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次郎に教えてもらったことシリーズ

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IQ18次郎と暮らす中で教えてもらったことのエピソードを綴っていきます
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ママがボクになりすまし日記?!

ママがボクになりすまし日記?!

1.自己紹介ボクの名前は次郎。1994年生まれの25才。知的障害者だ。よくわからないけれど、いやな呼ばれ方だ。ボクはボク。次郎だ。そこのところ、よろしく!!
 ボクの最新(2014年)の診断は、「MA(精神年齢)3才 IQ18 SA(社会生活年齢)2才7月 身辺自立2才10月 移動2才4月 作業2才9月 意思交換1才8月 集団参加3才7月 自己統制2才2月」となっている。
この結果を言うと、ボクを

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「笑いは世界を救う!かもしれない?(笑)ぜんじろうショー」めっちゃ楽しかったです~!

「笑いは世界を救う!かもしれない?(笑)ぜんじろうショー」めっちゃ楽しかったです~!

2024年4月13日(土)14時~16時 立川市にて

イベントを支えて手伝ってくださった皆さん本当にありがとうございました!お客様35名(うち障害※①のある方7名・18歳以下2名)出演者4名(うち障害のある方2名)記録・音響スタッフ2名で、楽しい時間を過ごさせていただきました。(※①障害は社会の持ち物)

なにより誇らしいのは、障害者率の高さ!(笑) 行政だけでなく、民間事業者にも合理的配慮※②

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私を救ってくれた私の中のコメディアン

私を救ってくれた私の中のコメディアン


もう限界!って時は、人生で何度かあった。


私は第一子をアフリカで産むという通常理解しがたい行動をしているのだけれど、出産は何処でだって命掛けだ。当時のパートナーが付き添ってくれて、ケニアの産院で陣痛に耐えていた。周りでは、日本人の私から見たら、それはそれはたくましいアフリカ女性たちが、「ママー」と叫び、「神様ー」と叫んでいた。そんな中私はただただ、襲ってくる痛みに耐えていた。

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スタンダップコメディがなければ死んでいた?!(笑)

スタンダップコメディがなければ死んでいた?!(笑)



ひとことで言うと、私の頭がおかしくなったのだ(笑)

どっちに向かって行っても手詰まりで、どこにも道が開かれていなくて、
道がないから作るのだ~とか言う口がむなしくて。

そりゃそうでしょ。
だって、誰も余裕なんてないんだもの。

目の前の生活が大変なのだ。
それほどまでに、人々の生活が壊されている実感はある。

私の声はどこにも届かない。

「別に、私、助けてって言ってるんじゃ

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次郎という世界を旅する方へのガイドブック~未完・随時更新~

次郎という世界を旅する方へのガイドブック~未完・随時更新~



1.はじめに~そもそもなぜガイドブック?〜

みなさんは、知らない土地を旅する時、予備知識なしでまっさらの状態で旅をしますか?
それとも、下調べをして、ある程度もしくは詳しく調べてから旅をしますか?

私は若いころは、予備知識なくまっさらな状態で旅することが良いと思っていました。偏見を持たず、人の意見に左右されないで、自分の目で見たいと思っていました。

ところが、歳を取ってくると、もっ

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詩「いいお母さん」

詩「いいお母さん」

私はすこぶる評判のいいお母さんで
私を知る人は口をそろえて息子に
「いいお母さんでよかったね」と言う
「お母さんの子どもでよかったね」と言う

息子の答えは
「ぶー」だ
私の息子が言うのだから
息子が正しいに決まっている
だけど
息子の「ぶー」が届くことはない

ある朝私は、息子をぶった
息子は会う人会う人に
ぶたれたことを訴えた
ある友人は
「そんなはずはない」と言った
ある友人は
「もしそ

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詩「遺書」

詩「遺書」

今、『伊藤比呂美の言葉が鍛えられる教室』に通っています。月一回全6回です。第一回目の授業では、詩はフィクションであること、対話であることを教わりました。なので客観的に書くことや、自分で結論付けしないなどのポイントも教わりました。そして書く時に最も大事なことはジェンダー意識であると、これは口をすっぱくして何度も言われました。

伊藤比呂美さんには、敏感な差別意識センサーが付いていて、人を大切にしない

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今日は海老原宏美さんの話をしたいのにケアラーがコロナになった話しになった

今日は海老原宏美さんの話をしたいのにケアラーがコロナになった話しになった

12月24日は海老原宏美さんが旅立った日だ。もう一年経つ。聡明で明るくて優しかった海老原さんを失って、今も惜しむ声は大きい。海老原さんの意思を継ごうという方も多いしその仕事を応援もしたい。けれど、海老原さん、やはりあなたは唯一無二の人でした。

