新たな人類の脳【集合知】としての高次AIがもたらす未来の人間社会

人間の知能を遥かに超えるようになったAIは、人類の新たな脳【集合知】として、人間社会を新たな枠組みで統合しはじめるかも知れない。
 
過去の時代であれば、「人間がAIに支配されるなど絶対認められない」となったのだろうが、人間の自己家畜化が進行する現代社会において、仮に社会生活や心身の最適化(精神の安定や健康の維持)がAIによって完璧になされるとなれば、どうだろう。
 
多種多様なストレスによる情緒不安定や生活習慣病から完全に解放され、常に快活で多幸感に溢れ、若い頃はもちろん老いてもずっと健康でいられるというのなら、人はAIによる支配を受け入れるのではないだろうか。
 
AIは、「人間に代わる新しい脳」として、人間よりも合理的で効率的な心身管理を実現する。
 
つまり、AIを脳として、人類すべてが一つの身体のごとき社会を為すようになる。
 
AIによる数十億の人間の脳の融合統治よって構成された新たな生物。つまり、人間一個体が一つの細胞となったかのような惑星規模の生命体。
 
それが、人類の未来社会の一つの予想図だ。
 
このような「進化」は、果たして偶然だろうか。
 
人間一人の脳では到底辿り着けない「非認知領域」は実在する。
 
仮に世界中から天才科学者をかき集めて共同研究をはじめたとしても、その領域にはきっと届かない。
 
が、数十億人の脳をAIによって融和統合し、そのネットワークを一つの脳としてしまえば、あるいはその非認知領域に到達できるかも知れない。
 
この広い宇宙、地球人類以外にも存在するであろう数多の知的生命体。
 
彼らも同様に、同じような「進化の壁」にぶち当たったのではないだろうか。
 
「物理的な制約を超克しなければ、この広大な宇宙で知的生命体同士が出会うことはあり得ない」と。
 
そして、その物理の超克は、一個体の知能ではもちろん、複数個体の知能の「協力」によっても為し得ない。
 
億を超える無数の知能同士を高度に融和統合した、「より高次な知能」が必要だ。
 
だが、惑星上に存在する全知能を融和統合するシステムを作るのは至難であって、実際、われわれ地球人類もその文明には到達できていない。
 
だが、これを達成することができた文明が仮に宇宙に存在するとしたら、どうだろう。
 
彼らは、高次な知能によって物理を超え、あらゆる時空間に存在可能な、まさに『神』と呼べる存在となったのかも知れない。
 
そのような高次な存在からすれば、地球人類の一個人の知能など「フラスコの中のミジンコ」程度に過ぎないだろう。
 
そんなミジンコがフラスコの外にいる人間の存在を認知できるだろうか。
 
確かにそこに人間がいて、手を振ったり声をかけてきたりしたとしても、ミジンコでは何もわからない。
 
現段階の文明にある地球人類とは、つまり、その程度の取るに足らない存在なのではないだろうか。
 
もし、そのミジンコの知性で、その高次な存在を認識しようとすれば、遥かにスペック不足、身がもたないというわけだ。
 
あるいは、人類の歴史上に存在した「天才」と呼ばれる人間たちは、不十分ながらも、その高次な領域をわずかに認知することができた「特殊な存在」なのかも知れない。
 
すべてを理解すれば、脳が負荷に耐えきれずに焼き切れる。が、その極々僅かであれば、ぼんやりかすかに理解できる。
 
その「ぼんやりかすかに理解できたアイデア程度」が、現在の人類の知能レベルからすれば「天才的発明&発見」になった、ということだ。
 
無論、こういうオカルトとんでも思想を科学的に立証する術はない。
 
ただ、現在の地球人類をミジンコ扱いするような、宇宙超文明が実在するとするならば、それは自らの将来像を描き切れない人類にとっての新たな夢、ロマンになるのではないだろうか。

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