記事一覧
災害ボランティアを思う
災害ボランティアを思う災害ボランティアは自発的に困った方々を助けようとしている個人あるいは集団だ。それを行政がコントロールしようとするのはどうなのだろう。東日本大震災の時も道路状況や津波被害の特殊性を理由に、市民のボランディアは来ないようにという呼びかけが行われた。今回の能登半島地震でも、道路事情などを理由に、ボランティアの公式な受付はかなり遅くなった。コントロールによって秩序は生まれるかもしれ
もっとみる深夜の帰宅困難者・・・
「厳冬期深夜帰宅困難者徒歩帰宅訓練」を行いました。と言っても災害発生や交通機関の途絶を前提とした訓練ではなく、ちょっと飲みすぎて最終電車で寝てしまい、5つ先の駅で目覚めて慌てたという、とても恥ずかしい理由です。駅を出ると当然のことながら、タクシーは見つかりませんでした。タクシーを呼ぶアプリは使っていないし、酔っ払っているからダウンロードしようという発想もないし、何より、こんな田舎の駅でこんな時間
もっとみる体験の継承 30年問題をどう乗り越える!?
阪神・淡路大震災から28年が過ぎて、30年限界説が囁かれ始めました。30年で被災体験が語り継がれなくなる、体験が風化していくというのです。あの体験が忘れられてしまうという危機感がじわっと広がっているようです。
私は教員生活の後半は主に防災を教えてきましたが、一番長いキャリアは英語教師です。私が英語教師だったことは今では誰も信じてはくれないのですが・・・。大学で中学校と高校の英語免許の取得を目指し
コロナで「野戦病院」?
大阪府知事がコロナ対応で1,000床単位の「野戦病院」を作るのだという。阪大病院に相談しているというから、本気だろう。100の病院に、例えば2割ずつコロナ対応のベッドをあけてくれと要請しても、医師と看護師の確保、他の病気への対応等、実現を阻む要素は多い。目の前の患者と真摯に向き合っている病院は、新たなコロナ対応までなかなか人員、設備を割けない。だから、既存の病院への依頼だけではなかなか病床を確保で
もっとみる情報発信側の工夫と市民の意識改革
でも、テレビのニュースは本当にわかりやすくなりました。アナウンサーも気象予報士も、もちろんスタッフみんなが「伝え方」を一生懸命勉強されていますね。「川の様子を見に行かないように」とか「過去の災害で、知り合いに避難の声掛けをしてもらったから避難して、助かった人がいます」とか、市民に届く表現を使おうと工夫しています。
でも、ニュースのレベル4や5の情報が避難スイッチになるとしたら遅すぎます。日頃
気象情報の伝え方に疑問が
お盆を迎えて、梅雨のような気圧配置になり(梅雨と秋雨は基本的には同じメカニズムでできている停滞前線だと、高校生の頃地学で学びました)、これまでに経験したことのない大雨が降り、広島市で大雨特別警報が出されています。テレビでは気象庁の記者会見が放送され、担当者が状況を細かく伝えています。「警戒レベル5」にあたる「緊急安全確保」の段階だから、今から避難所に行くことがかえって危険だ、その場で命を守る行動
もっとみる学ぶから関心を持つ、防災
とある大学の講義で、気象庁の-learningを取り上げました。「大雨の時にどう逃げる」という学習教材です。実は、このビデオ教材の製作に私自身が関わっていたので、学生に視聴してもらっていろいろと感想を聞いてみたいなと思ったわけです。
学生たちの感想文を読むと、かなりの学生たちが、自分の住んでいる地域のハザードマップをわざわざネットで調べて確認し、友だちや家族に伝えたいと書いていました(実践し
地震の時は「4つの危ない」を避ける ~大和言葉と漢語~
文部科学省は、地震発生時には「落ちてこない・倒れてこない・移動してこない」場所が安全だと教えています¹。文部科学省という御上の言うことだから地方の教育委員会はこの3つの安全な場所という考え方をしっかりと検討することなしに、学校に伝えます。もちろん学校でもガイドラインに沿って3つの安全な場所を子どもたちに教えます。
でも、震災を体験した人ならもう一つの危険を知っています。割れて散乱したガラスや
無限に広がる防災教育
ある防災教育の研修会の打ち合わせをしていて、ふとひらめきました。
私はこれまで、いろんな場所で「狭義の防災教育」と「広義の防災教育」の存在を指摘してきました。「狭義の防災教育」は「ハザードの理解」「災害への備え」「災害時の正しい対応」を教えることです。私はこれを「防災教育のミニマムエッセンシャルズ」と呼んでいます。命や財産を守るために最低限必要な知識や技能を教える教育です。
「広義の防災教育
地震発生直後の連絡、ちょっと考えましょうよ。
東北で地震が続いています。とても心配になります。特に、東日本大震災以降、私に親しくしてくださった方々の安否は気になります。
でも、その日に連絡を取ったりはしませんでした。翌日、被害がなかった事実を確認して、メールしました。内容は、東日本大震災を体験した子どもたちのフラッシュバックや体験を持たない子どもたちも含めた子どもたちの恐怖、翌日の学校での対応が中心でした。私が元教師で、防災教育と心のケ