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SDGs史 連載中

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SDGs を『Oh. 工学者、時々、哲学』的な視点で概説します。 SDGs が流行りだした潮流のトリビア的な知見を提供しています。
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SDGs史#17 Goals 1が「貧困をなくそう」なわけ

SDGs史#17 Goals 1が「貧困をなくそう」なわけ

『ボヘミアン・ラプソディー(2018)』をご覧になりましたでしょうか?
ライブエイド(1985)でのQueenのパフォーマンス、そして、そこに至るまでのフレディ・マーキュリーのナイーブな軌跡を描いた名作ですよね。

映画を前振りに話をすすめますライブエイドは、20世紀最大のチャリティ・イベントと称されます。「1億人の飢餓を救う」をスローガンとし、「アフリカ難民救済」を目的としたものです。

当時、

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科学はSDGsと脱炭素に貢献できるか?

科学はSDGsと脱炭素に貢献できるか?

 noteの5つの記事をひとつのメッセージとして、まとめなおしました。これは、真鍋淑郎さんが「コンピューターを使った地球温暖化などを予測する手法を確立したこと」を理由にノーベル物理学賞を受賞したことへの、お祝いを込めていることが一番にあります。本当に、おめでとうございます。

 吉報をうけて環境問題において、科学が社会にどう貢献しうるのか?を自分なりに再整理しようとしました。

 結論を書くと、

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SDGsの科学的裏付け#4 クリエイティビティとのつながり。

SDGsの科学的裏付け#4 クリエイティビティとのつながり。

 科学の示す境界線は、私たちの生活を制約するものではなく、むしろ境界があるからクリエイティビティを発揮できる、というお話です。

 科学者が示すように、プラネットバウンダリー・地球の境界線が危機に脅かされているのは、間違いありません。そして、それは数値としても示されます。同時に、写真や映像など芸術を通じて、地球の置かれた悲惨な状況を目の当たりにするかもしれません。でも、課題は山済みだ、と悲観してし

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SDGsの科学的な裏付け#3 感性との融合

SDGsの科学的な裏付け#3 感性との融合

 SDGsの科学的な裏付け#1、#2でSDGsを裏付けるプラネットバウンダリーの考え方と科学的な対話を紹介してきました。
#3では 、科学と感性との融合をテーマに書いていきます。
 というのも、物事を「科学的」に全部を理解できる人って私も含め、ほとんどいないんです。私は、大学で偉そうに教えていますが、多分野の専門的な内容を理解するのは、容易ではありません。顕著さと未知への敬意は、個人の感性の中で育

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