといった周りの人を描くことで、フィンセントに出逢える、美しい描き方。哀しみが胸を打つけれど、物語全体を『星月夜』が照らすようなあたたかさも兼ね揃えていた、そんな物語。

原田マハ『スイート・ホーム』読了。こんな家庭を築きたいという憧れが具現化されている作品。『あなたは、誰かの大切な人』や『独立記念日』は暗い部屋のカーテンから差し込む日差しのあたたかさだとすれば、本作は眩しいほどに輝く太陽のようでいてほっこりするあたたかさを持っている気がします。