無限に広がる防災教育

 ある防災教育の研修会の打ち合わせをしていて、ふとひらめきました。
 私はこれまで、いろんな場所で「狭義の防災教育」と「広義の防災教育」の存在を指摘してきました。「狭義の防災教育」は「ハザードの理解」「災害への備え」「災害時の正しい対応」を教えることです。私はこれを「防災教育のミニマムエッセンシャルズ」と呼んでいます。命や財産を守るために最低限必要な知識や技能を教える教育です。
 「広義の防災教育」はそこにとどまらずに、災害体験の語り継ぎ、自然の恩恵、命、福祉、地域、産業、人権、国際、将来の夢などいろいろな分野とつながって広がっていきます。
 この「狭義の防災教育」と「広義の防災教育」が両端にあって、それがグラデーションのようにつながっている、つまり色が変わっていく帯をイメージしていました。
 でも、そうではなくて、「狭義の防災教育」が真ん中にあってその周りに「広義の防災教育」が広がっているのではないでしょうか。帯なら限界があります。端っこまで行けばそこで終わりです。「広義の防災教育」は端っこを越えて広がっていくことができません。同心円なら「広義の防災教育」は無限に、全方向に広がっていくことができます。

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