#経済
あなたは、どれだけさかのぼれるか ― わらを拾えるか ②
すぐれた仏師は山の木を見て、仏像の姿が浮かんだという。
東大寺南大門の金剛力士立像をつくったのは、平安末期から鎌倉時代に活躍した天才仏師運慶と快慶のグループ。仏像を彫る運慶の姿を、夏目漱石は、「仁王の眉や鼻を鑿(のみ)で作るのではない。眉や鼻が木のなかに埋まっているのを、鑿と槌の力で彫りだす」と書いた(夏目漱石「夢十夜」)。もうひとりの天才仏師快慶も、「仏様の力を借りて、木から仏様を彫り出す」とい
すぐれた仏師は山の木を見て、仏像の姿が浮かんだという。
東大寺南大門の金剛力士立像をつくったのは、平安末期から鎌倉時代に活躍した天才仏師運慶と快慶のグループ。仏像を彫る運慶の姿を、夏目漱石は、「仁王の眉や鼻を鑿(のみ)で作るのではない。眉や鼻が木のなかに埋まっているのを、鑿と槌の力で彫りだす」と書いた(夏目漱石「夢十夜」)。もうひとりの天才仏師快慶も、「仏様の力を借りて、木から仏様を彫り出す」とい