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書評

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世界史の「点」がここにたくさんある。世界史超超初心者に向けた入門書の最高峰がついに出た!【山崎圭一『一度読んだら絶対に忘れない世界史人物事典』SBクリエイティブ】

世界史の「点」がここにたくさんある。世界史超超初心者に向けた入門書の最高峰がついに出た!【山崎圭一『一度読んだら絶対に忘れない世界史人物事典』SBクリエイティブ】

毎回発刊してすぐに手に入れ、読んで即こうして書評を残している、先ごろYouTube登録者数10万人を突破した「ムンディ先生」こと山崎圭一先生の『一度読んだら絶対忘れない』シリーズ。忘れもしない、自分の誕生日に3作目の『世界史経済編』が届いたと思ったら、もう4作目の『世界史人物事典』も発刊された。

さて今回の『世界史人物事典』。結論から先に書いてしまおう。

『一度読んだら絶対忘れない』シリーズ第

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2020年読んだ本を、260冊読んだ中から10冊選んでみた

2020年読んだ本を、260冊読んだ中から10冊選んでみた

昨年に引き続き、今年読んだ本の中からトップ10を決めるふりかえりを。

昨年は300冊以上の本を読み切ったが、今年は大きく読了冊数が落ちて260冊をようやく越えるくらいにとどまった。その理由は、夏から秋にかけて『1日1ページ読むだけで身につく』シリーズを月イチで読んでいたから。このシリーズ、読み終えるのにどの本も6~7時間くらいかかってしまうのだ。芸能人のエッセイ本ならたぶん7冊は読めてしまうくら

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ムンディ先生渾身の「経済の世界史」が教養となり、より「カタン」のプレイがおもしろくなる!?【山崎圭一『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書 経済編』SBクリエイティブ】

ムンディ先生渾身の「経済の世界史」が教養となり、より「カタン」のプレイがおもしろくなる!?【山崎圭一『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書 経済編』SBクリエイティブ】

いきなりだが、「カタン」というボードゲームがある。

土地の境目に開拓地と道路を置き、サイコロの出た目によってレンガや麦、木などの資源を獲得する。この資源が道路となり、開拓地となり、更に発展して都市となる。開拓地を多く置けばそのぶん資源もたくさん手に入り、都市として発展すればもらえる資源も2倍となる。さらにどうしてもほしい資源があれば「麦とレンガを交換しませんか?」などとほかのプレイヤーに持ちかけ

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それは20代にも30代にも必要な「ギリギリな自分を助ける方法」かもしれない【井上祐紀『10代から身につけたい ギリギリな自分を助ける方法』KADOKAWA】

それは20代にも30代にも必要な「ギリギリな自分を助ける方法」かもしれない【井上祐紀『10代から身につけたい ギリギリな自分を助ける方法』KADOKAWA】

このあいだ30代になったばかりだが、仕事柄10代や中高生年代に向けて書かれた本をよく読んでいる。それは別に自分の悩みに活かすためというよりかは、関わっている子どもたちに向けておすすめしたかったり、または子どもたちの悩みへ送るアドバイスの参考として読んでいる面が大きい。

だから学校の先生であったり、普段から中高生年代に関わっている大人は、こういう「10代のための~」みたいな文言がタイトルに含まれて

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まちがいない、自分も「かくれ繊細さん」の一員だ【時田ひさ子『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』フォレスト出版】

まちがいない、自分も「かくれ繊細さん」の一員だ【時田ひさ子『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』フォレスト出版】

先日大阪駅近くのジュンク堂書店に並んでいるのを見て、ついつい買ってしまった本である。決め手は「かくれ繊細さん」という耳馴染みのなかった言葉。「繊細さん」はだいぶんメジャーになってきたが、「かくれ」とははて?というその好奇心と疑問が、自分をレジへ向かわせた。

そもそもこの本で言う「かくれ繊細さん」とは、HSP全体の3割を占めると言われているいわゆるHSS(High Sensation Seekin

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思い出が邪魔して物を捨てられない僕のような人に、心の底から推奨したい片づけ本【米田まりな
『モノが多い 部屋が狭い 時間がない でも、捨てられない人の捨てない片づけ』ディスカヴァー・トゥエンティワン】

思い出が邪魔して物を捨てられない僕のような人に、心の底から推奨したい片づけ本【米田まりな 『モノが多い 部屋が狭い 時間がない でも、捨てられない人の捨てない片づけ』ディスカヴァー・トゥエンティワン】

機種変に伴って不要になったiPhoneXSを下取りに出した。この2年間、毎日肌身離さず持ち歩いていた代物である。「これでお手続きは完了になりますので」と言われ、店の外に出てからもしばらく心が痛い時間が続いた。

物を捨てるのが苦手だ。本当に苦手だ。これじゃよくない、と思って、片付けに関する本を読み漁る。でもそこに書いてあるのは

「使うかどうか迷うのなら捨てましょう」
「その物にときめかないのなら

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「どこにでもいそうな人」の裁判記録が、なぜか身につまされる一冊【北尾トロ『なぜ元公務員はいっぺんにおにぎり35個を万引きしたのか ビジネスマン裁判傍聴記』プレジデント社】

「どこにでもいそうな人」の裁判記録が、なぜか身につまされる一冊【北尾トロ『なぜ元公務員はいっぺんにおにぎり35個を万引きしたのか ビジネスマン裁判傍聴記』プレジデント社】

ある日図書館でふと見つけてタイトルがものすごく気になって借りた本で、まさかこんなにも考えさせられるとは思ってもいなかった。

この本は大きく分けて2部に分けられている。前半ではサブタイトルにある「ビジネスマン裁判傍聴記」のとおり裁判の傍聴記録を集めている。で、この「ビジネスマン裁判傍聴記」というタイトルがミソで、これらの傍聴記録で登場する被告人はたいていビジネスマンや主婦など、つまり「どこにでもい

