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パリ日記

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パリに行く夢が現実になったその日からのこと 今はただひたすらに パリに逢いたい
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#恋愛

新しい夢のはじまり

新しい夢のはじまり

ことばが頭の中に溢れてゆく。

掬い上げようとして画面に向かうと、さっきまで頭のなかでぐるぐるしていたはずなのに、パンッと弾けて消えてしまう。そんなとき少し、眉が下がる。

パリにいる間、ことばが追いつかなくて夢中でシャッターを切った。そのときの感情が記憶からこぼれ落ちてゆかぬよう、頭の中でことばにした。ことばを文字にしたくてもその時間がないことが、ひどくもどかしかった。

写真をもっと上手に撮れ

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帰ってきてからも、楽しかったよ。

帰ってきてからも、楽しかったよ。

「また乗る電車が何番線かとか、全然出んねや」

昨夜、父とパリでの思い出を語らっていたとき、父が言ったその言葉に、ああ、そうだった、そうだった、頷いた。そこから、じんわりと、でも急速に、パリでのそうした細かい思い出が脳内を駆け巡った。

モン・サン・ミシェルからの帰り道、17:00発のバスが来なくて、バス停にいた人たちに必死に「Excusez-moi?」「Excuse-me?」と声をかけまくったこ

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この夢の続きは未来の私に託して

この夢の続きは未来の私に託して

パリにいた9月、卒論ラストスパートの12月、なにより大学4回生の2023年、ほんとうにあっという間だったな。昨年の今頃はまだ本選考がはじまっていなくて、例の外資ITの最終面接がなくなるなんて予想だにすらせず、どこに就職するかもわかっておらず、パリ行きもまだ不確定だっただなんて、信じられない。

月並みだけど私の2023年を表す漢字は、正真正銘「旅」だ。

東京、静岡、岡崎、倉敷、軽井沢、白浜、京丹

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夢が醒めても隣にいてね

夢が醒めても隣にいてね

パリにきて、3週目。

日本から父と彼がやってきた。

***

彼は、2カ国経由便のフライトで滞在中はケルン1日、ブリュッセル1日、パリ4日。

父は、直行便でパリ、ブルージュ、モン・サン・ミシェル、パリ(半日はヴェルサイユ)、パリ。

パリは基本どこに行くにも予約がいるし、どこに行っても荷物チェックがある。TGVやThalysといった高速鉄道の乗車券や航空券は、よほど売れないもの以外は直前にな

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モンマルトルに恋して

モンマルトルに恋して

本格的にパリに興味を持ちはじめた小学生の頃、買ってもらった パリ のガイドブックを2冊 と フランス のガイドブックを1冊 を毎日のように眺めた。

モンマルトル サクレ・クール寺院

どのガイドブックにも必ず載っていて、サクレ・クール寺院は「五大ランドマーク」として紹介されているのに、片面1ページで紹介が終わってしまうことがほとんどで、「モンマルトルはサクレ・クール寺院があるところなんだ」と思っ

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