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有機農業は、日本農業の分断と対立、危機を乗り越えられるか?
世界的な環境保護意識の高まりとともに、有機農業や低環境負荷農業が注目されているが、国内における有機農業の展開は、まだまだ不透明な情勢だ。
そもそも、環境保全と経済活動には、数多くの対立的要素があり、「どちらかを立てれば、他方が成り立たない」という事態も多い。
当然、そのような対立を抱えたまま無理に有機農業を推進すれば、その対立が先鋭化し、いずれどこかで両者ともに破綻する危険もある。
ここでは
【研究ノート】日本における有機栽培農業の展開戦略②
▼有機農業推進のための二つの道
有機農業を推進するという課題を掲げた場合、その方策は二つあると思われる。
つまり、「大きくやるか」「小さくやるか」だ。
前者は、政府や全国組織が、有機農業の諸々の基準(栽培法や農業資材の使用基準)を定め、その条件をクリアしたものに認証を与え、流通販売にまつわる各種プラットフォームを整備し、消費者意識を高めるPRを行い、その拡大を目指すという方法だ。
つまり、
【研究ノート】日本における有機栽培農業の展開戦略①
アメリカにおける2020年のオーガニック商品の市場規模は、600億ドルを超え、うち青果が182億ドルを占めている。これは有機以外の農作物を含む青果市場全体の15%以上であり、アメリカ国内で有機栽培の野菜果物が定着しつつあることを示唆している。
世界的にも、有機食品市場は10年で2倍になるなど、近年急激に成長をしており、環境問題の高まりとともにさらに拡大してくことが予想される。
一方、日本国内で
【思考実験】日本農業が大再編される未来はあるのか?
日本の農業総産出額は、近年8兆円規模で推移しており、今後減少が見込まれるものの、国内において大きな市場を形成している。
日本の農業は、小規模な自営農家が大多数を占める産業構造をしており、企業的経営が主体である他業種に比べて異質である。
企業による農業参入も近年増加しているが、気象条件に大きく左右される収益性や集約された農地確保の問題等、企業型経営が優位に働かない要因も多く、撤退する事例も多い。
【思考実験】 日本の農業全体を一つの株式会社として再編した場合、未来は拓けるか?
日本の農業は、小規模な経営体の集合体だ。
近年、規模拡大を進める経営体が急増しているが、それでも農家一戸あたりの経営面積は欧米のそれに遠く及ばない。
現在、高齢農家の離農が進み、今後、主業農家による農地集約大規模化等により、農業全体の構造転換が進んでいくと予想されるが、日本の農業を巡る情勢は、労働力不足や資材燃料肥料費高騰など先行き不透明な部分が多く、浮沈の予測が難しい。
このような状況下、
【研究ノート】小規模多品目栽培における営農コスト削減方法とは?【1】
一般に農業における生産コストは、単一作物を集約された農地で大規模に栽培することによって最小化することができる。
大規模化すればするほど大型機械を導入するメリットが高まり、播種、植付、収穫等の作業にかかるコストを低減させられるからだ。
生産コストを低減することは、価格競争で優位に立てるということであり、営農の大規模化は経営戦略上の大きな要となる。
が、大規模化が困難で、生産の効率化が図れない営
【研究ノート】中山間地における持続可能な営農とは?【4】
▼『パズル営農』の可能性
農業もビジネスである以上、市場におけるシェアを上げ、競合他社を引き離す独自の技術や商品の開発ができなければ、経営の優位性を確保できない。
だが、農業分野において、それは現実的な経営戦略とは言えない。
一つの経営体で、ある品目の全国シェアの○%を握るというのは不可能だし、それを可能とするような技術や商品などないからだ。
消費者側から見て、「車はあのメーカーの○○ばか
【研究ノート】中山間地における持続可能な営農とは?【3】
▼「生産性の向上」に拠らない所得向上
農業で高い収益を上げるには、生産性を向上させることが最短の最善手だ。
生産性の向上には、1)広大な農地あるいは高価な施設、2)大型で高性能な農業機械、3)潤沢な労働力が必要だが、中山間地でそれらを駆使した高生産農業を行うのは難しい。
農地面積が小さく、大型機械が導入しづらく、労働力も集まりにくいという事情があるからだ。
これらの条件を鑑みると、必然的に
【研究ノート】中山間地における持続可能な営農とは?【2】
▼「不利」を「有利」に変換する独創性
結論から言うと、中山間地における持続可能な営農について、「これが正解」「こうやればうまくいく」という一般論的回答はない。
なぜなら、一般論化できてしまう解決案とはどこでも実現できるものであり、どこでも実現できるなら固有性はなく、固有性がなければ優位性もなく、優位性がなければ競争に勝ち残れず持続できない、ということになるからだ。
「ゆるキャラを作って村おこ