この一年で私は何度、天を仰いで海老原さんの名前を呼んだだろう。困り事がある度に。

正直に言うと今もそう。

12月21日次郎が39.2度の熱を出し、歩い

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もういい加減親の所為にするのをやめてくれないか!~本当に障害者の自立を妨げているのは親なのか?~

もういい加減親の所為にするのをやめてくれないか!~本当に障害者の自立を妨げているのは親なのか?~

胸に仕舞っていたエピソードを話す。

ある福祉関係者が冗談で「親はどうせ死ぬんですから、早く死んでください」と言った。
障害者の地域移行(施設から地域へ)の仕事をする中で、親の反対が強く、難航することも多いという話の流れから出た冗談だ。
その方は、他の冗談でもすべっていたので、会場の多くの人は、笑えない冗談だと聞き流したことだろう。

「親はどうせ死ぬんですから、早く死んでください」

流れない

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100の出来ない理由を考えるより、たったひとつの出来る道を探すこと~海老原宏美さんが繋いでくれた縁~

100の出来ない理由を考えるより、たったひとつの出来る道を探すこと~海老原宏美さんが繋いでくれた縁~

タイトル写真は、2014年の51歳の誕生日のポートレートを亀山ののこさんに撮ってもらったものだ。私が誕生日プレゼントに欲しかったのは、ずっと”ひとりの時間”だった。この日も、次郎にはショートステイに行ってもらって、”ひとりの時間”を確保した。

そうやって、自分にプレゼントした”ひとりの時間”に読んだ本の題名も覚えている。「バリアフリーのその先へ!車いすの3.11」朝霧裕著<岩波書店>だ。著者が震

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誰も言わないから私が言うね「りゅうさん助けてあげられなくてごめんね」

誰も言わないから私が言うね「りゅうさん助けてあげられなくてごめんね」

りゅうさんが浮かばれない判決だったね。りゅうさんの死を無駄にしない為に、ひとりひとりに出来ることがあるから、そのことを書くね。

2020年7月に京都で、重度知的障害のある17歳のりゅうさんが、介護に疲れたお母さんに命を絶たれるという痛ましい事件があった。当時私は何をしていたのだろう?と日記を開くと、コロナ禍で次郎の施設利用がままならず、それに伴い私の生活も振り回されていた。この事件はどの程度報道

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2021.10.31衆議院議員選挙 二枚目の投票用紙に全国どこからでも「れいわ」と書いてください!「山本太郎」と書くと無効です。

2021.10.31衆議院議員選挙 二枚目の投票用紙に全国どこからでも「れいわ」と書いてください!「山本太郎」と書くと無効です。

タイトル写真は2014.4.27の鹿児島2区の衆議院補欠選挙のボランティアで、ご一緒させていただいた木内みどりさん。一緒にお昼をいただきながらお話させていただいたときに、「私ってせっかちなのよ」と言われていた。まさか、こんなにせっかちにこの世から旅立ってしまうとはこの時には思ってもいなかった。

2021.10.31は衆議院議員選挙投開票日だ。木内みどりさんの不在を、しみじみ思い知らされる。今頃あ

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パラリンピックに感動したおばあちゃんが言った「次郎もがんばればしゃべれるようになるんやないんか?」

パラリンピックに感動したおばあちゃんが言った「次郎もがんばればしゃべれるようになるんやないんか?」

パラリンピックが閉会した。

コロナ禍での開催については、置いておく。私は開催すべきでなかったと思うが、それについては、またの機会に。

今日は、コロナ禍でなくとも、パラリンピックが、障がい当事者家族にちょっと厄介な問題を連れてくるという話をしたい。

私の母は、86歳で一人暮らしをしている。次郎が27年前に生まれたことで、初めて障がい児のおばあちゃんになってしまった。そう、なってしまったのだ。な

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あなたは誰かに「生意気だ」と言われたことはありますか?
あなたは誰かを「生意気だ」と思ったことはありますか?

あなたは誰かに「生意気だ」と言われたことはありますか? あなたは誰かを「生意気だ」と思ったことはありますか?

あなたが誰かから生意気と言われた、その誰かとはどんな関係だっただろう?
あなたが誰かを生意気と思った、その誰かとはどんな関係だったろう?

私が考えつく限りの関係を列挙してみたい。『○○→△△』というのは、『○○が△△を「△△のくせに生意気と思った」』という文章を簡略化したものだ。

先輩→後輩、上司→部下、先生→生徒、男性→女性、年上→年下、大人→子ども、親→子、健常者→障がい者、支援者→被支援

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