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2023年6月の記事一覧
アジカン精神分析的レビュー『ワールド ワールド ワールド』/“自分”として現実界に挑む
4thアルバム『ワールド ワールド ワールド」(2008.3.5)
2年ぶりの4thアルバム。『ファンクラブ』から継承した複雑なアレンジを維持したまま、より外向きに、ポップに開けた楽曲たちが集まった本作。肉体は変わらないままで精神的姿勢に変化をつけたような作風と言える。ジャケットも前作はモノクロで正面を向いた少女、本作は極彩色で背中を向けた少女であるなど対を成しており、前作と明確な対比が付けられ
男性ブランコ『やってみたいことがあるのだけれど』とスピッツ『ひみつスタジオ』
男性ブランコのコントライブ『やってみたいことがあるのだけれど』を配信で観た。繊細な詩情に満ちたコントを元より得意としてきた男性ブランコだが、本作ではほぼ全コントが10分近くの尺があり、賞レースで消耗させる気のない作品性がある。トニー・フランクによるアコギの生演奏を劇伴にするなどその作りは演劇的。この方向性を磨くことに腹を決めたように見える。
そして最も唸ったのがそのコントの見せ方。現代漫才の中で