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「怒る声がしんどい」「人に気を遣いすぎる」・・・そんな小中高生に届け、この一冊。【串崎真志『繊細すぎてしんどいあなたへ――HSP相談室』 (岩波ジュニア新書)】

「怒る声がしんどい」「人に気を遣いすぎる」・・・そんな小中高生に届け、この一冊。【串崎真志『繊細すぎてしんどいあなたへ――HSP相談室』 (岩波ジュニア新書)】

この本は、「HSP」(Highly Sensitive Person=人一倍敏感な特性を持つ人)や「HSC」(Highly Sensitive Child=人一倍敏感な特性を持つ子)といったアルファベット3文字を知らなくてもいい、もっと言えば「5人に1人めちゃくちゃ敏感で繊細な人がいる」ということも知らなくてもいい。とにかく、次の6つにとても困っている小中高生がいたら、絶対に読んでほしい。

・怒

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まさか、新庄に「お金との向き合い方」を教えてもらうとは思わなかった【新庄剛志『わいたこら。――人生を超ポジティブに生きる僕の方法』学研プラス】

まさか、新庄に「お金との向き合い方」を教えてもらうとは思わなかった【新庄剛志『わいたこら。――人生を超ポジティブに生きる僕の方法』学研プラス】

新庄の本を手にしたのは『ドリーミングベイビー』以来、約20年ぶりのことである。当時小学生の頭に新庄の文章はかなり素直にささったようで、いまでも『ドリーミングベイビー』の中身はけっこう覚えている。昔阪神に松田という外野手がいたのだが、彼を「ミートがうまくて足が早くて使えばめちゃくちゃおもしろいのではないか」と評した文章がどういうわけかなぜか忘れられない。

さて、20年ぶりの新庄の本で、僕がとりわけ

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やさしく、深く、「ストレス」の正体を知る【糀本成美『気疲れしやすい人へ ゆるっと楽に生きるストレスと上手に付き合う方法』】

やさしく、深く、「ストレス」の正体を知る【糀本成美『気疲れしやすい人へ ゆるっと楽に生きるストレスと上手に付き合う方法』】

Amazonのペーパーバックという形で出版されているこちらの本。どこで知ったかといえば、以前HSPについてインタビューしていただいたなおさんが「この本おすすめですよ!」と言ってたから。ちなみにこの本では触れられていないが著者の方もHSPだそうだ。

さて、昨日書評を書いた『「精神科医の禅僧」が教える 心と身体の正しい休め方』には、疲れの原因は主に脳の疲れであり、それは「マルチタスク」が引き起こして

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疲れの原因は「○○○タスク」だった?【川野泰周『「精神科医の禅僧」が教える 心と身体の正しい休め方』ディスカヴァー・トゥエンティワン】

疲れの原因は「○○○タスク」だった?【川野泰周『「精神科医の禅僧」が教える 心と身体の正しい休め方』ディスカヴァー・トゥエンティワン】

おそらくこんな状況だからこそ、いつもとは違った疲れを感じている方も多いと思う。かくいう僕もそうで、最近はちょっと買い物に出ただけで変な気疲れを感じるようになってしまった。睡眠はわりとしっかり取ってる方だと思うが、それでもこう、精神的な疲れがどうにもとれない。

しかし、この本を読むうちに、それは当たり前のことだという確信を得られた。

結論から先に書けば、僕は知らず知らずのうちに勝手に「マルチタス

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「4つの要素」で意見を言う、意見を見抜く【西岡壱誠『東大で25年使い続けられている「自分の意見」の方程式 最強のアウトプットの作り方』KADOKAWA】

「4つの要素」で意見を言う、意見を見抜く【西岡壱誠『東大で25年使い続けられている「自分の意見」の方程式 最強のアウトプットの作り方』KADOKAWA】

とにかくこのご時世、いろんな「意見」が飛び交っている。新型コロナウイルスのことだ。

諸外国にならって東京も今すぐロックダウンしろ、いやいやロックダウンしたら経済死ぬぞ患者よりも仕事失った自殺者数が増えるぞ、と真っ向から対立している意見が、SNSを覗けば毎日毎日飛び交っている。ハッキリ言ってどれが正しいのか、どれを支持すべきか、そのすさまじい情報量を前にして考えるのも疲れてくるような、そんな思いを

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人と話をすることと、常識を疑うこと【藤村忠寿・嬉野雅道『腹を割って話した』イースト・プレス】

人と話をすることと、常識を疑うこと【藤村忠寿・嬉野雅道『腹を割って話した』イースト・プレス】

「水曜どうでしょう」の藤村Dと嬉野Dによる著書はかなり数多く出版されている。この本は、その中でも200ページ以上のほぼすべてが、札幌の定山渓温泉で繰り広げられた2人の対話、という異色の1冊である。

で、この本の真髄は、「あとがき」にある。

1ページずつ、藤村Dと嬉野Dがそれぞれ書いている文章が並ぶあとがき。ここに記されている藤村さんの「人と話をするということ」と題された文章が名文なのだ。この文

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「今の状況を忘れられる」読書をしよう

「今の状況を忘れられる」読書をしよう

もう何度も書いているが、僕の日課は本を読むことである。

1日1時間を目標に、時間が取れなければ最低30分、必ず「本を開く」時間をとるようになって、かれこれ3年近くが経つ。もともと片道1時間近くある電車通勤の時間でなにかできないか、と思って始めた読書が、ここまで自分の生活に大きく根付くとは思ってもいなかった。いまや歯を磨くのと同じくらい自然に本(またはKindle)を開く。

しかし実はいつでもど

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